その日ひろったのは化け猫でした。

そらいろ

第1話 朝

 夢を見た。その夢は、いつもと全く違っていて。

 すっかり目が覚めてしまった僕は、ゆっくりと身体を起こす。

 遮光カーテンの隙間から朝日がさしている。眩しさに目を細めてから、僕はおかしなことに気が付いた。

 ここは、どこだ?

 見慣れない部屋だった。少なくとも自室ではない。薄緑色のカーテン、これからベージュの落ち着いた壁紙、きちんと片付けられた机。本棚には小説だかコミックだかわからないが、たくさんの本が詰まっていた。

 そして、今しがた僕が這い出てきたベッドの上には、少女がいた。

「だ、誰ぇ!?」


「……ぅうん……うるさいなぁ」

 僕の奇声で起こされた彼女は、のろのろと起き上がって、僕を見つけ、数秒固まってから、

「うわぁぁぁあああ!?!?」

 同じように奇声をあげた。

 傍にあった掛け布団をわっと抱き寄せて、僕の方をまじまじと見る。それから彼女は深呼吸をした。

「……すぅ、はー。ええっと、昨日、確か……アタシは……ええっと…… 」

 片手で頭を押さえながら少女は考え込む。

 僕も昨夜のことを思い出そうとした。昨夜、昨夜は、確か……

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