その日ひろったのは化け猫でした。
そらいろ
第1話 朝
夢を見た。その夢は、いつもと全く違っていて。
すっかり目が覚めてしまった僕は、ゆっくりと身体を起こす。
遮光カーテンの隙間から朝日がさしている。眩しさに目を細めてから、僕はおかしなことに気が付いた。
ここは、どこだ?
見慣れない部屋だった。少なくとも自室ではない。薄緑色のカーテン、これからベージュの落ち着いた壁紙、きちんと片付けられた机。本棚には小説だかコミックだかわからないが、たくさんの本が詰まっていた。
そして、今しがた僕が這い出てきたベッドの上には、少女がいた。
「だ、誰ぇ!?」
「……ぅうん……うるさいなぁ」
僕の奇声で起こされた彼女は、のろのろと起き上がって、僕を見つけ、数秒固まってから、
「うわぁぁぁあああ!?!?」
同じように奇声をあげた。
傍にあった掛け布団をわっと抱き寄せて、僕の方をまじまじと見る。それから彼女は深呼吸をした。
「……すぅ、はー。ええっと、昨日、確か……アタシは……ええっと…… 」
片手で頭を押さえながら少女は考え込む。
僕も昨夜のことを思い出そうとした。昨夜、昨夜は、確か……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます