第36話 : 若いって凄い(間地視点)

「気にしないで良いのよ。でもほどほどにね、ここ、キャンプ場だから」


 あらま、この二人想像以上にお盛んだこと。栞菜ちゃんには見せられないわね。


「「は・・い」」


 まあ、綺麗にハモること。息ピッタリじゃない。

 智鶴ちゃんは真っ赤な顔して、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。

 優治君は・・・・あら、立派なものをお持ちだこと。元気そのものね。まだ出したりしないのかな。ま、私はしないけどね。


「智鶴ちゃん、時間よ。お口の周りはちゃんと拭いてね。これ、ウェットティッシュ。それと臭いを消すためにお茶でうがいした方がいいわよ。このペットボトルを使ってちょうだい」


 そんなこともあるだろうと思って用意しておいたのよ。

 それにしても、このテントの中は凄い臭いね。汗とオトコのエッチなおつゆの臭い、更にはオンナの酸っぱいものが混ざり合って、むせかえる感じがするわ。

 換気扇を暫く回していたいわね。

 智鶴ちゃんもできればパンツを替えてからテントに戻った方が良いと思うけど・・・・栞菜ちゃんならわからないかな。


「智鶴ちゃん、少しカラダを落ち着けてから戻った方がいいわよ」

「あ、は、はい」


 智鶴ちゃんは「はい」以外の言葉が出てこない。

 ま、さすがにおフェラの現場を見られたらバツが悪すぎるから、仕方がないわよね。


「とはいえ、栞菜ちゃんが待ってるから、あまり遅くならないように、ね」


 智鶴ちゃんがいなくなるのを確認して、私がこの場を締めておかないと。


「優治君」

「はいっ!」


 あらあらアナタも「はい」しか言えなくなっちゃったのね。

 そんなに緊張しなくても怒っていないわよ。

 それにしても、まだ──反り勃ってるのね──若いって凄いわ。

 私が相手をしていた前の社長なんて、一回もできない時だって──これは余計な話。


「ともかくも、それ、しまって。それからお話ししましょ」


 真っ赤な顔して、中高生じゃないんだからそんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。

 ああ、そんなに焦ると大事なものをチャックで挟んじゃう、って遅かったわね。

 あれじゃ治るまで何日かエッチができないから智鶴ちゃんに怒られるの確定ね。


「落ち着いて、怒ってる訳じゃないから」

「は、い、痛てて」

「焦るからよ。見せてご覧なさい」

「それは・・・・」

「いいから!」


 あらあら血が出てる。絆創膏を持ってて良かった。

 さて、貼らないと・・・・小さくなると可愛いこと。柔らかくて貼りにくいけど、今は緊急事態だから。

 それにしても、結構きつい臭いがするのね。出したものが濃いのかな?これも若さよね。


「さて、見たことの事情は聞かないわ。ここで何をしてたかも責めない。で、一つだけ訊いていい?」

「あ、は、はい、何なりと」

「智鶴ちゃんとはいつからそう言う関係だったの?」


 そこからは随分詳しく教えてもらった。

 大方は想像どおりで、今更驚くことはない。

 一日の回数だけはビックリしたけど、あの臭いなら何となく理解できる。


「栞菜ちゃんは知ってるの?」

「多分知りません」


 あの様子ならそうよね。


「それなら黙っててね」

「へ、暫くって?」

「言葉のとおりよ。いつまでとは言えないわ」


 栞菜ちゃんが恋愛に目覚めるまで、とは言えないもの。


「あと十分くらいは大丈夫だから、少しお話ししましょ」


 それからは私の質問攻めだった。

 まあ、この状況で彼から声を出すことはできないだろう。

 栞菜ちゃんのことや智鶴ちゃんとの今後のことを訊いてその場はお開きになった。


 智鶴ちゃんのご両親と顔を会わせるのは大変だろうな。

 何せ・・・・ね。

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