窓辺の花瓶



窓辺に花瓶がある

花瓶には花が刺さっている

閉じられてことのない窓から

冷たい風が吹いている


(男は思い出していた

若かった頃の思い出を

青春はあまりに短く

幸福はさらに短かったことを)


花瓶にはひびが入っている

水はとっくに干上がっている

花は今にもしおれそうだ

冷たい風はやむことがない


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