第176話
三十階層の階層主である熊を倒した後、皆で楽しく談笑しながら夕食を食べ、ぐっすりと睡眠をとって身体と心を休めた。そして開けて翌日、俺たちは三十一階層へと進んだ。カトリーヌさんから事前に教わっていたが、三十一階層からは湖などの水の要素が加わり、現れる魔物の種類も増えていくと言われていた。
「
「
「魔物の種類が一気に増えましたね」
「どの魔物のお肉も、魔力が豊富に含まれてますね」
「うむ、どれも美味しそうじゃな。昼食と夕食が楽しみじゃな」
「そうだね」
十階層・二十階層で食べた魔力が含まれた肉は美味しかったが、三十階層の階層主の熊からドロップした肉は、それよりもさらに美味しかった。魔力が豊富な肉というのは、美味しさもさることながら、含まれる栄養も豊富になっている。肉の脂もサッパリあっさりとしていて、味も全然くどくなく、幾らでも食べてしまえる程だ。ただ、食べ過ぎると太るのは普通の肉と変わらないので、そこら辺は気を付けないといけない。
「この階層から、魔物からの奇襲が増えていくから皆気を付けてね。特に鳥類の魔物は、上空や死角から仕掛けてくる事が多いから、魔力感知は怠らない様にしてね」
『はい』
「了解じゃ」
「了解です」
魔物と化した鳥類というのは、魔物と化した牛や猪などと比べると非常に厄介だ。単純な強さで言えば、牛や猪などの方が強い。巨大な体に、天然物の筋肉の鎧を身に纏い、鋭き牙や角を持つ牛や猪の方が脅威度が高い。だがその分的が非常に大きく、自然と攻撃が当てやすくなるので、比較的容易に倒す事が出来る。
だが魔物と化した鳥類というのは、一部の高ランクの魔物以外は小柄な個体が多く、動きが素早く小回りが利くので厄介なのだ。小柄で動きが素早いため、的が非常に小さく攻撃が当てにくいので、容易に倒す事は難しい魔物となる。ヒットアンドアウェイの戦法と、高度からの奇襲などを得意とするため、魔力感知での警戒は必須となる。
そして、鳥類の魔物と同じく警戒が必要なのは、鰐・鮫・蛇といった魔物だ。特に蛇の魔物は、様々な種類の毒を持つ個体も存在する事から、鳥類の魔物たちよりもより一層警戒が必要になる。そして鮫などの魚類に関しても、同じく警戒が必要となる。人の生存圏外である海の中に生き、海という環境に特化する様に、独自に進化を遂げていくのが海の魔物だ。人が自由に動く事が出来ない海という場所においては、陸や空の魔物と比べて強さも厄介さも一段と強くなるので、戦い際には注意が必要となる。
(それにしても、ドロップした肉は良い肉ばかりだった。前世でも、鮫の肉や鯨の肉は食べた事なかったからな。今から昼食の時間が楽しみだ)
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