第35話
私とクララは朝一番で合流してから、女性陣の結束を強めるために積極的に動き始めたわ。まず初めに声を掛けたのは、学院内でのお茶会や女子会などをして仲良くさせてもらっている子たち。派閥と言っていいのか分からないけれど、貴族や庶民といった身分を問わず集まって遊んだりお喋りをする、私とクララを慕ってくれる子たちね。
マルグリット様やナタリーさんから聞いた話によると、私やクララの派閥というのは第三者から見ると結構な規模の様で、アルベルト殿下をトップとした派閥や、ローラをトップとした派閥などと肩を並べる程、影響力が強いとの事。私やクララは、意識して派閥を作ろうと動いていた訳ではないので、初めてその事を教えてもらった時にはもの凄く驚いたわ。でも、いざこういう事になった時に、この派閥の様なものは大きく力になってくれるという事が、今回の事でよく分かったわね。
「微力ながら、私たちもお手伝いいたしますわ!!」
「ええ、お任せください!!」
「お二人のお力になれるのなら、喜んで協力致します!!」
「女性を怒らせるとどうなるか、私たちで教えて差し上げましょう」
「家に帰ったら、お母様やお姉さまにもお話しなければいけませんね。忙しくなりそうです」
一日の授業が終わり、仲の良い子たちに声を掛けて、話を聞いてもらうために集まってもらった。まずは協力云々の前に、しっかりと話を聞いてもらう事にしたわ。そして集まってくれた子たちに、どういった事を計画しているのかを細かく説明していき、マリーさんやソレーヌさんと同じ様に、一旦持ち帰ってご家族と相談してもらう様にお願いしたのだけど…………。ヒートアップした彼女たちは、次々とその場で協力を承諾していってしまう。
皆の気持ちはありがたいのだが、王家に喧嘩を売る様なものなのだから、即決されてしまうと私たちが困ってしまうのよね。だから、まずはヒートアップしている彼女たちを落ち着かせて、最悪の場合王家に目を付けられる可能性を念押ししていく。それから、この計画は決して男性を敵視するものではなく、殿下や側近たちの暴走を止めて、マルグリット様とナタリーさんを守るためという事も念押しする。
これが原因で、この場にいる彼女たちが男性を無駄に敵視する様になったり、今の殿下や側近たちの様に男性に対して難癖を付けるようになってしまったら、色々とまずい事になるのは間違いないわね。
私やクララの思いが通じてくれたのか、一旦冷静になった彼女たちは、家族と相談する事を約束してくれた。でも先程の様子から考えるに、この場にいる子たちの気持ちや考えは変わらないでしょうね。それに、彼女たちのお母様たちやお姉さまたちも、ノリノリで協力してくれる姿が目に浮かんでくるわ。
(協力しようとしてくれるのは本当に嬉しいのだけれどね。……でも彼女たちがこんな感じだと、他の子たちも話を聞いただけで即決しそうね)
「次に協力をお願いをする子たちには、話す内容の順番を考えないといけないわね」
「そうね。今日と同じ様に話していくと、また頭を悩ませることになりそうだわ。色々と考えなきゃいけないわね」
「だけど、彼女たちが殿下たちやマルグリット様たちの事をどう思っているのかを直接知れたのは、とても大きな収穫だったわ」
「それは確かにそうね。次に協力をお願いする子たちも、この子たちと同じ様に思ってくれていると嬉しんだけどね」
目の前にいる彼女たちは、私たちの計画に対して協力したいと好意的なのだけど、次の子たちからはどうなるか分からないわ。否定的な子たちや無関心な子たちも出てくるだろうし、マルグリット様やナタリーさんに負の感情を抱いている子もいるかもしれない。その辺の事も色々と考えつつ、味方を増やしていかないといけないわ。
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