第7話放課後1

陽太「(美月『放課後に時間もらえないかな?』)俺何かしたっけ?考えろ、考えるんだ…やっぱ思い付かねぇ…ん?待てよ確かクラスメイトが言っていたな曙さん触るには一万必要だってどうしよう俺ガッツリ触ってしまったんだがこれって十万?いやもしかすると百万するのか?ヤバい父さんと母さんに何て言えば…」

さすがの難聴系鈍感モブ主人公の陽太は見事に勘違いをしていた、もとの話はこうだった。

[陽キャ一号「なぁお前曙さんと握手したくねぇか?」

陽キャ二号「ばっか、お前そんな当たり前の話するなよ!」

一号「でもさ曙さんと素手で握手ってのも違わなくね?」

二号「まぁそれは分かるわあの白くて綺麗な手に素手はないな!」

一号「やっぱ手袋越しじゃないとできないよな、それでさ…手袋どんだけ装着すれば曙さんと握手できると思う?」

二号「んー無難に一万ぐらい?その上からゴム手袋した後にサランラップでぐるぐるまきにすればワンチャンあるんじゃね!?」]

と男子の馬鹿話を引き出すほどに陽太は焦っていたのだった。何せいつもなら帰っている時間であった。いつもと違うということは、陽太に多大なプレッシャーを与えていた。陽太以外誰もいない教室で、ぶつぶつとあーでもないこーでもないと思考を巡らせていると、ガラガラッと教室のドアが開き曙美月が入ってきた。

陽太「曙さんお疲れ委員会の仕事はもう終わったの?」

美月「うん…(本当はあっちゃんとまっちゃんに相談にのってもらってたなんて言えない…)

じゃあここでは言えないから移動しようと思うんだけど…良いかな?」

陽太「良いよ(ここでは言えない!?やっぱり触ったの不味かったのか!?よし決めた土下座してでも許してもらおう!!)どこに行くのかな?」

美月「体育倉庫の裏に行こう?あそこなら誰も来ないし…(計画通りに、計画通りに…)」

陽太「へ、へーソーナンダーソンナトコロアルナンテシラナカッタヨ…(マズイマズイマズイどうしよう人目が付かない所!?俺死ぬのか!?)」

美月「(なんで行きなり片言なのかな?まぁいっか!)じゃあ行こっか!」

移動中

体育倉庫の裏は周りからは死角になっていて、いりくんだ場所となっている。そこには使われなくなった大きな木材や、鉄パイプなどを立て掛けておいてある場所でもあった。

美月「…」

陽太「…あの、曙さん?よ、用があるのでは?(どうしよう!土下座のタイミングがない!)」

美月「そ、そうです影臼くんが朝言ってた助けた子って名前なんですか!(やった!聞けたよ~!)」

陽太「へっ?あのー曙さんは俺にお金を請求しに来たのでは?(どういうことだ?いや待てこの後に請求されるかもしれない…)」

美月「えっ?なんで私が影臼くんにお金を請求しないといけないの?(えっ?待って待って計画と違うんですけどあっちゃん!まっちゃん!)」

陽太「だって…曙さんに触るにはお金が必要だってクラスの人が言ってたような気がしたからなんだけど…(違ったのか?でも確かに言ってたんだけどな…)」

美月「ぷっ、あははははははーちょっ、腹痛いんだけど~誰がそんなこと言ったの~?面白すぎ~!あっはっはっはっはっはー笑った笑った私は別に気にしてないよむしろ体育の時助けてくれてありがとうね影臼くん」

陽太「いや、あれはたまたま気にかけていたからで…」

美月「えっ!?気にかけていたって…(もしかして、もしかするの!?)」

陽太「今日、なんか様子が変だったから…」

美月「デスヨネー(うん知ってたよ?別に期待してた訳じゃ…いやめっちゃしたけどさ!!でも期待しちゃうじゃん?さっきの流れ的にさ!!あー考えるの止めよう熱くなってきたし)」

陽太「どうしたの?(曙さんやっぱりまだ調子が良くないんじゃ…)」

美月「ううん、大丈夫…ちょっと…ね

よし!話を戻してその、助けた子の名前は覚えてるの?(もし私狙いならここで適当な子の名前をあげるだろうし…)」

陽太「あーその事なんだけど…そもそも聞いてないんだよね…見てたからわかると思うけどすぐ走ってその場から離れたから…」

美月「あっ、いや、そのもちろん見てたよ?

知ってる人なのかなーと思ってあははー(危なかった~嘘がばれるところだった~)」

陽太「知らない人だったけど見てしまったからには助けないとって思っただけだよ」

美月「そ、そうなんだー助けた子って女の子だったの?」

陽太「うん確かそうだったと思うけど…(どうしてそんなこと聞いてくるのかな?曙さんの所からは見えなかったのかな?)」

美月の「(よし!ミッションコンプリート!!これで確定した!私を助けてくれた人は影臼くんだ!!)聞きたいことも聞けたし私の用事は終わりかなありがとうね放課後なのに付き合ってくれて」

陽太「じゃあ俺は帰るね、帰ってもいいんだよね?」

美月「うん、また明日」











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