第6話新入生交流会(2)
窓から陽射しが照りつける長い廊下を渡り歩き、目的地である体育館へと向かう途中、美春と遭遇する池明太御一行。
「…遅いわよ明太。」
「あれ、美春?そんな所で突っ立って何してるんだ?」
背中を廊下の壁に寄り掛かりながら明太の到着に文句をつける美春を見つけ返答する。
「あんたを待ってたのよ」
「え?待ち合わせなんかしてたか?」
「してないわよ」
「だったら何で待ってるんだよ」
「またあんたがアホな事をしでかしてないか監視する為よ」
呆れながら明太にため息混じりに呟く。
「んな事しないっての。俺を何だと思ってるんだ」
「アホだと思ってるのよ」
「…ほんとお前って俺には容赦ないな」
口では勝てる気がしないと判断した池明太。
すると一緒に体育館に向かっていた上白糖と小林渉が池明太の肩をポンっと叩き、ブサイクな顔で至近距離まで詰め寄る。
「…なぁ、明太君。この美人な女の子は誰だい?」
「裏切りか?裏切りなのかな明太君?」
あまりの至近距離からのブサイク顔と恐怖さえ覚える程の嫉妬という名のプレッシャーに気圧される池明太。
命の危険を感知し、しどろもどろになりながら頭の中でこの状況を切り抜けられる正解の返答を捻り出そうとする。
「あ、あいつはあれだよ。幼馴染だ!幼馴染!ただの腐れ縁ってだけだから。裏切りとかないから!!だからその何処から出したか不明なメリケンサックはしまって!!いや、しまって下さい!!お願いします!!」
地べたに頭を擦りつけながら平伏し、命乞いをする明太。
そんな状況を目の当たりにした美春はもう一度、深いため息を吐く。
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