第4話担任教師現る
「おーい、お前ら。チャイムが鳴ったぞー。席につけー」
始業のチャイムと同時に教室のドアが開くとこれまたブサイククラスに相応しいちょっと顔のパーツが崩れている顔面をお持ちの担任教師が注意をしながら入ってくる。
「おっ、担任が来たみたいだな。また後でな!」
そう言い残すと上白糖は自分の席にへと走り出す。
それに続いて周りのクラスメイトもそそくさと席に向かう。
「あー、今年も相変わらずの面々が揃ったな。」
にやにやと笑顔を向けながら生徒を見回す担任教師は笑いを堪える仕草を見せる。
「いやいや、そういう先生こそ立派な顔面をお持ちのようですね」
すかさず池明太は担任教師にほくそ笑みながら応酬する。
すると予想外の返しが返ってくる。
「ふっ。お前らと同列に扱うな。」
勝ち誇った笑みを向ける担任教師。
「どういう事ですか先生?強がりはいけませんよー?」
おかしな事を言う担任に呆れながら笑いかける上白糖は素晴らしいほどのゲス顔を披露する。
しかしそのゲス顔はある物によって絶望へと変化する。
「…これが見えないのか?こ・れ・が!!」
勝ち誇った顔で注目しろと言わんばかりに手をひらひらと振る。
そこには銀色に光るリングが指にはまっていた。
「な、なん…だと……。」
「ありえねぇ…」
「これは夢だ…。夢なんだ…」
各方面から絶望感溢れる言葉が飛び交う。
そんな中、池明太だけはまだ諦めてはいなかった。
「…あれだよ、あれ。玩具の指輪に違いないって。だってあり得ないでしょ?結婚してる証拠を見せて下さいよ?指輪だけでは俺の眼は騙せないですよ?」
震えながら否定の言葉を口にする。
が、それも虚しく裏切られる。
「…ほら。これが俺の嫁だ!これで俺が勝ち組だと分かっただろ?」
ポケットからスマホを取り出し、1枚の写真を見せつける。
差し出されたスマホの画面にはタキシード姿の担任教師とウェディングドレス姿の1人の美しい女性が2人仲良く笑顔で寄り添っている写真が表示されていた。
「……ど………たん…ですか…?」
「ん?何て言ったんだ?」
「どんだけリセマラしたらこんなSSR級の嫁を引けるんですかぁぁぁぁーー!!!」
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