第3話
昼休み。
午前の授業の疲れを取るためには最適な時間。
4時間の勉強によって疲れた脳は自然と不思議なもので糖分を求めに行く。
あーミルクティー美味しい。
『来海ちゃん』
『ん?』
隣で弁当を食べている紫穂は眠たげな顔をして私の膝の上に頭を乗せた。
『喉詰まらせないでよ。ほら、起きあがっ…おも』
『ひふれいでふな!ほ、ほれでも
(失礼ですなっ!こ、これでも)』
『ちゃんと、食べ終わってから話そう。ほら』
『ふぁーい』
無理矢理紫穂の頭を起こす。
人の頭はボウリングの玉くらいの重さのはずなんだけど…。
もしかして、筋力の低下かも。
試しに二の腕を触ってみるともちもちしているだけのお肉がついていた。
『そろそろ運動したほうがいいのかな…』
『えっ、来海ちゃんこの前のえっちの時痩せてたから大丈夫だよ。私にも触らして』
『えっ!ちょっと、やだっ!』
『あー去年よりかはついてるかもだけど成長期だし大丈夫だよ。ほら、二の腕って胸と同じくらいの感触って言うし』
『それのどこが大丈夫なの…』
紫穂の手を二の腕から離す。
『で。なんの用?』
『あ、えーと、その…帰ったら勉強教えてくれない?家行くから』
『えっ?そんなことか…。というか、私たち今義姉妹なんだから同じ家に住んでるでしょ』
『あ、そっか』
・・・この子大丈夫だろうか…。
不眠症の割には授業中ずっとうとうとしていて、放課になると私の膝を枕として使いにくる。
昨日から一緒に寝ることになったけど、もしかして眠りの質が浅いのだろうか…。
もしそうなら生活に支障が出るだけではなく紫穂の体にも影響が出てしまう。
そうとなればー。
紫穂の腕を持って立ち上がる。
『紫穂。昨日あんまり寝れなかったんでしょ』
『い、いや。来海ちゃんから頭撫でられた後は普通に…』
『量じゃなくて質の問題!保健室行くよっ!』
『あっ!』
紫穂の腕を引っ張って保健室へ向かう。
二年生は一階に位置しているため保健室から近いところにある。
『失礼します』
『し、失礼します』
ドアを開けて保健室の先生に挨拶する。
『あら?今日も来たのね。いつも通り任せたわよ来海さん』
『はい!』
紫穂をベッドの前まで連れて行き寝かせる。
誰からも見えないようにカーテンを閉める。
暗幕も完備しているので寝るのには最適。
紫穂を寝かせ、私は枕元に椅子を使って座る。
『お布団ちゃんとかけて寝ようね』
『んーちょっと熱いから半分でいい?』
『わかった』
布団を腹の部分まで持ってくる。
『おやすみ紫穂』
『そ、その前に言いたいことあるんだけど…』
『何?』
『なんで、連れてきてくれたの…?私眠いって言ってなかったよね』
『そんなの見てればわかるって。紫穂のことは私が一番知ってるんだから。また頼ってくれると私も嬉しい』
『そ、そっか。ありがと』
『ふふっ。それじゃあ、おやすみ』
『ん。おやすみ』
紫穂が目を閉じる。
寝息が聞こえてくれるまでここで紫穂を見まもるのが私の役割。
紫穂の彼女として私がやってあげられること。
右手で手を握り、片方の手で紫穂の胸の上に手を置き一定のリズムで優しく叩く。
私は小さい頃こうやってもらいよく寝たものだ。
10分くらいすると紫穂から寝息が聞こえてきた。
そろそろ私の役割も終わりだろう。
紫穂の手を話して保健室を後にしようとする。
『あ』
紫穂の手に握られた私の右手。
離れようとすると紫穂が自然と力が少しこもるのがわかる。
しょうがないか…。
授業もどうせ聞かなくてもわかるし今日は諦めることにする。
『紫穂大好き』
ちゅっ。
額にキスをしてまた椅子に座る。
そうえば、お昼片付けてなかったかも…。
すやすやと寝息を立てる彼女と私の昼休みはチャイムと共に終わった。
『ふぁぁぁ〜あ。よく寝た』
『おはよう紫穂。さ、帰ろっか』
『わっ!来海ちゃんいたんだっ!いつも起きたらいないから嬉しい!どのくらい寝てた?』
『んー。3時間くらいかな。私もその間ずっとここにいたから』
『えっ!?授業サボったの?』
『紫穂が手、離してくれなかったから。それに私自分で勉強できるし』
『うぅ〜。でも、そんな悪い子にはお仕置きだよっ!』
『ん。何?おわっ!…………ごくんっ』
紫穂が私に飲ませてきたのはただのお茶。
『3時間ここで待ってたってことはトイレも行ってないってことだよね。来海ちゃんには私とおしっこ我慢対決をしてもらうよ』
『何故そんなことを!?』
学校でおしっこを漏らすなんて言語道断。
流石に紫穂だってすぐ諦めてくれるはず…。
でも、正直辛い。
正直30分くらい前から我慢してる。
それに今加わったお茶で私の尿意は限界値を越している。
あと十分もって良いとこだ。
『紫穂は…トイレあと、どのくらい我慢できるの?』
『うーん。3時間も寝たし結構溜まってると思うけど、あと30分はいけるね』
『もう勝ち目ないじゃん』
『いいよ。別にここでしちゃっても』
『するわけないからっ!』
くっ…!
溜まってきてる…!
一歩でも動いたら出ちゃいそうで怖い。
だからといってここで出すわけにもいかない。
精神統一してここはトイレに向かうのが正解だと思うが…。
『じゃあ、トイレ行きたい人は家のトイレ限定ね。それ以外は使っちゃダメ』
『それはなしでしょ!』
『勝負事だよ来海ちゃん。少しのスリルがないと』
『そ、それなら…は、早く帰らない?』
『そうだね。来海ちゃんのおしっこが漏れる前に帰ろっか。カバンある?』
『えっ?』
ここには昼放課に紫穂と来た。
だから、帰りの準備もしていないわけで…当然鞄もない。
『教室行こっか』
『だ、だめ…こ、ここから動きたくない…』
『も、もう…だめ…』
自分のパンツが染みていくのがわかる。
最初は小さなシミだがどんどんと広がっていく。
『し、紫穂…で、も、漏らしちゃったよ…』
『わかった。まだ、途中だよね。とりあえずこの水筒の中に…』
紫穂が水筒の蓋を開け私の股の下まで持ってくる。
『来海。スカートまくって』
『む、無理…い、今、手、手が離せない』
『・・・私がスカート捲るね』
紫穂がスカートを捲ると大きなシミができたパンツがあらわになった。
『本当にお漏らししちゃうなんて。来海はやっぱりえっちだね』
『そ、そんなわけっ…!ひゅっ!な、何してるの!?』
『え?別にいつも通り来海を気持ちよくさせてあげるだけだよ。ほら、おしっこだして』
『そんなこと言われてもっ!あっ…い、いや…だめ…だめ〜!』
紫穂が私の下をパンツ越しに触れる。
いつもとは違う感触が下に刺激し私の尿意は終わりを迎えた。
パンツ一面を濡らし、水筒に入り切らずに散乱したおしっこは床を浸す。
『はぁ…はぁ…』
『来海、今ものすごい可愛いよ。頬も今までで一番赤くなってるし、涙目で私今ものすっごく来海を襲いたい』
『私も…今、紫穂をめちゃくちゃにしたいよ』
ある意味なっ!
ここまできたら開き直るしかない。
『家。帰ろっか』
『うん。でも、紫穂。ここ掃除しなきゃ』
床に散らばったおしっこから鼻をツンとするアンモニアの匂いが発せられている。
保健室をこのままにしておくわけにはいかない。
なにか良い方法は…。
『あ、来海ちゃん。このお布団に染み込ませるって言うのはどうかな?帰りにクリーニングに寄って明日持ってこれば良いし』
紫穂が先ほどまで使っていた掛け布団を床に置こうとする。
あまり賛成したくないものだが、しょうがない。
後で保健室の先生にはお茶をこぼしたから自分達で責任を負うと言っておこう。
『・・・なんか私、紫穂といるとダメな方にいってる気がする』
『えっ!?何それひどいっ!』
高校2年生の二人がおしっこを布団で吸う作業をやるなんて…。
因みに紫穂も限界値を迎えたのでトイレには行かせず二人目の犠牲者を出したのだった。
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