第10話:ジェンダー教育 ①
今は子供のうちからさまざまな事を学んでいる。特に、男女の身体の違いや思考、行動、視点など個別で異なるケースが多く見受けられるような物が多い。
しかし、基本的な事を習ったとしてもかなり不足している部分が多いことも事実だ。例えば、性教育を含めた性に関する教育がかなり遅れることで子供たちが無知識で相手に対して接してしまう可能性がある。
例えば、小学校の性教育のセミナーなどを男女別で行って、教育の一環にしているという事例を見たときにふと違和感があった。それは、異性間では見えない壁を作って、男子だけが知っているべき、女子だけが知っているべきなどの“先入観”から起きてはいけないいじめなどに繋がっているケースも表面化していないが、起きている可能性は十分に考えられる。
そして、そこで習った内容が男子だけが知っている、女子だけが知っているという状態になることでアフター・ラーニング(=最初に感じたときよりもあとになって答えが見つかる状態)になり、男女の違いを十分に理解しない状態が長期化し、疑問だけが個々に積み上がっていってしまうのだ。
その結果、自分の性(男子なら男子、女子なら女子)に関してはかなりの割合で知識を得ているが、これが異性になると男女双方に十分な知識がない状態になり、間違った見識や視点で物事を捉えてしまうのだ。
よく起きる認識差の例として特に女子児童の“体育などの授業見学”、“陸上記録会など公式行事の見学”が挙げられる。
これは私自身が小学校の時から違和感を覚えた事の1つだ。
私は小学校高学年の時に見学をしている女子を見て“やりたくないから休んでいる”・“今日はきつい授業だから休めて良いな”と思っていることが多かった。そして、当時は詳しくは習うことはなく、この理由を初めて知ったのは中学校の保健体育の授業だった。
特に現在はこのような事象が発生する年齢が低年齢化している傾向があり、早期からこのような教育カリキュラムを構築することで男女の知識格差が生まれることなく、同じ目線でお互いを見ることが出来るため、上記に挙げたような事例の時でも「こういうことだから休んでいる」という認識が芽生えることで、間違った視点や知識で片付けることなく、お互いを考えるきっかけに繋がる。だからこそ、現在のカリキュラムのように男女別ではなく、男女で学ぶ機会を増やしていくべきだと思う。
そして、お互いに知識を得ることで相互理解や状況判断力や状況理解力などを早い段階で育てることが可能となり、いじめやいじり、偏見や差別などを減らすことに繋がっていくと思う。
その他にもこのような取り組みが早期から始まることで子供たちは早期から性に関する知識を習得することが出来て、大人の人による児童に対しての性犯罪発生の抑制や両親などからの性的虐待などを減らす抑止力にも一定の効果を発揮すると思っている。
なぜなら、このような人たちは“このくらいの子供たちなら無知だから何をしても問題ない”と思っているケースや“親の言うことを聞きなさい”などと“子供は大人の言うことを聞かないといけない”という社会における年功序列の基本形成のような風潮から声をかけられると相手を信じてしまいやすい傾向があるのだ。ただ、これは園児から小学校低学年までの子供たちに多い事例としての話しで、低学年以上の子供たちにはまた別の問題がある。それは、“声かけ案件”・“つきまとい(=ストーカー行為)”・セクシャルハラスメントを伴う行動など低学年でもあり得る行為が多いが、学年があがると更にエスカレーターしていくことが多い。
最近のニュースなどでも児童を狙ったと思われる性被害や虐待などのニュースがたびたび報道されているなど日本において未成年者に対する性犯罪や性的虐待は以前に比べても減るどころか増加傾向に転じているのだ。
その理由として私が公開されているデータを基に分析して見たところ現在一般的に言われている“コロナ渦による巣ごもりが原因”や“家庭内優位性の行使”などといわれることも関係しているが、私は別の観点があるように感じる。1つ目に“自分の子供だから”、“自分が育てているのだから”という“相手を卑下する”という心理だ。この事は全てのケースには当てはまらないのだが、一部の事例を精査するとそのような心理も伺える。
そして、このような行為が父親・母親だけではなく、事例によっては親戚や両親の友人や自身の友人の親など本人がどこかで関わりのある人からもこのような被害を受けている傾向もあるため、年々子供たちの被害が拡大している数字を見ても、かなり深刻な問題であり、現在では男女問わずこのような被害に遭うことが多く、このようなことを繰り返された事で精神的に追い詰められていき、相手にされるがままに従わざるをえないと思ってしまう子供たちも少なくない。
そして、この問題は子供たちの知識がないというよりも“性教育開始時期の遅れ”・“社会的優位性が子供の心理に与える影響”・“未成年者による家出や非行の発生”・“自発的な援助交際や児童買春行為を行う未成年者の増加”など双方が抱えている改善するべき問題も少なくない。
ここまで状況が悪化してしまうと、この問題が子供だけの問題ではなく、社会全体の問題として考えなくてはいけない時期に来ているように感じる。そのため、このような状況が進んでしまう背景に“ネット社会”や“SNSの普及”が挙げられるだろう。そして、今はスマートフォンなどの普及により人との交流が学校や塾などだけではなく、日本全体に広がっているのだ。そして、規定年齢以下の子供たちは年齢を偽って登録し、SNSのフィルタリングなどの適用対象となる年齢よりも上にすることでやりとり制限をかけられないように頭を使うのだ。
そして、大人も大人でその年齢だと思い、やりとりをして実際に会ってみるとまだ中学校上がったくらいの子供だった。というケースも少なくない。
これは“子供の貧困”というよりも“社会の貧困”と言わざるをえない。なぜなら、日本というのは他国と比べると性には寛容だが、性教育開始が遅れることでその知識を知ったことを実行出来る年齢になってしまい、今まで知らなかったことを知ったことでその反動が起きるリスクも高まってしまうのだ。
特に、幼稚園から中学生くらいまでの子供は実行しようとしている大人からすると当時の自分の残像が重なり、何とかして自分の物にしたいという心理が働くケースが多い。これは比率から言うと女子児童や女子生徒などの自分よりも華奢で自分の力で抑え込める相手に対して抱く感情の1つだと思うし、そういう相手と関係を持つことで自分の心を満たしたいという気持ちも同居していることは間違いない。
このような被害が多いと一般的に言われている小学校高学年から中学生までの間に一定程度の性教育の知識を子供たちに持たせることも大事だが、どのようにそういう場面を回避するかもかなり重要なポイントであることは間違いない。特に、子供たちの多くは守っているのだろうが、今の日本ではどの年齢であっても何かしらの性被害に遭っている子供はいるし、二次性徴が始まる年齢以降に被害が集中しているように見受けられるデータもあることから自己防衛も必要だが、必ず集団行動をするか、同じ学年の男子などと共に行動する事の大切さを子供たちに対して伝えて、それを実行してもらうことがこのような被害を減らすきっかけに繋がると思う。
そして、いくら社会倫理的観点から子供たちに教育できる範囲が制限されていて、差し障りがない部分しか教育出来ないと言っても子供たちに対する成人からの性被害はいつ・誰から・どのように・どのような状況で問題が起こり、それが事件発生へ繋がるか分からないのだ。そのため、今の指導内容ではその指導以上の被害や行為が確認された場合に子供たち本人が持っている知識の範疇を超えてしまい、対処できないことや被害に遭った子供の人権やこのような被害に遭いそうになったときの対処法などを教育内容に盛り込むなどして基本的な対処法やこういうことをされたときにどうするべきなのかを子供たちが判断する事が出来るようになるように育成することも大事だろう。
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