第24話:社会が教えられること ①
今の社会において“ルール”という名の守らなくてはいけない決まり事がたくさんあり、そのルールが時に他責思考や責任転嫁など起きてはいけない方向に作用してしまうこともあり得るのだ。
まず、幼少期におけるこれらの発生傾向を見てみたい。
今は子供が生まれると1歳~2歳までは自分から人を責めることは皆無に等しい。
しかし、3歳以降になると周囲の状況が理解出来るようになるだけではなく、自分で個別の価値観を持てるようになるため、子供たちが多角的な視点で価値観を形成し始めるのだ。
すると、今まで素直だった子供たちが次第に反抗や反論をするなど自分の意思を持つようになり、親との価値観の違いや自分の意見の信憑性などを客観的に見られるようになる。
これは一種の成長における精神発達といえるが、一方では他者共存とのバランスが上手く取れない可能性も指摘される。
その理由として、第1に“自分の意見が正しいから従え”という聞いたことがあるフレーズが物語っている。
そう。一般社会における“年功序列”だ。
ただ、この年功序列は通常の年功序列ではなく、“子供型年功序列心理”という子ども同士における年功序列が定着している背景が他責思考や責任転嫁、責任回避などに繋がっているケースが少なくない。
そのため、今はいじめなどを初めて受ける年齢が低下していることも、これらの複数の起因が作用している事や両親を含めた家族との関係性や家族の言葉の選び方や言い方などの言葉遣いを学んでしまう子どもほどいじめをしているという認識がないまま他者を攻撃してしまうし、家庭でも“パパが悪い”・“ママが悪い”などと常に相手に責任を押しつけるなど日常的な責任転嫁が家庭内・認知内(子どもが家族もしくは親戚など身内だと認知・理解している事を指す)で行われているとその行動を見た子どもは“僕が・私が何かされた時は相手のせいにしても良い”と勘違いすることになる。
この勘違いがきょうだいのいる家庭の場合には連鎖的に影響してくる事になる。
ただ、社会では“自分のやったことに責任を持ちましょう”という矛盾したメッセージを発されることから一定年齢に達した子供たちが混乱を招く要因になっており、その矛盾が負の連鎖を起こすきっかけに繋がることになる。
私はこの部分で社会が教えられることとして、“起きたことに対して誰が悪いというわけではなく、お互いに意見を言い合うことで多角的で成長できる機会を作ることが出来る”という考えを教えることが出来ると思う。
その理由として、今の社会においては自分とは考え方の違う人もたくさん住んでいるため、その人を排除したところで何も変わらないし、排除したことで得られる事はない。
しかし、日本というのはマジョリティ(多数派)が一般論として考えられているため、マイノリティ(少数派)に対する理解は遅れており、この部分が日本における優劣判断や年功序列のネックとなっている可能性を否定できない。
そのうえ、マイノリティの人の意見を吸い上げるのではなく、黙殺している傾向も多々見られており、このままでは幼少期からの負の積算により人物の二極化を進めてしまう要因になりかねないと私は思う。
そもそも、社会においてきちんとした基準があったとしても個々で受け取り方は違うし、いろいろな意見が合って然りだと思うが、日本というのは違う意見を持っている人を排除する、多数決が基本となっているため、同じ意見を持っている人が多い意見が適用される、数字が高い人が採用されるなど物事を数字で判断することで反対派が少ない状態で社会を形成していく事が可能になる。
すると、その意見に違和感を覚えている人が生活しにくくなるだけではなく、自分の意見は社会では認められないとしてひっそりと過ごすことになる。
それでは社会の意識は変わらないし、そこに問題が生じたときにマイノリティの人の社会進出も遅れる可能性が否定できない。
これは子供たちも同じ事が言えるが、子供たちの場合は事情がかなり異なる。
例えば、同じ学校に性的マイノリティの子がいた場合、子供たちの理解に差が生まれてしまう可能性が高くなる。
その理由の1つとして“集団生活における交流経験”が挙げられる。
これはこども園、保育園・幼稚園など小学校入学前の段階でどの程度性的マイノリティの子供たちと交流しているのかという“体験・経験”を指す。
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