第25話:社会が教えられること ②
これらの“体験・経験”が子供たちの相互理解と他者尊重の精神を育む事に繋がると私は思っているが、今は多様な価値観を持っている家庭があり、そのような人に対する理解が進まないことや家族などの交流経験がないため、むやみに教えるのではなく、周囲と足並みを揃えさせないと子どもに辛い思いをさせてしまうのではという恐怖心や“自分が教えた事が間違っていないか?”という不安などが学ぶ機会を奪ってしまう懸念がある。
そして、日本においては協調性を求められる事が多く、場合によっては周囲と違うというだけで異端な目で見られてしまうことや大人の鶴の一声でその子と仲の良い人たちをひとくくりにして“関わらない方が良い”などと孤立するように働きかけるなどいじめの卵を作るきっかけに繋がってしまうことになる。そして、そのような行為を受けた子どもや周囲の人たちが次第に社会から孤立してしまう事になる。
しかも、これが園児・小学生など精神発達途上の段階で行われてしまうと子供の脳における精神発達に影響するだけではなく、“こういう人とは絶対に関わってはいけないのか?”という間違った方向に認識されて、疑問に思ってしまう事やこのような発言が偏見や差別の温床を無意識のうちに作り出すことに繋がってしまう。
そして、これらのバイアスが長期記憶になってしまうと年齢が上がったとしてもこれらのバイアスが定常化してしまい、新たに学んだことであっても、自分の判断の基準が社会と乖離する形になってしまうと感じて自己判断をすることはかなり難しくなってしまう。
その背景として、“たくさんの情報が常時発生したことによる正誤判断の際の情報判断力の発達不足”や“子どもにおける教養の範疇において個別価値観の不均衡”など経験や体験が少ない子供たち特有の問題が起きてしまう可能性は高くなる。
そのため、子供たちが見聞きした情報に関しては知っている事なら自分の知識や体験・経験で柔軟に判断をする事が出来るが、知らないもしくは未経験・未体験の場合は“全てが正しい”・“全てが間違っている”という極端な判断をせざるを得なくなるため、子供たちが情報判断を誤りやすい要因になっている。
そして、子どもというのは関わってきた相手で人格や知識の構築、対人的価値観(相手に対しての個人評価を含めた社会的評価)など“基本的相互関係構築論”が形成されていくため、他責思考が強い子どもほど幼少期から周囲との関係が特殊であることや家系や家柄などの地域的優越性が強く作用してしまい、“自分は特別”や“自分が何をしてもいい”のような“精神発達型拡張心理”が影響している可能性が否定出来ない。
その一方で、その影響力や立場が妬み・恨みを助長することで、本人がトラブルや問題を起こしていないにもかかわらず、濡れ衣を着せて本人を含めた周囲に“マイナスイメージ”を植え付けるという行為をすることで“自己防衛”という主張が通りやすくしたいという心理が芽生えている事も十分に考えられるのだ。
これは実社会においても日常的に行われているが、大人の“自己防衛”と子どもの“自己防衛”では相手に対する価値観や立場の違いが明確に違ってくる。
大人の場合は“年齢の上下にかかわらず、自分の意思に反する人”や“自分に対して不当な扱いをした人”など自分に不利益を被らせるもしくは自分の将来的な部分に影響を与えかねない場合にこのような心理が働く。
しかし、子どもの場合は“やられて悔しいからやってやる”というやられたことに対する個別攻撃という形で相手に対して報復し、喧嘩で決着を付けようとするなどいずれかに対して優位に立たせなくないという 競争心や先見的な理由がある場合もあるが、“あなたにも同じ気持ちを体験・経験させてやる”という“やられたからやり返す”という喧嘩両成敗のような状態もしくは“見下されてたまるか”など相手との関係性や立場の上下に対する不満が伴っている場合もある。
そのため、子どもにとっては目の前で起きたことに対して自己防衛と称して攻撃をする事は問題ないという認識になるが、中にはいじめなどが関係しているケースや何気ないひと言から発展するケースなど一概に特定の事項が引き起こしているとは言いがたい。
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