第23話:教育環境の変化 ⑧
そして、今は受験する子供が多い地域ほど子供たちも親の価値観も異なっているため、ちょっとでも何かあるとトラブルになるというケースが増えている事を踏まえると、子供たちだけが切磋琢磨するのではなく、子供たちの切磋琢磨に親が過干渉するケースも多くはないが、実在する可能性がある。
例えば、受験をする子供たちは早くて小学5年生、遅くとも6年生の夏休みまでに小学校の内容を終わらせているため、テストの内容をクラス全体に合わせると受験をする子供たちには簡単すぎるし、受験をしていない子供たちには難しくなってしまう。
だからといって、出来る子とそうではない子のテストを別に作るわけにもいかない。
今の教育現場で難しいのは“子供の学力差のバランス調整”だ。
その理由として、現在は個別の学習進度が異なっている、塾への通学の有無など子供たちの学習環境における教育環境の格差が顕著になっており、その格差が広がることで公教育に影響を与えることになる。
例えば、出来る子と出来ない子で価値観が異なることでクラス内のバランスがおかしくなってしまい、何か問題が起きると“常に他者を攻撃することが習慣化してしまう。”・“自分と価値観が違う人に対して敵対心を持ち、自分の中から排除してしまう”など自分の価値観が表に出ることで“自分の考え方が正しい、相手の考えは間違っている”かのような錯覚に陥る。
これらの錯覚が子供たちの置かれている教育環境によって判断が分かれる部分なのだ。
特に、塾に通っている子の場合は学校の授業は塾で習っている事の復習になる事も多いため、新しい解法や発見が出来るため、そこまでストレスには感じないが、内容が簡単すぎてしまうと今度はもっと難しい問題をやりたくなり、参考書や市販のテキストなどの問題を解きたくなることもあるという。
その背景には“受験のための生活習慣”が影響していると考えている。
今は受験をする子供たちは1日のスケジュールを立てて生活している事が多く、無駄な時間を過ごしたくないと思う子供も多い。
そのため、休み時間なども他の子たちと遊ぶ子もいるが、ずっと勉強している子もいる。
そうなると、自分の志望校のレベルを落としたくないために他の子たちから邪魔をされるとイライラする、物事に対して過敏になってしまうなど負の側面が強くなってしまう事もある。
そして、両親などから「絶対に受かりなさい」や「あなたならここに行けるから」などと毎日のように言われている、プレッシャーをかけられている子供ほど自分に対しての自信はかなり高い印象があるが、ちょっとの否定などで崩れてしまうリスクも高まっていると思う。
今は受験することが主流になってきており、自分の志望校に入るためにお互いをライバルだと思って生活をする人も少なくない。
そうなると、次の問題として“学校における相互理解の停滞”が出てくる。
これを私は別名“グループ・セレクション”と読んでいる。
その理由として、同じ価値観を持っている人同士が集まり、お互いにストレスを感じない、関係が崩れない居場所を作ることで、自分の価値観と異なる人や自分に危害を加えていると感じる人に対して何かトラブルが起きたときに相手に飛び火をさせて、自分に問題の矛先が向かないよう、責任を追及されないようにするための仲間作りが進んでいくのだと感じている。
このような一定年齢における責任回避が進むことで立場が弱くなってしまう子供たちが出てきて、その子に対して複数のグループが追い詰めていくという構図が出来上がってくる事もある。
ただ、このような状況になったときに気を付けないといけない。
その理由としてやられている本人の周囲がどれだけやっている本人たちに注意できるかだと思う。
これは人間関係を構築する途上の年齢である子供たちにとってはかなり勇気のいる行為であり、トラブルを覚悟での行動になる。
なぜなら、この行為を考えること、行動に移すことで今まで築いてきた人間関係が壊れてしまう不安やその人を庇ったことでターゲットが変わってしまい、自分に返ってきてしまうのではないかという恐怖が英断を阻害する要因になってしまっている印象だ。
この状況になる前に可能な対策を講じて、状況が悪化しないようにマネジメントする事が大事だと思う。
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