第18話:教育環境の変化 ③
例えば、いじめの発生もそうだが、子供の価値観もかなり多様化しており、“お互いを知り、お互いに助け合う”というよりも“自分と合わない人を排除し、自分にとってストレスなく過ごしたい”という自己利益を求めた結果だろう。
このように“いじめ”という1つの問題であっても、1つの言葉がいくつもの問題と派生していることで問題の解決を困難にしてしまうだけでなく、1つの問題を解決している時に次の問題が起きるという終わりの見えない連鎖が続いてしまうのだ。
しかし、“いじめ”というのはネガティブではない反面も持っている。
例えば、年齢によるフェーズにおいていじめの加害者と被害者それぞれに新たな気付きをもたらし、その体験・経験が将来的な人格形成に寄与していく。
そして、両親が子供の時に経験したことを自分の子供が出来たときに子供に対して1つの経験として話すことが出来るし、その経験を話して“やってはいけないこと”として教えられることも子供を育てる上では必要な経験として持ち合わせていることが子供を路頭に迷わせない方法の1つだろう。
そのため、親も子も“いじめを受けることはネガティブな事ばかりではない”という認識を持たせることも万が一子供たちがいじめを受けたときに混乱することを事前に防ぐ事が出来る。
幼少期における混乱の多くがいじめや人間関係が起因しているとも言われており、2~5歳までの子供たちに対して“どのような接し方をすることが必要なのか”、“どのような時にどのようなサインを出すのか?”を注意深く観察し、個別で異なった指導を展開することで“自分に寄り添ってもらえる”、“自分を認めてもらえる”という自分がしてもらえることに対する感謝の気持ちを他の子たちに同じように伝えることがお互いの人間関係を円滑にする為に必要なやりとりだと認識することが出来るのだ。
このようにお互いにコミュニケーションを積極的に取らせることで相互理解の大切さを知る事で今後の人間形成や人格形成に大きな影響をもたらすことや多様性を重視する教育的風潮が主流になりつつある中でコミュニケーションの大切さが他責思考を起こしにくい環境構築を可能にしている。
特に小学校以降は今までとは異なった人間関係を築かなくてはいけない場面や状況などが小学校以前よりも増えていき、起きるいじめも小学校以前と小学校以降では起きる問題の種類や発端などの多様化が見受けられることがある。
これは子供たちの価値観が成長に伴って多様化しているのだが、良い多様化と悪い多様化が混同しているケースも少なくない。
例えば、子供たちが相手の意見を聞いて反論するというカリキュラムを受講させた場合、ある子は相手を気遣い過ぎて自分の本音を言えなくなり、ある子は自分の意見よりも相手の意見に同調するという形で自分の意見とすり替えてしまう子など今まで自分の意見を言えていた子が変わってしまうというケースや周囲の環境が変わったことでその環境に順応出来ず、以前まで自分の意見を言えていた子が言えなくなるというケースも多い。
このように環境の変化が子供の心理を変えてしまうことや今まで経験したことがない事が起きることで子供によっては“○○さんなら反抗したり、言い負けたりしないな”という心理が芽生えることでいじめのきっかけに繋がっている場合もある。
そして、現代においては子供たちの置かれている環境や交友関係などで将来の子供たちの価値観が決まってしまう事もある。
特に、特定の事柄に対する価値観は幼少期から教えていかないとフラットな考え方を習慣化出来ないことや関わる人が増えていくと対応の幅が原因で混乱する要因になる事も十分に考えられるのだ。
だからといって、かなり繊細な教養を子供などに無理矢理教えることは子供たちが成長してから“親のせい”や“先生のせい”など周囲に対して自分の行動の結果に対する責任を転嫁してしまう可能性や“こう教わったからこうしたのになんで?”という混乱を招くことや子供に対して求めることが多岐にわたることで“これは出来るけど、これは出来ない”という子供たちの力量が二分化してしまう可能性がある事を理解しておかなくてはいけない。
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