第4話:子供たちを守るために
私は以前からあるいくつかの問題について早急に議論が必要だと感じている。
まず第1に、“子供たちの虐待問題”だ。これは、以前からもっと力を入れないといけない問題の1つだと思っている。
なぜなら、この問題は以前から子供が亡くなっている事例や大けがをしている事例など児童福祉法や社会福祉法などで定められている状態にならないと強制保護などが出来ない、親が虐待している事実を確認しないと警察も児童相談所も動けないなど発見した段階で手遅れになっている可能性があるなど子供たちを救うはずの法律が子供たちを苦しめる法律になってしまっている可能性があるのだ。
そこで、私から提案したいのは児童福祉法の強制保護に関する条項の改定と児童の一時保護協力家庭との連携強化、園や学校との連携強化など子供の精神状態が悪化する前に可能な限りの対策を施し、早急に実行できる体制を整えて、早期に矯正教育を行うことだ。
これは、国が主体となって子供たちを守るために必要な対策や必要な法律の整備などを行うことで子供たちの非行や徘徊、家出、虐待、いじめ、引きこもり、不登校といった子供たちが経験しうる事例を徹底的に洗い出して、その部分に対してどのような対策が必要か、どのように環境整備をする必要があるのかを考える必要がある。
現在の日本において幼児虐待や児童虐待の件数がかなり増えてきており、虐待により死亡や重体になる子供も少なくない。また、虐待やネグレクト(育児放棄)などを見ていても通報する人が少ないことや“自分の家のことではないから”という考えを持っている人が多く、発見が遅れることが多いような印象がある。
そこで、強制保護や一時保護を実行する基準等を明確に法で定めてその基準に達している場合には一時保護や強制保護を実行出来るようにすることもこれからは大事になってくると思う。
そして、最も難しいのがマルチファクター(多重要因)を持っている児童・生徒の問題だ。
これは、小学生などで家庭ではネグレクト、学校ではいじめなど同時期に複数箇所で精神的恐怖体験を同時に受けている子供たちが不登校になってしまう問題や中学生でネグレクトや虐待、学校でのいじめ等が原因で不登校になり、お金を稼ぐためや自分に優しくしてくれる人を見つけるために援助交際やパパ活・ママ活などを行う子供たちを指す。
これは実際に行っている人数は多くないが、このような小さな問題であっても放置してはいけないと思う。
しかしながら、このような問題が起きてしまうのか?それは“自分を認めてもらうためにはリスクを取るしかない”と思わせてしまうほど追い詰めてしまった親たちの軽率な認識が要因だと思っている。そして、その行動に至るまでに止められなかった周囲の大人たちの無関心も影響していると思っている。
私は以前にこういう経験をした人と話をしたことがあるし、テレビなどで取材を受けている場面を見たことがある。その時に私は“この子たちが死ななくて良かった”と思ってしまった。なぜなら、このような世界に入った子供たちは1度入ってしまうとなかなかその環境から抜けられなくなることが多い。そして、相手によってはその子を利用して犯罪を起こすこともある。
つまり、彼ら・彼女たちは“自分が生きるために必要な事をしているだけ”という認識を持っているが、周囲からすると“あんな人たちと付き合って何の得もないのに”という認識のズレが生まれてしまう。
そして、時間の経過と共にその場所が居心地の良い場所に変わっていき、“学校に行かなくなることは悪いことではない。”・“僕は・私は素敵な場所を手に入れた”という認識に変わってしまい、周囲から更に孤立してしまうのだ。
今は児童福祉法や児童ポルノ禁止法など子供たちを守るための法律はたくさん出来ている反面、中学生や高校生で援助交際やパパ活、ママ活、リフレ、闇バイトなど法律で禁止されていることをやる子供が増えている。その背景にあるのが、スマホなどの通信端末の保持開始年齢が低年齢化していて、中学生くらいになるとある程度使いこなせる機能なども増えてくるため、新しい事にチャレンジしたいと思って行動する子供たちが増えているからだろう。
その他にも裏アカウントなどで過激な画像や動画などのコンテンツを売って生活する子も少なくない。つまり、子供たちを守るためにはきちんとブレーキをかけられるような教育環境や生活環境が整備されなくてはいけないのだろう。しかし、こういうアカウントを持つことは今では年齢を問わず抵抗がなくなってきており、さまざまなSNSでもよく見かける事がある。
私はこのような人たちには2つのきっかけとなる要因があると思っている。
1つ目として“今は気軽に交流が出来て、ネットで完結できる事が増えた”ということだ。
現在はSNSも規定年齢を超えれば本人利用が認められている物が多く、スマホなどを持っているだけで不特定多数の人とさまざまな形で交流する事が出来るようになった。そのため、これまで登録が認められてこなかった小学生~中学生の子供たちもその市場に参加している事が多い。
しかし、SNSを利用している子供たちの中にはネットリテラシーを学んでいない子供たちも多く、発言内容でトラブルが起きること、交流する際に年齢を偽っているケースもあった。
これらの個別行動を考えると、今の子供たちは周囲の知っている人だけではなく、ネット上でも友人などを作りたいと思っているということなのだろうか?
仮にそうならば以前の価値観との相違が顕著に表れていることになる。そして、現在は中学生以下の動画配信者も増加しており、このような配信者を保護するために必要な対策を講じなくてはいけないことも、個人のプライバシーなどの個人情報の取り扱いの問題が発生する可能性も十分に想定しなくてはいけない。
次に“学校や家庭に居場所がなくなり、ネットに居場所を求める子供たちの増加”が挙げられる。
これは、以前にも書いた事があるが、周囲に対して孤立をしてしまった子供たちは再びその場所に戻るためにはかなりのエネルギーを必要とする。そのため、自分の事を知らない人と交流する事で自分の居場所を確保する行動を取ることが多い。
そして、今はネット環境が以前に比べてかなり発達しており、どこでも、誰とでも気軽にやりとりが出来てしまう。
こういう部分がネット世界に対して魅力を感じ、このような子供たちにとっては唯一の居場所として感じることもあるのだろう。
しかし、こういう子供たちはネットに居場所を求めすぎて実生活が崩壊してしまうというケースも確認されていることからバランスを取ることが難しいこともいろいろな子供たちの行動分析をしてきて分かってきた。
では、こういう子供たちを守るために必要な事は何だろうか?
私は“辛くなったときに逃げ込める場所を作って、何かあったときにはここに来るように教える”ということが大切だと思う。
これは私の構想の1つだが、中心拠点を都市部に作って、各地域に居場所がなくなってしまった子供たちが集まれるスモールコミュニティを作り、子供たちが自由に出入りできる施設を作って子供たちが子供の意思でその施設で生活することを選ぶことが出来るようにすることや児童相談所の職員・保育士・教員などを常駐させて、虐待されている可能性がある場合にはカウンセリングを受けながらこのコミュニティで順応訓練をする、同世代の同じ境遇の子供たちとの交流を通して学んでもらう、学校に行けない子供たちに学校を作ってそこで授業を受けること、やりたいことを自ら選んで1から作り上げていく経験など親や周囲に潰されかけている子供たちにより添えるシステム構築を進めたい。そして、離れた場所に“DV・ハラスメントセンター”を作り、こちらは両親からの暴力や虐待、学校での差別行為や不測の妊娠、職場での嫌がらせやハラスメントを中心に年齢を問わず相談や保護を出来る施設になっており、この施設の場所は公開せず、学校関係者や警察署、産婦人科や精神科・心療内科などの限定公開とする。
この構想を検討し始めた背景に“核家族化が進んでいること”・“他者に相談することに対する抵抗感”・“1度孤立してしまうと誰かに頼る事への恐怖”などが挙げられる。特に現代は相談をすることに対する抵抗感やハードルの高さなどが浮き彫りになるケースも多く、これらの要因に“SNSの普及”が関係していることが考えられる。
これらのハードルの高さから子供たちの心理状態が一定猶予以下になってしまったときに精神的に追い詰められやすくなる要因になっている。特に小学校高学年から高校3年生までは精神的自立が芽生えていくため、誰かに頼る事への恐怖や相手が第三者や関係者にリークしないか?という不安もあると思っている。
今は交流機会が私たちの子供の頃よりも増えていて、場所も増えている。そのため、いろいろな人との距離感を簡単に詰めることが出来て、自分が行動するだけでチャンスを掴みやすくなっているという印象がある。
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