第18話 密会と可能性

 

お風呂を上がり、パジャマに着替えいつものおしゃべりタイム



今日は疲れたのか、うだうだとおしゃべりしながら寝落ちした2人



それを確認したチャドは部屋を出てマリアの元に向かった



コンコン 「お入りなさい」



「起きてた?寝ちゃってるかなって思ってた」



「なぁに。いつも泊まる時は来てくれるじゃないか。くると思ってたよ^-^」



もう何度も訪れているので、いつもの定位置に座った。マリアが用意してくれた温かい飲み物を飲みながら話し始める



「今日食べたクッキー。あれってあの実が入ってたよね」



「チャドにはわかるんだね。そうだよ。あの実だよ」




「、、、、、」





「それじゃあ....うまくいったんだね」







マリアとチャドは夜な夜などうにかならないかと話し合っていた。チャドはどうにも出来ないと言いつつも可能性を考えてた



あの果実は、チャドが食べても問題ない。クレアとシノアもチャドが存在してるからなにも変わらない



何度もマリアはチャドに確認していた




「チャドの使命をもう1度聞かせてくれるかい?」



「うん」




【この実を食べた1人の命を奪うこと】



「それは、、誰でもいいのかい?」



「え?」



「【この実】とはクレアとシノアが食べた【その実】じゃなくちゃ駄目なのかい?」



「どうゆうこと?」



「前にも話したけど、私も【あの実】を食べているんだよ」



マリアとゼノア 二人で食べた【あの実】



「風の山にある【ここにある同じ実だけ】なのか【ここにある別な実でもいい】なのか」



「、、、わからない」



「僕の記憶の中にはじめからあるのは、、」



 


【この実を食べた1人の命を奪うこと】




「それをどう解釈すればいいのか僕にもわからない」



「、、、ふむ。」



「じゃあもう一度、風の山の実を食べたらどうなるんだい?」



「僕じゃない、、もう1人の僕が産まれるかもしれない」



「それは2人で実を食べた時だけじゃないのかい?1人で食べたらどうなるんだい?」



「1人で食べてもなにもないよ。そもそも2人いないと山頂にはたどり着けない」



「ふむ、、、、」



「1人じゃ絶対にあの場所にたどり着けないのかい?」



「僕なら一人でも大丈夫だよ。他の人は無理だ」



「ふむ」



「でも、、、」



「なんだい?」



「可能性があるとしたら、、、僕だと証明出来る なにか があれば行けるんじゃないかな」



「なにか、、、ねぇ」



「あくまでも可能性があるかも!ってことだよ」



「チャドの証明、、、、髪の毛なんてのはどうだろう?」



「、、うん。可能性はあるよ」



「マリアは1人で風の山に行くの?なんの為に??」



【この実を食べた1人の命を奪うこと】



「この実だけ、と言う意味なのなら今の私じゃなにもできない。でも、もう一度、、」



「私 クレア シノアで一緒に食べれば、チャドは私の命でもいいわけよね?」



「、、、いや、それはわからない。確かに3人共食べてもなにも変わらないとは思うけど、、、」



「可能性はあるんじゃない?」



「絶対無い。とは言えない」



「それだけ可能性があれば、、、」



「充分さ」





マリアはチャドの髪の毛をもらい、チャドはその髪の毛とマリアの全身に左手の黄色い風を纏わせた



「どこまでもつかわからないし、意味がないかもしれないけど、、、」



「ありがとう。チャド」








「それじゃあ....うまくいったんだね」



「あぁ。無事風の山に入りあの場所へ向かったさ。実があるかドキドキしたけど、ちゃんとそこにあり、実を持ったまま風の山から出れたよ」




【2人で果実を食べる行為】は



【2人だけの秘密の行為】





「うまくいくとは思わなかったよ」



「なぁ~に。例外か、もしくは神様のきまぐれか。」



「なんにせよ同じ実を3人で食べれてひとまず可能性がでできた。チャドも食べたけど平気かい?」



「うん。僕が食べてもなにも意味はない。美味しいだけさ」



「、、、ねぇマリア」



「なんだい?」



「ほんとうにそれでいいの?」



「僕が、、マリアの命を奪うの?」



「あぁ。それでいい。誰かの命を奪うのが使命なんだろ?強制的な」



「、、うん」



「もし決められた期間内に命を奪えなかったらどうなるのだったかい?」



【実を食べた者全ての生命が絶たれる】



「そう。実を食べたみんなが死んでしまう。私も、そしてクレアとシノアも。」



「もしかしたら他の誰かも食べているかもしれない」



「うん」



「それなら、、私1人の命の方がいいわね」



「なんで、、そう思えるの?」



「前に話したとおり、、私は後悔してるんだよ」



「ゼノアとずっと一緒に居たかった。私も一緒に居なくなりたかった。それに、、、」



「クレアとシノアには幸せになってほしいもの、、、ね^-^」



「だからいい機会なのさ。私にとってわね」




「そうなんだ、、マリアがそう言うのなら、、、」



「右手の赤い風を私に使うのはここでは駄目なのかい?」



「それだけは風の山のあの場所じゃなくちゃいけない」



「ふむ、、、じゃぁ、、、」



「その時が来たら私の言う通りにしてもらえるかい?」



「うん。いいよ」




2人の中での話しはまとまった



あとは時が来るのを待つだけ



「ふと思ったのだけれど、、」





左手の黄色い風は【癒しや守り】



右手の赤色の風は【破壊や攻撃】




「それなら、、、、」




「両手同時に息を吹きかけたらどうなるんだい?」





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