第10話 気のせい
いつの間にか取り巻く風が収まっており、静かな風景になっていた
ワシャワシャに満足した2人は家から持参したおやつをチャドにも分けてみんなでおやつタイム
歌っていた鳥達はどこへ行ったかと言うと
ちょうどいいワシャワシャ感に仕上がったチャドの頭の上で昼寝をしていた
チャドは珍しそうにお菓子を眺めては口に運び、満足そうにかみしめた。たまに頭上の鳥に取られたりもするが....
「ねえクレア」
「なぁにぃ?」
「不思議だと思わないの?僕が風をつくれるって事」
「不思議で凄いと思うよ!」
「でもなにも聞いてこないよね?どうやってるの?とか」
「ん~それも個性じゃない?それに私達以外にも色々な人達がいると思うし、私達が知らなかっただけかもしれないし..」
「よくわからないけどチャドは風をつくれる!それでいいんじゃないかな?ね?シノア」
お菓子を食べ終え、隣の頭上の鳥にちょっかいをかけながらシノアは答えた
「ん?よくわかんないわ」
「どうゆうことよそれぇ?」
「それくらいチャドは不思議なんだけどいちいちそれを気にしてたら頭がこんがらがっちゃうから、あまり質問しない。ってので伝わるかしら」
「うむ。なんとなくそれで合ってると思うよシノア」
「、、、そっか」
チャドは2人の会話をなにも理解してなかったが、自分が考えすぎなだけなんだとはわかった
「だいたいでいこうよ!チャド^-^」
「そうよチャド 考えすぎはよくないわ」
「シノアもよく考えてるじゃんかぁ?」
「それはあなたが私を困らせるからでしょ?」
「ん?私がなんかしたのかなぁ?」
そう言いながらシノアに近寄りくすぐりはじめた。シノアは敏感らしく、クレアはそれを面白がっていた
「あっ!ちょ!や、やめてよぉぉ~」
「うりうり♪」
「ちょ、チャド!クレアを止めて!」
最後のお菓子をじっくり観察し、口に入れコロコロと転がしながら、考えすぎはよくないなとチャドは考えていてシノアの声が聞こえてないようだった
「そろそろ帰ろうかな」
チャドはそう切り出した
「え~もっと遊ぼうよ」
「クレア、わがままはダメよ?」
「あ!私の家に泊まっていかない?」
「いや、でも、」
「いいじゃん!今日だけ!ね?ね!?」
「あ、ん~、でも、、」
「あら せっかく遠くから来てくれたんだからゆっくりしていきなさいよ♪別に私の家でもいいわよ♪」
「だねだね~♪」
「あ~、、ん~、、、じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」
「よぉ~し!じゃあ帰りますか!」
なんだかんだでクレアの家に着いた
「ただいまぁ~!お母さん!今日私の部屋でお泊まり会していい?!」
「お帰りなさい。まぁまぁ。もちろんいいわよ^-^♪誰が泊まるのかしら?」
「シノアとチャド!」
「シノアちゃんと、、、チャドちゃん?」
「お邪魔します♪」
「紹介するね!こちらがチャド♪」
カルアはクレアの後ろにある見慣れない顔を見つめた
「はじめましてチャドです。お邪魔します」
「ようこそチャド^-^なにも気にせずゆっくりしていってね♪」
チャドはほっと胸を撫で下ろした
「....ねえ チャドちゃん」
「はい?」
「私達どこかで会った事あるかしら?」
「?」
「どうしたのお母さん?チャドを知ってるの?」
「いや、気のせいだったみたいね。気にしないでね^-^」
「..はい」
「クレア 夕御飯が出来たら呼ぶから遊んでなさい♪」
「はぁ~い そだ!お婆ちゃんにも紹介しなくちゃね!」
3人はお母さんを後にして、お婆ちゃんの元へと向かった
「お婆ちゃ~ん 今日私の部屋でお泊まり会するの♪」
そう言いながら部屋に入るとそこには姿はなく、部屋の窓から見える庭にお婆ちゃんがいた
お婆ちゃんの部屋を通り抜け庭に出た
「今日私の部屋でお泊まり会するの^-^」
「お帰りなさいクレア^-^おやおやそれはよかったねぇ」
「シノアと、この子はチャド♪」
「こんばんわ、お邪魔しますね」
「はじめまして。チャドです。お邪魔します」
「おやおや、、、、、」
お婆ちゃんは笑顔で3人を見渡し、チャドで目が止まった
「チャドちゃんね」
お婆ちゃんはチャドの髪を見つめた。外は薄暗くなっており、月の光が射し始めていた
月明かりに照らされたチャドの髪は
黒と銀がメッシュ状に生えているかのように見えた
「おやおや。どこから来たんだい?」
「...風の山のもっと向こうからです」
「そうかいそうかい」
「気のせいかもしれないが、、、」
「どこかで...」
「私と話をした事あるかい?」
「「「???」」」
「いや、忘れておくれ。気のせいだったわね」
「もぉ、変なこと言わないでよお婆ちゃん」
「ごめんねクレア。誰かと勘違いしてたみたいだね」
「.....」
「?」
シノアはなにか言いたげなチャドを見たがなにも言わなかった
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