第3話 ふたり 


「シノアは風の山って知ってる?」



「風の山?あの遠くに見える荒れた山の事でしょ?」



「そうそう シノアなにか風の山の事知ってるぅ?」



「ママから危ないから行ったらダメよって言われてるわね」



「同じだね。私もそう言われたのよ」



「人によっては怪物が出るとか、何もないとか、お化けがでるとか、、、まぁ不気味で誰も行こうとも思わないってのが本音なのかしらね」



「みんなあんまり風の山の話しをしたがらないし、家から遠くに見えるだけだから存在感もないもんね」



「そうねぇ、私もクレアに聞かれるまで気にも止めていなかったもの。ってまさか風の山に行くんじゃないんでしょうね?!」



「そのまさかです^-^♪なんか行ってみたくなっちゃって♪シノアも行ってみたいと思わない?」



「ん~気にはなるけど。見るからに怪しいから好んで行きたいとは思わないけわよね」



「え~行こうよ~シノアと一緒に行きたいよぉ」



「しょうがないわねぇ。どうせ嫌だって言ってもクレアが駄々をこねるだけだからなぁ」



「へっへ~^-^正解♪」



「もぉ。それで、誰かに行くって伝えてきたの?」



「お婆ちゃんだけ知ってるよ。なにが起こるかわからないから気を付けなさいってさ」



「そぅ。。ママに風の山に行ったってバレたら怒られちゃうわ」



「お婆様以外にバレないようにしましょうね!わかった?」



「はぁ~い♪」





森林の木々を潜り抜け、花が咲く草原を横切り、途中穏やかに流れる小川を裸足になって渡り、そのほとりで休憩をとることにした。



「もうすぐだね。風の山」



「こんなに近くに来たのはじめてかもしれないわ」



「ところで、クレアはなんで急に風の山に行きたいと思ったのよ?」



「え?う~ん、、別にこれといった理由はないかなぁ」



「はいぃ?」



「ん~、、前までは私もなにか不気味で怖いって思ってたけど、この頃はそんな風には感じなくなったんだよね」



「それでなにがあるのかなぁ?って思っただけ。そう思うとワクワクしてこない?」



「楽しそうだから大好きなシノアも誘ったってわけさ^-^♪」



「ふ、ふ~ん。誘って貰えたのは嬉しいけどまさか風の山だとは思わなかったわよ」



「ごめんねシノア なんか無理やりっぽくなっちゃって...」  



「こらこら!クレアと一緒に冒険できるんだから嫌なわけないじゃない♪びっくりはしたけど嬉しいし楽しいよ^-^」



そう言うとシノアは、クレアの頭をわしゃわしゃし始めた。どうやらシノアはそれがたまらなく好きらしい。



それをクレアはただ黙ってうっとり顔で受け入れていた。クレアもわしゃわしゃされるのが堪らなく好きらしい。。



「~♪」



「、、ねぇシノア」



「ワシャワシャ~♪」



「ねぇってば!」



「ワシャ、、  はい?」



「風の山に着いたらどうする?登って一番上に行ってみたくない?」



「そうねぇ、、」



「絶対なにかありそうじゃん?!」



「なにもないんじゃないかしら?荒れた山ですもの」



「でもだよ!でも!なんかあるかもしれないじゃん!」



「折角シノアと二人ではるばる風の山まで行くんだから色々見てみたり調べたりしたいじゃん」



「そうね、折角だしね^-^危ないと思ったら無理しちゃ駄目よ?」



「うん^-^♪」



「うん^-^♪」ワシャワシャ~♪




休憩も終わり



クレアの頭が絡まった毛糸みたいになった所で二人は満足し、風の山へ向かった


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