第45話 番外編 伊藤優の話3

 今思えば本当は付き合ってなかったのかもしれない。でものんちゃんは確実に恋する乙女で可愛らしかった。立ってるだけで守られてるような安心感をくれる人。俺はそんな存在ではなかったな。


 あれから俺はアメリカで治療を受けながら、ハイスクールに通った。バーでピアノを弾きはじめた母を何度か見に行って俺は母のクラシックではなく、別の人の弾くジャズを聞いてそっちに影響されまくりだ。まだ動かない指もあるし、治ったと思っても別の指が動かなくなったりといったりきたりしている。それでもピアノを楽しめる事を知った。


 日本にいた時よりは家族も自分もましで、いずれ父が帰国したとしても俺はこっちに留まろうと思って努力している。


 のんちゃんは転校して音大付属に入り直して今春めでたく音大に入学した。それもあって今このSNSの彼はあの時の彼なのか、新しく見つけた人なのか分からない。願わくばあの時彼女が言っていたような彼女を守ってくれる人でいて欲しい。


俺は彼女の幸せを祈っている。 fin


あとがき

大丈夫です。SNS上でのんちゃん(蔵森奏音)と恋人繋ぎしているのは平原くんです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る