第18話・いらん
「大丈夫? 顔色悪いけど」
ボーッとしていると
焦ったぁ~。
未だに友人という間柄の存在とコミュニケーションをとることに慣れていない。
「えっ、ああ、うん。……悪いな、ありがとう」
他人から心配されてしまう程、顔に出ているとは思わなかったが、実は、眠れない日々が続いていた。
はぁ……家に帰りたくない……。
「班決め、良かったら私と組まない?」
鴫頼が問うた案件は、来週向かうことになっている遠足についてだ。
高校生にもなって遠足、とも思ったが、存外、ないイベントではないらしい。
今まで(小・中学時代)なら、どの班からもハブられ、遠足や修学旅行・社会見学・課外授業などは例外なくサボっていたが……。
「あ、ああ。是非」
今回はこうして鴫頼がいる。正直言うよ? ちょっと、浮かれている。
「オッケー。これでとりあえず二人だけど、久慈川はあと誰か誘いたい奴いる?」
「えーと……」
遠足に行く為の班はクラスで分けられることはなく、一応他クラスの人間と組むことができる。条件は、二人以上六人以下ということだけだ。
だがしかし、リジュは……毎度のことながらえぐい人気ぶりを誇っていることから勧誘は不可能だろう。と、なると。
「おい、仕方ないから入れてやるよ」
「えっ? マジっすか? 助かるっす~」
先週転校してきた美少女に声を掛ける。
もちろんただの美少女に対して、こんな態度で接することはできない。しかし一応、相手は勝手知ったる――
「感謝しろよ、外崎」
悪魔のような天使・
「えっへっへ~、流石は久慈川氏っす。一発ヤらせてあげるっすよ」
「いらん」
そう、なんと、外崎が帰ってきた。
本人は『いや~勝手に
だろうけど、普通に嬉しかった。
この学校に入って、鴫頼よりも先に声を掛けてくれたのこいつだし。
まぁ見た目と言動のギャップがすごくて、あまり人気はないが……。
「どうせボッチだろお前」
「久慈川氏だって去年まではこっち側の人間だったのに……随分な余裕っすね」
相変わらず犬歯を魅せて笑う外崎に、謎の安心感を覚えつつあった。
×
班決め、コース割り振りその他諸々が終わり、スーパーに寄って帰宅。
リジュは運動・文化部関係なしに、様々な部活に所属しているため、帰宅は私の三時間程あとになる。
(人間を
その為家事のほとんどが私の仕事になった。
いや、別にこれはいい。どうせガキのころからずっとしてきたことだし。慣れてるしストレスもない。家にいるのが憂鬱な原因は他にある。
「あーリジュたん早く帰ってこないかなー」
こいつだ。
ぐーたらと寝転び漫画を読みふける瓶底眼鏡にベレー帽の女。
「もーーー!!! 今週の漫画版化○語についてはやく語りたい!」
マガジンじゃん。お前ジャンプの神様じゃなかったのかよ。
「おい
「えー、私神様なんでそういうのはちょっと……」
「居候のくせに……」
と、私が言ってものれんに腕押し。リジュか浮世が言ってくれれば一発なんだが、そこは一般人の私。神に対してできるのは口頭での注意程度だった。
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