第34話
部屋に戻ると、クレアがいなかった。
「私たちの花」かぁ…。今はまだ全然実感が湧かないけど、3年経てば自然とそう思えるようになるのかな。六花の仕事って具体的に何するんだろう。
そんなことを考えているうちにガチャっと音がした。
「いえ、こちらこそありがとうございます。はい、よろしくお願いします。」誰かと外で話しているようだった。
「おかえりクレア。」
「ただいま」
「誰かと話してたの??」
「ええ、薔薇の方が私に初花にならないかって。」
「おー!すごいね!じゃあクレアは六花の薔薇になったんだ!」
「ええ。六花として学院のために尽力するわ。」学院のために頑張るなんて偉いなぁ。
「確か初花の六花は早めに決めるんだったよね。」
「ええ、そうね。今の時点では金木犀と薔薇だけだと思うわ。あと、桜と百合と蝋梅とジャスミンね。一体誰になるのかしら。」
「そうだねぇ、花言葉に合った人が選ばれるんだったよね。楽しみだね。」
「ええ。」
夕食の時に聖蘭と美亜に六花の薔薇に選ばれたことを伝えた。美亜は、こんな身近な友達から2人も六花に選ばれるなんてすごすぎる!と興奮していた。聖蘭はおめでとう、一言つぶやいただけだった。
明日から学校が始まるので早めにお風呂に入って寝た。
6:30に起き、白湯を飲んで、洗顔して、日焼け止めを塗って少しメイクをした。真新しい制服はきちんとのりがつけられている。制服と同じクリーム色の靴下はふくらはぎまでの長さだ。美亜の準備が終わるまで少し待って、食堂で朝ごはんを食べた。美亜曰く、早く起きているけどそれ以上に準備に時間がかかってしまうそうだ。
宿舎から学院の校舎までは、宿舎を出て噴水のある大通りをまっすぐ歩くだけだ。生徒用の下駄箱は宿舎側にある。玄関にクラスの名簿が貼ってあった。3組まであった。私達4人は2組だった。
下駄箱の上に出席番号が書かれたシールが貼られていた。上履きに履き替えて、資料片手に階段を登る。1年生は3階だった。2組と書かれた札を見つけ、教室に入った。
黒板には席順が書かれたプリントが貼ってあった。私たちは出席番号は全くバラバラだったので各々の席に荷物を置いたあと、再び集まって話していた。
8:30になって、チャイムが鳴った。みんなぞろぞろと席に着いた。少しして担任の先生が入ってきた。昨日は呼名だけだったのでどんな先生だったか覚えていなかった。ふわふわした茶色の髪の毛の先生だった。グレーのスーツにピンクのシャツで、全体的に可愛らしい先生だった。小関先生といった。
「おはようございます!
それから教科書が配られ、校舎案内があった。各々にロッカーが与えられ、教科書
など色々なものが置けるようだった。そうでなければ学院指定のかばんには入りきらないだろうなと思った。
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