第29話

コンコンとドアを軽く叩く。

「はーい!」と少し遠くで美亜の声がする

ドアを開けたのは美亜だった。

おじゃましまーすと言って中に入った。

奥に聖蘭が座っていた。美亜が先に自分のメイクをしてから聖蘭のメイクをしていたようだった。

「二人ともすごい綺麗!!」

「ありがと!美亜も聖蘭も素敵なドレスだね!」

美亜は桃色のオフショルダーに背中に黒のリボンがついたドレスだった。前はミニスカートになっていて、後ろになるにつれて丈が長くなるデザインだった。ミニスカートからレースのパニエが見える。

聖蘭はアイスブルーのドレスだった。肩の部分がシアー素材で背中に大きなリボンがついていた。

美亜が聖蘭にメイクをしていく。私たちはゆるゆるとおしゃべりをしていた。聖蘭のメイクが終わって二人ともヘアメイクに移った。自分で髪を巻けるなんてすごいなぁと思いながら見ていた。美亜は高い位置でツインテールをしていた。聖蘭は昨日と同じハーフツインになっていた。

「うーんどうしよう。聖蘭の髪を私が巻いちゃってもいいんだけど、聖蘭て髪の毛艶々だし、細くて柔らかいから傷んじゃいそうでなんだかなぁ…」

「じゃあいいわよ。美亜がそっちの方がいいと言うなら。」そう言って少し微笑んだ。

そしてお互いにネックレスを付けた。



全ての準備が終わって二人が立ち上がった。聖蘭のドレスは膝丈だった。裾から同じくアイスブルーのレースが見えた。まるでどこかのお姫様みたいだなと思った。美亜は背中にリボンが付いている黒いチョーカーを付けていた。なんとなく猫っぽさがあった。ちょうどいい頃合いになったので寄宿舎の前に出ることにした。


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