第14話

「ごめんね〜待たせちゃったかな?」先輩はまだ制服姿だった。

「いえ、私も今来たところです。」

「真緒ちゃんお風呂入ってたんだね。どうだった?」と聞かれた。私の顔が上気しているからかなと思った。

「はい、まさか露天風呂まであるなんて思いもしませんでした!本当にすごいですね、この学院。夕ご飯もすごくおいしかったですし、給湯室にたくさんのお茶も置いてありましたし!」

「そうだよね〜!私も入学当初はびっくりしたな〜。私も後で聞いたんだけど、昔の頂花の方々が寄付をしてくれて1回目の工事の時に露天風呂が作られたみたい。学食が美味しいのはね、腕の良い見習い調理人の人がたくさんいるからなのよ。この学院で調理の経験を積むとお店を出した時に繁盛するらしくて。給湯室のお茶はね、寮母さんと理事長がお茶がすごく好きみたいでみんなにも飲んで欲しいって置いてくれてるみたい。それ以外にも頂花ちょうかの方々のおかげで色々すごいのよね。」

「そうだったんですか〜。愛されているんですね。」

「あ、私の部屋に行こうか。ここじゃ誰かに聞かれちゃうかもしれないし。」

「はい、あ、でも天音先輩の天花の先輩にご迷惑じゃないですか?」

「それなら大丈夫。今夜は六花会りっかかいがあるからそのまま他の六花の方の部屋に泊まるって言ってたから。」

「大丈夫ならよかったです。」ふかふかのソファから立ち上がって先輩の少し後ろからついていった。

「ところで六花会ってなんですか?」

「六花会はね、六花の方々の会合よ。学院全体の六花会もあるけれど、今日は天花六花会があるみたいね。1年生の部屋はあんまり広くないからお泊まりはしにくいかもしれないけど、2.3年や、特に5階は部屋の面積が広いから、今日みたいにみんなでお泊まりすることも結構あるのよ。」

「そうなんですか!みんなでお泊まり、楽しそうですね!」

「ええ、同室の子とはまた違った楽しみがあるわよ〜。どうぞ上がって。」

そう言って先輩は部屋の鍵を入れて電気をつけた。

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