第7話

「じゃあ行きましょうか。」

「うん。」部屋の鍵を閉めると、ちょうど美亜達も出て来ていた。

「そういえば、さっき私を助けてくれた先輩が六花の伝統とかもガイダンスで詳しく教えるって言ってたよ。」

「そっか!楽しみ!」 歩く度に金木犀の香りがして私は自然と笑顔になっていた。4人でプロジェクタールームに入ると、座席表が壁に貼ってあった。部屋割り順のようで、私たちは隣の席だった。机の上には書類が置いてあった。みんな浮き足立っていて部屋の気温が上がっている気がした。しばらくして1年生がみんな着席すると、6人の美しい女生徒達が前に出てきた。真ん中に立っている人がマイクを持っていた。

「新入生のみなさん、こんにちは。ご入学おめでとうございます。それではこれから生活ガイダンスを始めます。」中央の人が言い終わると、他の5人も揃えてお辞儀をした。天音先輩と目があったので、ぺこりと会釈をしたら、先輩はにこりと微笑んだ。プロジェクターで映されたパワーポイントのスライドを使いながら先輩達が宿舎での生活の注意やルールを話してくれた。消灯時間は22時だが各部屋の消灯は24時。食堂やお風呂の利用時間に学年ごとの規定はないが夜は22時までで、食堂は7時、13時、20時が混雑すること、お風呂は21時が混雑すること、朝にお風呂に入る事も可能であることを教えられた。外出は基本的に土日のみで、学校のない日は私服でいいらしい。何か困ったことがあったら六花の先輩や寮母を頼ることなど、生活についての説明は書類に記載されているからと意外とあっさり終わった。

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