第4話 雪原演習
北海道の地は雪に覆われた頃、
ピクシー隊は北海道千歳市にある
大日本帝国軍千歳空軍基地にいた。
千歳では近々演習を行うソ連の環境と似せてあるためとても良い場所なのだ。
「本日は遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。今回の模擬戦は全ての武装の弾頭が弱装弾となっています。
勿論武装は全て使用可能です。」
「ってことはあのデカブツも?」
「勿論です。」
実は先日のミッドウェーの一戦の際に使用したレール・ガン・ライフルをピクシー隊の
専属兵器として利用できるように
第1機動艦隊の艦隊長に取り付けてもらった。
「んで相手はどこだよ?」
「皆様の相手をしてもらうのは我々千歳の
誇る第21航空妖精隊です。」
「21って!あの21か!?」
霧島が驚くのも無理はない。
第21航空妖精隊、今までの全戦闘に参加し
その全てにおいて全機生存しつつ
多大なる戦果を上げ続けてきた部隊だ。
それも旧式の61式試作人型汎用機動兵器で。
知らないものなど日本には居ないだろう。
「彼らはすでに配置についています。
なのですぐに発進準備を。」「了解!」
「・・・久しぶりに骨のあるやつがきたな。各機、狙撃準備。」『了解』
「よし!ピクシー隊、行くぞ!」
95式を空高く飛ばす。索敵をしながら作戦を立てていく。
「敵は狙撃しようとしている。
ファーストアタックの前に狙撃ポイントを
割り出せるようにしておきたいな。」
その時、針葉樹林が光った。
「くっ!当たるとこだったぜ。」
何とか回避したところを再び狙撃してくる。
「ピクシー1より各機!秘匿兵器の
使用フォーメーションに移行。空中から
奴らを撃破する!」
霧島機にレール・ガン・ライフルを装備したので僚機が大楯を装備して周りを守る。
更に索敵強化した機体で敵機を晒し出す。
「見つけた!ターゲット補足。ロックオフ、
レーダー補正も解除。索敵機からの間接情報のみで狙い撃つ!」
予測地点と索敵機のデータで補正し、放つ。
大きなマズルフラッシュを上げながら
亜高速で突っ込む。
「光った!まさか秘匿兵器か!隊長!
ピクシーどもは秘匿兵器を使った!
うっ!3番機がぁ!」
「・・・落ち着け、狙撃を続けろ。」
プシュ!プシュ!
5号狙撃銃が音を立てずにピクシーたちを
追い回す。
的確な射撃によりピクシー隊は索敵機が全機狙撃で撃墜判定、盾となった機体も2機やられた。どうやら身バレしたらしい。
「ピクシー1より各機、各自盾を外し、急降下しつつ敵を攻撃。2機1組で動くように。」
「ほう。向こうの隊長さんはかなり思い切って行動したな。全機、装備を白兵戦に切り替えろ。奴らはくる。」
『了解!』
「さて、何機残ってるかな?ピピッ!
・・・5機か。敢えてそちらの賭けに乗るとしようか!」
隊長機は高速で空中に上がった。
61式はアサルトブースターにより上昇が簡単に行えるのだ。61式は全てが試作段階なので所々オーバースペックになるのだ。
そして機体が大型のため武装も多く持てる。
なので単騎での厚い弾幕が張れるのだ。
「ミサイルランチャー、ロックオン!
全機一斉発射!うてぇ!」
バシュゥゥゥ!ミサイルが白煙の尾を引いて
ピクシーに襲いかかる。
「!ピクシー2より降下強襲隊、ミサイル接近しているぞ!増槽切り離せ!」
増槽を切り離し空中戦に移行した。
互いに距離を詰める。
「こちら隊長、白兵戦に移行する。
2オン1で確実に仕留めろ。」
2対1でどんどん数を減らしていく戦法だ。
しかし後に隊長はその作戦が無駄と知る。
「こちらピクシー1、射線上に注意!
レール・ガン・ライフルを使用する!」
『了解!各機、巻き込まれないように
回避優先!』
ピクシー達は空で舞うようにしていた。
そして回避し続ける。
「くそっ!こっちの攻撃を回避するばかりかよ!詰めても引かれては牽制射、何しようってんだ!各機!一気にやる!突撃形態だ!」
21隊はこの突撃が最も強いのだ。
圧倒的攻撃手数と機動力に物を言わせ
敵陣の中央を貫く槍のような攻撃だ。
しかしその考えが甘かった。
「ピクシー1より各機、射線上より退避!
榴散弾発砲する!」
先頭の隊長機をロックする。
そして、引き金を強く引き絞った。
放たれた榴散弾は突撃陣形の戦闘集団を
ペイントで真っ赤に塗りつぶした。
被弾したため当該機は急速降下をする。
そしてもう一度引き金を引く。
21隊は体制を立て直しきれず
残った機体が全機モロにうけて
演習は終了した。
「先ほどはお見事だった、霧島さん。」
「いえいえ、あれは作戦勝ちなだけです。
実力であれば我々は圧倒的に劣ります。
とくにあの狙撃、どうやるんですか?」
「それはですね・・・」
2人はしばしの間休憩も兼ねて談笑していた。
「お二人がた、談笑中失礼します。
大本営より膠着している中国戦線の支援に
向かうようにとの指令電報が届きました。」
2人は急いで通信室に向かった。
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