誰も空を語れない(1195)
よく本屋で「何々の名前」とか売っていた
それなりに売れるのか
「何々」シリーズは多く
手に取れめくれば
空の色に、色んな名前がついていた
どうでもよかったが
綺麗な言葉を知ることに関して
文系人間は好きなのかも知れない
濃い色を引き立たせる空よ
画家さえも語らぬ空は
ひとつの風景にすぎず
目の前にある主役の引き立て役よ
文章さえも語らぬ空は
色の名前を言えばいい
人は勝手に空を見上げて
綺麗だ何だ、モチーフなんだ
名前はなんだと想像できるかる
音楽さえも語らぬ空は
サビのメロディにあわせて
ひとつ呟いてお仕舞いだった
太陽も雲も雨も雪も
ただただ空を語らずに
いつでも脇役なのだ
だから、誰も空を語れない
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