人間の卒業した(1096)
ウィキペディア
人間を卒業した
なんてことはない
死んだだけだ
浮いて天井に張り付き
人の頭を見ていたが
つまらなくて壁をすり抜けた
びっくりした
空想が現実になったし
現実が虚構だったことを知った
表現であるような
家も行き学校も行き
友達の家も行き寺にも行ってきた
神社はなんとなぁく怖くて
一通り巡っていたら
四十九日になっていて
親族は能面のまま
粛々と後片付けをしていた
当面の間、どうするか悩む
家の者について回るには興味がない
家に居るのも面倒くさい
天国とか地獄とかも面倒だ
ぼーっとしてたら浮遊霊にでもなるんかな
恨んでいる人もいないし
そうこう考えていると
幽霊と大差ない生活をしてきた
上辺の興味なしの好きなものなし
……
人間を卒業した
でも何も変わらなかった
それだけが悲しい、と思う
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