人間の卒業した(1096)

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人間を卒業した

なんてことはない

死んだだけだ

浮いて天井に張り付き

人の頭を見ていたが

つまらなくて壁をすり抜けた

びっくりした

空想が現実になったし

現実が虚構だったことを知った

表現であるような

家も行き学校も行き

友達の家も行き寺にも行ってきた

神社はなんとなぁく怖くて

一通り巡っていたら

四十九日になっていて

親族は能面のまま

粛々と後片付けをしていた

当面の間、どうするか悩む

家の者について回るには興味がない

家に居るのも面倒くさい

天国とか地獄とかも面倒だ

ぼーっとしてたら浮遊霊にでもなるんかな

恨んでいる人もいないし

そうこう考えていると

幽霊と大差ない生活をしてきた

上辺の興味なしの好きなものなし

……

人間を卒業した

でも何も変わらなかった

それだけが悲しい、と思う

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