だいたい5分半で分かる【章紋のトバサ】
オロボ46
だいたい3分で分かる「章紋のトバサ」 ストーリー編
「イザホ、やっぱりこの事件は10年前の事件と関係があることには、間違いないよ」
二足歩行で立つウサギ、“マウ”はワタシの後ろを指さした。
――紋章の街で消えた、ひとりの女子中学生――
「今回の依頼……それは、行方不明となった少女の行方調査だ」
写真には、雑居ビルの入り口でみたポスターに写っていたものと同じ少女が写っていた。
黒髪のおさげの髪形、大人しそうな表情に生気のある肌色、そして黒い目……
「名前は“
――10年前に起きた、羊の頭をした大男によるバラバラ殺人事件――
「……裏側の世界に連れて行かれる?」
マウはまばたきを繰り返しながら店長さんに向かって首をかしげる。
「あくまでも都市伝説だ。5人の被害者がそれぞれの部位だけを残して消えたことから広まったんだろう」
――都市伝説は、現代に蘇る――
体を起こすと、おなかに積もっていた白い土が落ちた。
手で触れてみると、とても冷たい。ふわふわしているようで、思いっきり握ってみると硬くなる。これは……確か雪って言うんだよね。
「なんだか、あの紋章に触れたせいで“裏側の世界”ってやつに連れて行かれちゃったみたいだね」
――そこでは、作られた遺体が血塗られた刃を向ける――
「ねえ、楽しんでくれた?」
黒髪のおさげに、死人のように白い少女の顔。そして、生き物の目ではない……まるで作り物の眼球。その眼球の中に埋め込められた紋章の青色の輝きが、ワタシたちに向けられた。
「ハナをおびき寄せ、イザホたちと同じように裏側の世界に引きずり込む……それが目的である可能性は高いな」
「それなら、ハナさんが殺される可能性だって大きいってことだよね? 第一、イザホも殺されそうになったし……」
「そうと見ていいだろう。しかし、ハナの精神上、直接止めることは難しそうだ」
――立ち向かうのは、おしゃべりなウサギと街を愛する探偵、――
「私の愛するこの鳥羽差市のどこかで、ウアはまさに危機に陥っているのだろうっ!! イザホ! マウ! 君たちの力を貸してくれ!!」
街を愛する私立探偵 【
「“小さいころからの友達”じゃあ、低く見過ぎだね。ボクたちは相思相愛なんだよ?」
おしゃべりな二足歩行のウサギ 【マウ】
――そして――
ワタシは生き返った【
――10年前の事件の遺体から作られた、フランケンシュタインの怪物――
【
「イザホ! 早く逃げようっ!!」
――裏側の世界で襲いかかる、作られた遺体たちの目的とは!?――
「あんたは……人間じゃない。紋章によって命を吹き込まれた、10年前の事件の被害者たちの遺体……そうじゃないか?」
――10年前の事件に起きた悲劇の真相とは!?――
「あの女が作った化け物めっ!! かえせ!! かえせ!!」
――フランケンシュタインの怪物が探し求める、自身の存在理由とは!?――
その答えを知るには、10年前の事件について知る必要がある。
だから、ここに引っ越すことにした。マウと二人暮らしをすることにした。
――そしてふたりは、鳥羽差市の裏側を見ることになる――
「ねえイザホ……ボクたちの新生活の場所をここにして、やっぱり正解だったみたいだね」
――火葬の炎の先にいる、バフォメットに導かれて――
「また君たちにあえるような気がするってあたしは思うの」
【章紋のトバサ】
【https://kakuyomu.jp/works/1177354055311624778】
カクヨムを初めとした小説サイトで連載中
――この物語が、誰かの紋章となりますように――
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