ほつれた服の裾をほどく。

しゅるしゅる伸びる空色の糸。


よく編んだお下げをほどく。1、2、3束の髪に分かれていく。少しちぢれた髪だ。

引っ張ると、つくん、とした感触。髪が抜けたかと思ったら、しゅるしゅる、黒い髪の毛が一筋伸びていった。

肩よりも長く。

腕よりも長く。

床につくすれすれまで長く。

引っ張られる感触が気持ちいい。


つくん、とあの感触。見れば、色素が薄い髪。クリームがかって、よく見ればところどころ赤が混じっている。

そのまま引っ張りつづけた。つくつくつくん、と皮膚が痛む。ふと頭に手をやると、ぬるりと生温かいものがあった。生えてた皮膚がほどけたのだろうと思った。


黒と薄橙の糸にほどけた私の体。しゅるりと隙間風な外へ運び出した。悪くない死に方だった。

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