第9話 大河都市

[清廉暦714年春月38日 大河都市 門前]


 昼の刻と半分くらい。


 大河都市リグダンの南側外門へ着いた。魔狼騒ぎがあってもそれなりに人の出入りがあり順番待ちをしている。先刻通り過ぎた大商隊は見かけない。


 門番の女性がこちらに駆けつけてきた。


「リコー!」


「あっ、トアさーん!」


 リコリスは駆け寄ってくるトアと呼んだ女性に手を振って応える。知り合いのようだ。トントン、心話で聞いてみる。


〈このひとは?〉


〈トアさんはね、ちょっと前まで一緒に拠点の宿舎で暮らしてたんだよ〉


〈魔狼討伐に参加して大河都市リグダンへ移ったハンターか。私の事は従魔として紹介は良いけど喋れるのは秘密にしておいて〉


〈紹介は良いんだね。うん、わかった〉


「デギランさん、どうもです!」


「おう、元気そうだな。しかし何故門番をしてるんだ?」


「私兵の殆どを魔狼討伐に回したいみたいですよ。そんで外から呼んだアタシ等は都市内で雑用ですよ~」


 肩まで伸びた黒髪と黒目で快活な女性だ。


「皆も討伐隊には入ってないんだ」


「うちのエースのジェイルさんだけ引き抜かれて他は見回りとかだったはずだよ」


「参加資格はジェイルだけという事か。他の、ダイナーやソルスタッドはどこに居る?」


「だから北側で見回りとかだったかな。部署が違うんで最近会ってないよ」


 別の門番が声をあげる。


「トアッ!何をしている!」


「うわっ!すいません!リコー!夕の刻には仕事終わるからー!」


 怒鳴られて持ち場に戻るトア。私達は静かに入場の順番を待ち、門をくぐった。

 私は予め決めておいた通過作戦で臨む。


 布で身体を巻かれ、身体を動かさずぐったりした状態でリコリスに掲げられて通る。門兵は首を傾げる。


「それは、生きているのか?素材じゃなくて?」


「はい。従魔です。魔物が近くに居ると葉っぱを揺らして教えてくれます」


「害はないぞ。それは俺が認める」


「ああ、デギランさんの連れってことは新人のハンターか。それならまあ良いか。通って良いぞ」


 おとなしい植物型と思われるよう偽装はしてみたけどデギランの名で木製の仮従魔証を受け取り通過できた。


 デギランに知られる事であちこちに私の姿を晒す事になったな。こうなると出来るだけ早く魔術都市カウイェルヤッハに行きたい。


「まずはハンター事務所に寄ってリコリスの本登録を済ませたいが、それで良いか?」


「はい。でも先に騎士団駐屯地へ行ったほうが良いんじゃないですか?」


「駐屯地に行くのは俺一人だ。そして何時まで滞在する事になるか分からん。宿を取るにも正式なハンター証と従魔証があるほうが良いだろう」


「あ、そうですね。それじゃあ先にお願いします!」


 ハンター事務所は南側外門をくぐってすぐ右手側にある役所の中にあった。


 役所の受付は混み合っているけど、ハンター管理事務出張所と書かれた受付ではのんびりと茶を啜る受付女性が一人居るだけで順番待ちの列はない。

 デギランとリコリスは受付でハンター証を提示する。


「デギラン様お久しぶりですね。そちらは新人さんかしら。はじめまして受付のクノセです」


「見習いハンターのリコリスです。本登録をお願いします!」


「リコリスの本登録を頼みたい。証人はハンター狩猟拠点管理職員デギランだ。それと従魔の登録も頼む。リコリス、みせてやれ」


「あ、はい!この子です!タルテって名前です!」


 そのあと本登録において名前の変更は無いか、調教士資格はあるか等の質問される。


 調教士資格は取引や育種に関わるので牧場主や御者が持つことが多い。ハンターなら従魔オークションを利用する際に必要になる。


 魔獣使いのハンターとして活動するのなら有資格者のほうが魔獣使いとして信用度は高い。


「それじゃあ、ちょっとそこの椅子に座って待っててね。今は混んでないからすぐ済むわよ」


 受付のクノセさんは木製のハンター証と仮従魔証を持って奥の扉の先へ。ガチャンガチャンと何度か音を鳴らすと戻ってきた。


「これが新しいハンター証と従魔証、これは従魔用ネームタグね。どちらも再発行は有料だから無くさないでね」


「はい!ありがとうございます!」


 リコリスは自分の名前が打ち込まれた鉄製のハンター証と従魔証、ネームタグを受け取る。


 ハンター証は表に名前【リコリス】と番号、裏に発行された都市名と日付。

 従魔証も表に名前【リコリス】と番号、裏に【植物型従魔:タルテ】

 ネームタグは表に【タルテ】、裏に【主:リコリス】と打ち込まれている。


 ハンターの本登録と従魔登録はあっさりしたものだった。


 確か、レベル10までしか証明されない木製のハンター証は発行した管理所でのみ通用し、本登録は15歳以上で成人しハンターレベル10相当であるとハンター職員又はレベル30以上のハンターが保証することで承認されるはずだ。


 この制度によりハンター訓練所で職員から指導を受けなくてもレベル30以上のハンターの親や師匠が子や弟子にハンター修行させ保証人になれば本登録が可能になる。


 従魔登録もすんなり出来た。やはり第一印象は大事なのだろう。


 見た目が清潔で服のようなものを着せられていて人に抱えられても暴れない魔物と、寝台で腹が割かれた兵士の死体がある部屋に鏡の前で触手をくねらせて奇声を発する血みどろの魔物とは印象が大きく違うのだ。


「それと、輸送依頼をここで完了としたい」


「え?はい」


 リコリスは騎士の鎧の残骸が入った袋をデギランに渡す。中身を確認したデギランがリコリスに二千フェダールを渡し受付女性に書簡を渡す。


「リコリスは輸送依頼を受けていた。受取人はデギラン。確かに受け取った」


「昇格条件の指名依頼を1回達成を満たしたからレベル11に昇格ね」


「ええ?!」


 茶番か。

 クノセさんはリコリスから再度ハンター証を受け取けとると横に置いてある機械にはさんでガチャンと打ち込む。


 奥の部屋にある機械は鉄の板に文字を打ち込めるようだけど、こちらは印のみのようだ。レベル10を示す鉄製のハンター証に印が一つ、これでレベル11という事らしい。


「魔狼討伐で何か変更はあったか?」


「とくには。予定通りですね」


「そうか。俺は騎士団駐屯地に届けたらそのまま拠点へ戻る。まだ仕事が残ってるんでな。リコリス、じゃあな」


 ハンター証に紐を通そうとしているリコリスにデギランはさらりと別れの挨拶を告げる。


〈タルテ、今日は何日だったっけ?〉


〈今日は春月38日だよ〉


「デギランさん!えーと…35日間お世話になりました。ありがとうございました!」


「職員としての仕事をこなしただけだ。それを恩と感じるのならハンター職員からの依頼は出来る範囲で手伝ってくれ。職員側としてはそれが助かる」


「はい!わかりました!」


 リコリスがデギランに礼を述べ見送った。まあ別にデギランと一緒に役所を出て良い筈なんだけど。ほら、雰囲気的にね。


〈クノセさんにリヌ大河の渡航料とか聞いてみよう〉


〈あ、うん。そうだね〉


 リヌ大河を船で渡り都市の北側に行く方法を聞く。本来の業務とは少し離れるけど暇してたようなので世間話として話をしてくれた。


 今は輸送品が激減して船着場からの運搬船が一日一便昼の刻の間だけに絞られていた。個人なら船賃は一人五百フェダール。人が持ち抱えられる動物や従魔なら五百フェダール。人が乗れる馬や従魔なら千フェダール。


 馬車や一人では持てないほどの積荷は渡航に許可証が必要らしい。役所で渡航許可証を受け取り、それを持って船着場で昼までに荷物検査を受けないと船に載せてもらえない。


 いま役所の受付が混み合っているのは、大商隊の許可証を明日の朝までに用意する為に人員が割かれている為だそうだ。


 ちなみにクノセさんはハンター管理職員であり役所を間借りしているだけなので役所の仕事を勝手に手伝えない。


 クノセさんにお礼を言って役所を出るとトアが駆け寄って来た。


「リコ居たー!って、なにそれ可愛い~」


 私はクノセさんの手によってドレス姿の人形のようになっていた。


 クノセさん手製の人形から頭部と中の詰め物を取り払い、私のぶらぶらだらりとした蔓腕や根足を中に詰め込まれた。このほうが可愛いからと言われて。


 私としても都市の中では従魔よりも人形姿のほうが目立たないし、気にならなくなってたけど全裸や葉っぱ腰巻よりも良い。

 ちなみにクノセさんの人形作りは出張所勤務になってからの趣味らしい。



 夕の刻と少し。


 トアが長期滞在契約しているという宿屋『おいしい黒パン亭』へ向かう。役所のすぐ近くだった。


 他所から来たハンターが良く利用するようで都市の案内地図が壁に飾ってある。

 リコリスが宿の主人に従魔証と私を見せて部屋に入れても良いのか確認すると、

「煩くしないならかまわん」との事。人形姿の効果もあったかも知れない。


 ここの宿で大丈夫そうだ。一泊六百フェダールの部屋を借りる。


 宿を確保できたので解体場向かう。トアも一緒だ。

 解体場の受付おっさんにゲルンクを引き渡す。


 処理済み一匹なので手続きは直ぐに済んだ。肉も毛皮も卸し三百フェダール。

 擦り傷も無い新品のハンター証を見てリコリスを褒める。


「嬢ちゃん初仕事か?上出来じゃないか」


「あ、そっか。はいっ、ありがとうございます!」


 その後はトアの案内でよろず屋を見て回る事になった。


 現在私達が居るのは大河都市の第三防壁に囲まれた外周地区だ。

 それより内側にある第二防壁に囲まれた市民地区に都市の職人達が暮らしており、武器や防具の専門店もまたこの地区に揃っている。


 外周地区には専門店から流れてきた粗悪品や中古品しかないらしい。信用度的に第二防壁の門を通れない新人ハンターにとっては品質と値段で見合った装備品ではあるのだけれども。


「…あっ」


 リコリスの視線の先の商品棚には剣鉈がいくつかあった。値段はどれも二万か。


〈ねえ、タルテ!〉


〈あー、うん、買っておきなよ。近接武器はあったほうが良い。あの形状なら使い慣れてるよね〉


〈うん。買っちゃおう〉


 軽量な剣鉈を購入。革製の鞘も用意してくれた。

 今使っているクロスボウに合ったボルトは売ってなかった。他にもケープなどの細々とした品も購入。手紙用の紙と炭筆や補修用の粘着材も購入した。


 【魔力粉】は品切れか。棚には「入荷は40日以降」と書かれた板が置いてある。魔狼討伐隊のほうに回す事になっているのだろう。紙・炭筆・粘着材の他に魔力粉があれば使い切りの魔術具と言える【魔術札】が作成できる。


 リヌ大河より北部は未開拓地域もあり魔物も多く危険な場所だ。武器の他に魔術具も揃えておきたかったな。



 宿に戻り麦パン定食を食べ終えたリコリスとトアはリコリスの部屋で近況を語りあった。

 リコリスが森の中で私を拾った事に羨ましがり、魔鰐との戦闘に参加した事に驚き、このまま魔術都市カウイェルヤッハへ向かうと知り寂しがる。


 このあとリコリスの「ジェイルさんて誰?」という言葉から、トアが狩猟拠点からこちらへ来たハンター達の事を語る。


 トアが言っていた狩猟拠点のエースのジェイルという人物、リコリスは会った事が無いらしい。


 彼は数年前に狩猟拠点で修練しハンターになった。以降は各地を渡り歩き、毎年秋月に狩猟拠点に寄って沼鰐狩りに参加しているそうだ。


 去年の沼鰐狩りのあとそのまま大河都市リグダンに移ったようなので翌年の春月3日に狩猟拠点に来たリコリスは会っていない。


 デギランが名を挙げたダイナーとソルスタッドの他にも男性三名ほど春月10日に拠点からこちらに来ているそうだけど、リコリスはソルスタッドと少し会話をしたことがあるだけで他の者とは話をする機会がなかった。


 ダイナーと他三人の事は知らないけど、ソルスタッドは名前だけ知っている。魔鰐相手に一緒に戦ったドルナーとベラの息子だ。



 トアは最後の募集により春月20日に大河都市リグダンに着いた。この時点で魔狼討伐部隊の編成はほぼ完了していたらしい。数回調査隊を送り込み、今日38日より二日後の40日に殲滅作戦開始。北側街道の一般解放は春月50日予定。


「リコ達が来るちょっと前かなあ。なんか北境都市タンシオンまで急いでるお貴族様が居てさあ、大商隊を組んでてね、殲滅作戦の日に北側の街道から出発する予定らしくて時間無いから早く通せーって騒いで大変だったよ。どうせ急いで通っても今日はもう大河を渡れないのにねえ」


 昼に会った大商隊だな。討伐部隊を囮に通行する許可を取ってるのか。

 ここ大河都市リグダンより北東に私の目的地である魔術都市カウイェルヤッハがあり、更に北東に北境都市タンシオン、その更に北にリコリスの目指す山麓都市ガライシャがある。


 40日に出発できるのがこの大商隊だけなら乗せてもらえないだろうか。

 ベルドライズ貴羽爵と随行騎士達も首都を目指す前にこの都市に寄るか既に駐留していると思われる。


 もしそうなら彼等に見つからないよう隠れてやり過ごすよりも私達が40日にここを出たい。

 それが無理なら手紙だけでも先に魔術都市カウイェルヤッハのシャーデック先生に送り届けてほしい。


「その人たちに頼んだら魔術都市まで乗せてもらえないかな?」


「そんなに急ぐ理由あるの?魔狼がでる森の街道なんだよ?」


「んー、それでも早く行けるなら早く魔術都市に行きたいかな」


「そっかあ。リコリスは前から山麓都市ガライシャに行きたいって言ってたもんね。私は応援するよ」


 山麓都市ガライシャにはリコリスの母リドリーと旅をした精霊が居るという。

 ただリコリスが急いでいるのは私の都合を汲み取っての事だろう。



 昏の刻。


 トアが部屋に残って一緒に寝たいと言い始めたけど、明日も明の刻から門番の仕事らしいので追い出す。一緒に居たら絶対夜更かしする事になるぞ。


 それとリコリス経由で宿の主人に土が欲しいと頼む。気を回したのか植木鉢に入れて用意してくれた。そいういう意味じゃなかったんだけどもう用意しちゃったのならまあいいや。ドレスきぐるみを脱ぐ。窮屈なので人前に出る時だけだ。


 土から矢を生成する【矢生成の魔術】を試してみる。左蔓腕でボルトを持ち、右蔓腕で土を掴んで詠唱する。


「ウシャム エト ノスァ ラウ イドア」


 詠唱に魔力を乗せるのには慣れた。魔術は発動したけど精度は悪い。少し歪なボルトが出来上がった。


「ねえ、この魔術ってすごいんじゃないの?!これなら矢が射ち放題になるよ!」


 実際便利な魔術ではあるのだけど並の魔術士では精度も強度も職人が作った正規の矢に劣ってしまう。矢が補充できない状況で仕方なくか練習用の矢にしかならない。


 土魔術の熟練者であっても矢限定の矢生成の魔術よりも、土形成の魔術で建築材や農具工具を作って売ることになるだろう。その儲けで正規の矢が買えるのだから。


 魔力を込めるだけで土の矢を生成できる矢生成の魔術具もあるので都市で土の矢は売り物にならない。


「リコリスも つちまじゅつの れんしゅうする? それとも かぜまじゅつをれんしゅうする?」


「あそっか。これって土魔術なんだ。それじゃあ私は風魔術だから使えないのかぁ」


「れんしゅうした けいとうが とくいになるだけだよ」


 誘導矢や貫通矢の魔術は風魔術に分類される。リコリスの場合、魔鰐に放ったのが貫通矢の魔術だったのかは分からないし誘導矢の魔術は一度も成功していない。


 風魔術を使うと土魔術が使えなくなるなんてことはない。そもそも一般的な土の攻撃魔術は土魔術で鋭利な礫を作りだし風魔術で撃ち出している。


 人の体内に有る魔術核は使った魔術の系統がより使いやすくなるといわれている。リコリスの魔術核が最も成長している魔術系統は心魔術だろう。


 心魔術は普段から無意識に使っているようなので常に修練してるようなものだ。風魔術で空を飛びたいのなら風魔術を積極的に練習したほうが良い。今後もハンターとして活動するなら心魔術だけでは心許ない。


 ちなみに私は様々な系統の魔術を使いたい。魔術具の開発もしたいので不得意な魔術系統を作りたくないのだ。せっかくなら色んな魔術も使ってみたいし。


「ウシャム セルト フアー」


 できた。リコリスの前髪をふわっと揺らす。

 周囲に風の流れを作る【風流操作の魔術】。風の基本であり究極といわれる魔術だ。


「かぜのきほんまじゅつ ふうりゅうそうさのまじゅつ」


「すごく弱いけどこれで空を飛べるようになるの?」


「これならかぜまじゅつを へやのなかでもれんしゅうできる」


「なるほど!風魔術を練習する魔術かあ!」


 リコリスは風流操作の魔術を唱えるも詠唱に魔力を乗せられず失敗しつづけている。


 風流操作、土形成、水流操作、熱操作、光明、影操作。このあたりが系統ごとの魔術修練や魔術詠唱の練習によく用いられている。


 リコリスの場合は手からボルトへと魔力を込められるので魔力そのものではなく風を放出するイメージを強く持てば魔術核に頼った風流操作の魔術を行使可能ではある。


 ただ魔術詠唱が出来るようになれば新たな魔術の習得や修練が容易になるはずなので頑張ってほしい。


 私は魔力探査や魔術詠唱を容易に出来てしまった。出来てしまったが為に説明が難しい。人ではない種族性が関係していた場合はそもそも参考になるのかも怪しい。



 私は矢生成の魔術を四回ほど使って魔力がほぼ尽きた。さてシャーデック先生宛に手紙を書くか。しかしどう書いたら良いものか。


 一般の配達手紙では封筒に入れず役所の人や配達人も手紙の内容を確認できる。暗号文でやり取りされないよう怪しげな長文で複数枚の手紙は受付拒否もある。


 う~ん。よし、まあ、こんな感じで良いか。リコリスに覗き見されながら炭筆を動かす。兵士時代の頃よりかは歪な字になったけど書くことはできた。


 リコリスも狩猟拠点宛ての手紙を書いた。出身地であるテノ村宛ての手紙は書いてない。…テノリコリスと名乗ってもないし、まあ、そう言う事なんだろう。



 せっかく植木鉢を用意してくれたんだ、中に入って休憩する。

 おお、根足を土の中に入れてみると思いのほか心地が良い。風呂に浸かっているようだ。


 フアーと声が漏れる。ちなみに風流操作の魔術詠唱のフアーとは吐息の意味だ。ああ、良い。あ、否これはいけない。このままだとねむって…しま…

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