新しい出会い

「もうそこらへんでやめなさい!」


「!」


俺たちはそちらを振り返る。すると小柄な可愛らしい見た目の男性が立っていた。


「アルベルト!」

リザードマンAがそう叫んだ。


アルベルト? ……あれはホビットか。小柄で可愛らしくて……ホビットの少年か。


「お前……なんでこんなところに……行くぞ」

と言うとリザードマンたちはゾロゾロと俺達から去っていった。


「大丈夫ですか?」

と言って俺に微笑みかけるアルベルト。


「ふざけるな! 死ねっ! リザードマン! 死ねっ!」

と去っていくリザードマンに叫ぶアレクサンドラ。いやいや怒りすぎだろ……


「ありがとうございます。助かりました」

俺はアルベルトにお礼をした。


アルベルトは俺の顔を見てぽかーーんとしている。えっ? なんか俺マズイこと言った?


「いえ! あのすいません。なんだかこんなに礼儀正しい人は久しぶりに見たので」

アルベルトはそう言って笑う。


「えっ? そんなに変なこと言いました? 僕」

俺は聞いた。


「えぇ……僕見た目がこれじゃないですか。だから舐められることが多くて人から浴びせられるのは罵声か、軽蔑の眼差しばかりだったので」

と言ってアルベルトはニコッっと笑う。


「そんな助けていただいたのに文句なんて言いませんよ」

俺が言った。するとアルベルトはニコッっとまた笑った。


「いや、本当に素晴らしい人だ。いや、それがあなたの世界では普通だったのですね。ここでは暴力が日常茶飯事なので……なんだか僕砂漠でオアシスを見つけた気分ですよ」

アルベルトは言う。


「せんせーー」

「どうしたの。せんせーー」

「あっ! 人間だ! 初めて見た!」


と言ってホビットの子供たちがアルベルトの周りに近づいてきた。


「えっ! 凄い! 人間ってホントにいたんだ」

と俺を見て驚きの表情を隠せない。


「人間、人間って失礼ですよ。それはちゃんと相手を尊重した態度ですか?」

アルベルトはホビットの子供たちに言う。


「ううう……」

「だって人間って思ったから」

ホビットの子供たちは考えている。


「じゃあ相手を尊重した態度はなんだと思います? 誰かわかる人いますか?」

アルベルトは子供たちに言った。


「あーーせんせい! 分かった」

子供が返事をした。


「はい。ミウ。なんですか?」


するとその小さな女の子は俺の前まで来て言った。

「ハックダートの村までようこそ」すると

と。


するとミウと呼ばれたホビットの少女は

「せんせーー。これでいいですか?」

とアルベルトに振り返り聞いた。


「いいですよ。さっきより良くなりました」

と答えるアルベルト。


すると子供たちがわーーーっ! っと俺の前までやってきて


「ハックダートの村までようこそ」

「ハックダートまでようこそ!」

「ようこそ! ハックダートまで!」

と口々に俺に挨拶をした。俺は思わず笑みが溢れる。


「ありがとう。みんな。歓迎してくれて嬉しいよ」

俺は言った。

するとその子供たちは目を輝かせて

「やったーー」

「やったーー」

と口々に言った。


俺とアレクサンドラは互いに顔を見合わせ笑った。


「私アルベルトと申します。ここにあるアルケイン魔法学校で教師をやっています。よろしければお名前を聞いてもいいですか?」

そう言いながらアルベルトは俺に握手のための手を差し伸べてきた。


「クロードです。よろしく」

俺は握手をした。


「!」


するとアルベルトは握手した俺の右手をジロジロ見出した。えっ? なんだ……なんか俺の手になんかあるのか?


アルベルトは俺の方を見上げて言った。

「クロードさん。よろしければ子どもたちがいる私の学校に遊びに来ませんか?」



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