ざまぁ展開③ ギルド消滅 そして処刑

えっ? っとシドはジャムディを見る。ジャムディはリザードマンの戦士だ。どういうことだ? このギアスが使えないなんて。


「どうして……」


「コンスタンツ卿にはギアス返しの呪印をつけてある。特定のギアスにだけに発動するものだ。だからシドの言う、コンスタンツ卿がシドの使い魔になるという呪いが逆になる」

ジャムディは言う。


「えっ?」

シドは言う。


「だから今はお前がコンスタンツ卿の使い魔なんだ。コンスタンツ卿の命令を聞かないといけないのはお前の方だ」

ジャムディが冷酷に言う。


「えっ……あっ……」


「お前はおそらくこう考えた。アンシルヴァンドはこの城を滅ぼすと言っても神器を恐れて滅ぼせないだろう。だからこのピンチを出世の道具として使ってやろうと。だからどうやっても自分の負けがないようにした。シドが交渉に成功し、コンスタンツ卿が人工神の起動に失敗した時にはコンスタンツ卿は摂政の地位を追われる。その逆のシドが交渉に失敗し、卿が起動に成功した場合は……」


と言うとジャムディはシドの持っているギアスの契約書を取り上げて見た。


「このギアスの契約書の種類……中級のギアス契約書。この契約書の魔力では人の死は契約させることはできない。だからこの契約書でお前がいくらお前が失敗した時には首を切って死ぬと書いてあっても、全て無効になる。これがお前の狙いだな。だから卿が勝負に勝ってもお前は死ぬことはない。だから俺にこの契約書を出させた。もしも、お前とコンスタンツ卿の計画、両方とも成功した場合、お前は処刑されずコンスタンツ卿だけが職を追われることになる」

ジャムディは言った。


「両方勝ってもお前が一方的に特をして、どちらかが勝ってもお前が一方的に特をする。どっちも負けてもお前が一方的に特をする。そんな契約書だ。お前はコンスタンツ卿をハメようとしたんだ。だが、コンスタンツ卿にはその呪いを跳ね返す術式が組み込まれていた。お前の負けだ。シド」

ジャムディが言う。


「俺が負け……俺が使い魔……」

シドが呆然と床を見る。


「そうじゃ! シド! 立ち上がれ!」

コンスタンツ卿はそう言った。するとシドはガハッっと立ち上がった。


「シド! 踊れ!」

とコンスタンツ卿が言うとシドは変な踊りを始めた。


「プッ! なんだよそれ!」

「言いなりじゃん! シド」


と言って周りのみんなはギャハハハハハハとシドの踊りを見て笑っていた。


「全く。この事を国王に伝えたら激怒しておられた。お前が自分がやったことの意味が分かるか。国王もサインをした契約書で不正したのだ! 分かるか? この意味が! お前は国王の前で不正をし、国王を騙したんだ! これは即ち反逆罪! 反逆罪の罪は当然処刑! 一族郎党も含めてのな」

コンスタンツ卿は言う。


シドはもう頭が追いつかない。


自業自得なのか。俺はこれから処刑されるらしい。頭の中が真っ白だ。


「じゃあ……もう解散だね! 天空の大鷲団は。シド今までお疲れ」

女武闘家のマオが言う。


「お疲れ様……安心して処刑されて……ぐふっ……」

ユイが言う。


「そっか。団長のシドが処刑されるから自然と大鷲団の消滅になるのか……みんなこれから行くあてはあるのか?」

エルザが聞く。


「はいはーーい。私クロードを探しにいきまーーす。なんか心配だから。指名手配されたんだよね。シドが嘘ついたせいで」

女武闘家のマオが手を挙げる。


「ふっ……ふっ……私もクロードのとこに行こうかな……魔王術興味あるし……」

ユイも言う。


「そっか。じゃあアルディス。クロードがどこにいるか分かる?」

マオはアルディスに聞いた。


「占いによりますと……見えました。馬車で移動してますね。街道を歩いてます。行き先はモントレイユの街でしょうか。そこに行けば会えるみたいです」

アルディスが水晶玉でクロードの位置を特定していた。


「俺は元々コンスタンツ卿の配下だ。だから俺はここに残る」

ジャムディは言う。


「僕もここに残ろうかなぁ。城の方が研究がはかどるし、それにいい実験材料も手に入ったし」

コルネリオは言う。


「えーなになに? 実験材料ってまた変なことしてるんじゃないでしょうね」

と笑いながらマオはコルネリオの体を人差し指でつついた。


「違いますよ。マオさん。非常に人道的な実験ですよ。僕をそんな異常者みたいな扱いしないでください」

とコルネリオは言うとみんなでワハハハハハハハと笑った。


「サムソンはどうします?」

コルネリオは聞いた。


「あーそうだな。俺がリーダーやって新しいギルドを作ろうかなって思ってる。今度はちゃんとメンバーに給料が払うようなギルドを」

と言うとメンバーたちはワハハハハハハハと笑った。


シドは言った。


「なんで……なんでだよ……なんで俺がこれから処刑されるのにお前ら笑えるんだよ! 人でなし! 人でなし! この人でなし!」

シドが泣きながら怒る。


すると黙る大鷲団のメンバー。


するとサムソンがシドに言った。


「なぁ! ハッキリ言ってやろう。俺らがお前に従ってたのはお前が名門のウォールデン家の長男だったからだ。正直、俺たちはお前のことが大嫌いだった。自己中心的な性格。自分に甘くて他人には残忍。メンバーですらも平気で見捨てる。まだ助けられるかも知れないのに。平気で見捨ててたよな。お前それがカッコいいとか思ってんのか。人に残忍に振る舞うことがさ。本当にお前はもうウンザリだ。だから俺は今からお前にこう言ってやる」


するとサムソンは深呼吸をして言った。


「シドお前はクビだ」


サムソンが言うと他のメンバーも続けて言った。


「シドさんクビですよ」

「シド早く処刑されろ」

「全くいつまでそこにいるの! クビだって! あんた!」

「クビです……シド……呪うっ!」

「悪いがクビだ。シド」

「占いによりますとシドさんクビです」


とメンバー全員でシドのクビを宣言した。そう言い終えると元大鷲団のメンバーは全員で

ギャハハハハハハと笑いだした。


絶望的な表情でそれを見るシド。今までやってきたこと。天空の大鷲団は家族みたいなメンバーだとシドは思っていた。だが、今やっと分かった。そう思っていたのはシドだけだった。シドは毛嫌いされていたのだ。


「じゃあ行くぞ。シド」

コンスタンツ卿の声が聞こえる。シドが強制的にコンスタンツ卿に引っ張られるように移動させられる。


「じゃあこれからもみんな頑張ろうね! このメンバーで絶対もう一度集まろうね! せーの!」

マオが言う。天空の大鷲団のメンバーはシドを除いてみんなで円陣を組んで手を合わせていた。


「おおおおおおおおお!!!」

と大きな声を上げてお互いを称え合う大鷲団のメンバー。


シドはそれを見ながら後ろ歩きで移動する。そしてバタン! と扉が閉められて元大鷲団のメンバーはシドから見えなくなった。



まだまだざまぁ展開続きます。


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