ざまぁ展開 ③ ゾンビになったカシム

!!!!!!!!!


カシムは戦慄する!


だが口からは

「オオオオオオ!!! グオオオオオオオ」

としか声が出せなかった。


「ゾンビだ!」

コルネリオは叫んだ。


ゆっくりとコルネリオたちのところに近づくカシム。しかし、カシムは急な斜面に足を滑らせてしまい地上に上がれない。


「なんで急に!」

シドが言う。


「多分あの花だ。あの花の花粉だ! みんな吸っちゃダメだ!」

コルネリオがそう言うとシドたちは掘り返した墓から距離を置いた。


距離を取りながら恐る恐るカシムたちを見るシドたち。するとカシムとリーシャはお互いの体を食べだした。カシムはリーシャのふとももを食べ、リーシャはカシムの腕を食べていた。


「うおっ! ゾンビ同士が共食いしてるぞ!」

サムソンが言う。


「ほらっ! 見てみろ! あいつらゾンビなのは頭だけだぞ! まだ首から下は人間だぞ!」

ジャムディは言う。


シドが確認するとジャムディの言うとおりカシムたちは首から下が人間だった。だから自分たちを共食いしていたのだ。


「いや! 少しづつゾンビの箇所が広がってます! あのままだと全身ゾンビになる!」

コルネリオは言う。


「チッ!」

シドは自分の手から指サイズのボルト……大きなネジのことを……を召喚する! シドはそのボルトをカシムとリーシャに向けて飛ばした! ギュン! 高速でカシムたちのところに向かうボルト。そしてそのボルトは追尾弾のように曲がってカシムたちの胸にドスッ! っと突き刺さる! カシムたちの体がまだ人間の部分に食い込むボルト! そしてギュン! ボルトが急速に回転しカシムの胸にねじ込まれる!


「ステータスを固定化した! だれかゾンビを治癒出来る奴はいないか?」

シドは聞く。


ジャムディたちはお互いの顔を見合わせ首を横に振る。するとコルネリオはカバンから試験管を二つ取り出して言った。

「試作品の秘薬があります。僕が作った秘蔵の偽エリクサーです。これで直せるかも……ただ効果のほどは分かりませんが……」


「構わない! それをカシムたちに使え!」

シドが叫ぶ。するとコルネリオはその偽エリクサーの入った試験管をカシムとリーシャに向かって放り投げる!


ガシャン! バチャ! 偽エリクサーがカシムとリーシャの体にかかる。すると二人は

「グオオオオオオオ!!!」

と不気味な声を上げて叫びだした。そしてドサッっと倒れる二人。


「効いたか!」

コルネリオは言う。


カシムとリーシャは倒れたまま動かない。しばらくカシムたちの動きを見守るメンバーたち。


すると


「ん? どうしたんだ」

「え? なになんで倒れてるの? 私たち」


とカシムとリーシャの元気そうな声が響いた。そしてムクッっと起き上がる二人。二人のゾンビはもう治っていた。


「うおおおおおおお!!!!」

と歓声が上がるメンバーたち。


「!? 解呪できない!」

一人つぶやくシド。



「やったな! コルネリオ!」

サムソンが褒める。

「まさか。教会の治癒もなくゾンビをあんな風に回復させるとはな」

ジャムディが褒める。


「ふっふーーん。凄いでしょ! 僕の力。試作品の効き目が良かったみたいですね」

得意気にコルネリオが言う。


「あっそうか。てか俺ゾンビに……ったくよー。ふざけんなよこいつ!」

カシムは棺桶に入ってる死体の腹にパンチをする。


「えーー私たちゾンビになってたの? こいつマジキモい!」

と言いながらリーシャも棺桶に入っている遺体にツバを吐きかけた。


「舐めてんじゃねーぞ!」

と言いながらカシムは死体の顔を強く殴った。すると


「オ……オ……オ……ゴ……」

リーシャから不気味な声がする。


カシムはハッとしてリーシャの方を見る。

「おっ! おい! おふざけはなしだぞ。リーシャ」

後ずさりながらカシムは言う。


リーシャは下をうつむいていたが、顔を上げリーシャはカシムにニコッっと微笑んだ。それを見てカシムはホッっとした表情を浮かべ安心する。


「ったくビビらせんなよ。ここでおふざけするなよ……おおおおおお!!!」


突然リーシャがカシムに襲いかかる!!


「ああああああ!!!!」

叫ぶカシム。

「オオオオオオ!!!」

リーシャは突然ゾンビになってカシムに襲いかかる!


「みんな! たっ! 助けてくれ!」

「オオオオオオ!!!」


カシムは必死でメンバーに助けを求める! だがシドたちはカシムを助けようとはしない。


それどころかシドたちは遠巻きにカシムを見ているだけだった。


「なにやってんだよ! 早く助けろよ!」

カシムはサムソンの目を見て言う。だがサムソンはカシムから目線をそらす。


「なぁ! なんで助けてくれないんだよ……なんでだよ……助けてくれよ……みんな……」

泣きそうになりながらカシムは言う。


シドたちは黙ってカシムを見ている。


「みんななんで……うああああ!!!」

とカシムが言ったと思ったらリーシャがカシムの腹を食い破り腹ワタを食い始めた!


「あああああ!!!! やめろ! リーシャ! やめろ!」

構わずカシムの腹ワタをソーセージのように噛みちぎるリーシャ。


千切れた自分の腸を見てカシムは……


「あああああ!!!」

と自分の腸を自分で食べ始めた。


「っ!」

思わず目をそらすコルネリオ。


「どうして……! 治ったはずなのに!」

コルネリオはつぶやく。


カシムは腐りかけの自分の足を引き千切り食べ始めた。リーシャも自分の腕を千切り食べ始める。


「うおっ! あいつら自分の手足食ってんぜ」

サムソンが驚く。


「あいつらはもう駄目だ。見捨てていくぞ」

シドが言う。


「えっ?」

コルネリオが答える。



まだまだざまぁ展開続きます!

面白いと思った方ハートフォロー★お願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る