元パーティー目線 カシムと侍女の行為後の会話

「そう言えばさ。急にクロードのことを思い出してさ」

カシムが侍女との性行為のあと独り言のようにそう呟いた。カシムと侍女は狭い物置きの一室で床に寝ながら天井を見上げている。


「クロードって大鷲団のメンバーの人?」

侍女が聞く。


「あぁそうだ」

行為のあとの汗を拭いながらカシムは言う。


「おれあいつに謝らなくちゃいけないことがあって」

カシムは言う。


「なに?」


「俺さ大鷲団に入ったとき、前に盗賊やってたこともあってさ。手癖が悪かったんだよ」


「うん」


「それである日クエストが終わって、あーなんかこのクラン結構だりぃなぁ。金も稼げねーし。財布でも盗んでバックレようかなって思ってさ。で、皆が寝た時にメンバーの荷物からこっそり財布を盗んだんだよ」


「うん」


「そしたらクロードに盗んでるところ見つかっちゃってさ。俺もう必死で言い訳して。もうしません! これバレたら今までの前科あるから衛兵に見つかったら死刑になるって! ってクロードに泣きながら言ったんだよ。そしたら、クロードあいつ、俺、見ないふりするよって言ってくれたんだよね」


「えーー。メチャクチャいい人じゃん。クロード」

侍女が言う。


「そうなんだよな。あいつ良いやつなんだよ。でさ俺その時よっしゃ! これでバレないって思って更にメンバーから追加で財布を盗んで」

カシムは笑いながら言う。


「サイテー! カシム」

侍女は言う。カシムは笑う。


「で、シドに見つかりそうになったから、盗んだ財布全部クロードの荷物にブチ込んでさ。それで知らんぷりして寝たんだよ」


「えーー? クロードさんに全部押し付けたの? 財布を盗んだことも? ホントサイテーじゃん。カシム」

侍女は言う。


「でさ、次の日クロード、メチャクチャメンバーから怒られてさ。ビクトリアの下着も俺が盗んで入れてたから、もうあいつ変態なのか泥棒なのかよく分からないくらい怒られてさ」

カシムは笑いながら言う。


「うん」


「で、クロードあいつ俺が犯人だって全然言わねーの。言えばいいのに。無言でさあいつ。みんなから怒られてるのを泣きながら耐えてるんだよな。あいつさ。俺の嘘を信じてたんだよ。バレたら死刑になるっていう嘘。俺。もうその時感動しちゃってさ。世の中にこんな良いやつがいるんだなって」

カシムは涙ぐみながら言う。


「あ! そうか。じゃあその時に正直に話したんだ。カシム」

侍女が言う。


「んなわけねーだろ! でさ、俺もその時これはチャンスだって思ってクロードに全部なすりつけたんだよね。そう言えば俺の財布からも金が消えたって。絶対クロードのせいだって。その時クロードあいつメチャクチャ悲しそうな顔をしてさ。俺さすがにちょっと罪悪感感じたわ」

カシムは言う。


「えーー。やば。それあたしだったら人間不信になるわ」

侍女が言う。


「でもさ、クロードをイジメてるうちになんか楽しくなってきてさ、罪の意識一瞬で消えたわ。だってクロードってが俺がなにやっても許してくれるんだよ? あいつは神様だよ。殴られても蹴られても怒らない神様。いやーあいつが俺らのストレスのはけ口になってくれて良かった。だから俺たちは喧嘩することもなく楽しく冒険出来たんだな。今ならあいつがどれだけメンバーに貢献してたか分かるわ」

カシムが言う。


「で? そのクロードさんはどこにいるの?」


「あーあいつ。死んだ」

そう言いながらカシムはムクリと上半身を起こした。


「えっ? それじゃ殺したのカシムじゃん」

侍女が言う。


「ちげぇわ。あいつは会ったばかりのオッサン冒険者たちのために命捨てたんだよ。あいつさ。分かってないんだよ。この世は奪い合いなんだよ。みんな自分のことしか考えてねーんだよ。それを嘘ついて人のためにとか言うからよってたかって食い物にされる」

カシムはニヤリと笑いながら言う。


「ひっどーーい! カシムさいてー」

侍女が笑いながら言う。


「本当バカだよ。あいつ。確かに俺は最低で、どうしようもないクソヤローだけど、こんな俺でも上手い汁吸えるこの世の中の方がもっと最低なんだよな。しかも悪い奴の方が女からモテるし。あーまじでクソヤローで良かったわ」

カシムはニヤリと笑いながら言った。


「えーー。クソヤローだめじゃん」

侍女が言う。


「駄目じゃねぇよ。お前もクソ女だろ? 俺の悪事を知っておきながらそれでも俺のことが好きって言ってるんだからな。お前も俺と同等のクソヤローだよ」

とカシムは侍女を見つめニヤニヤしながら言った。

侍女はそれを聞いて

「えーー! ひどーーい」

と言って笑った。


ドンドン! カシムと侍女が寝ている物置きのドアがノックされる。侍女は思わず自分の胸を隠した。


「おい。カシム。こんなとこにいたか」

天空の大鷲団のタンク役サムソンだ。


「おっ! なんだ急に入ってくるなよ」

カシムが言う。


「また新しい女か? ったくお前のゲテモノ好きには困るな。底辺の女ばっかり食い散らかしやがって」

サムソンは言う。


「ちげーよ。これは純愛だよ。えーとリサちゃん?」

とカシムは侍女に言った。


「違います。リーシャです」

侍女であるリーシャはそう答えた。


「いやあだ名だよ。あだ名」

カシムは笑ってフォローする。


「シドから命令だ。今からグレートフォレストに行くぞ」

サムソンはそう言った。


「グレートフォレスト? あのブラックドラゴンと戦った?」


「ああ」


「分かった。準備する」

カシムが服を着替えた。


「ねぇ。私も行く!」

リーシャがそう言った。



廊下を歩きながらサムソン。カシムが話している。少し後ろを侍女のリーシャが着いてくる。

「なぁグレートフォレストって大分遠いだろ。ビクトリアもいねーし。どうやってたどり着くんだよ」

カシムがサムソンに聞いた。


「ワイバーンの使用許可が降りた。それに乗っていく」

サムソンが言う。


「あーあれか。あれ寒いんだよなー。結構上空飛ぶからな」

カシムが答えた。


「あつ! そうだ。帰りヴァリュレーの村によっていかね? あの村クロードの妹いただろ?」

嬉しそうにカシムが言う。


「あぁ。そうだな」


「あの妹前から狙ってたんだよなー。クロードあいつ妹のことになると急にキレだしたりして、手が出せなかったけどあの妹どうせ処刑されるんだろ? じゃあ、なにしても良いってことだよな?」

カシムが言う。


「あぁ。そうだな」


「じゃあさシドも誘って全員で妹と楽しいことしようぜ。あーワクワクしてきたー」

カシムが楽しそうに言う。


「まるで動物だな。お前。まぁ俺も楽しませてもらうがな」

サムソンがニヤニヤしながらそう言う。


「でもさぁ。クロードの人生って一体何だったんだろう。周りの人に食い物にされて、妹まで陵辱されて。シャリエ家ってのは俺たちに食い物にされるためだけに生まれてきたようなもんだな」

カシムが笑って言った。


「あぁ。この世の全ては自己責任だからな。全てあいつが選択した未来だ。その判断の責任は全てあいつにある」

サムソンはニヤニヤ笑いながら言う。


「じゃあ俺らも社会の恐ろしさをあの妹に分からせてやらないとな。やっぱりいい事なんてするもんじゃねーな」

カシムはクスクス笑いながら言う。


「ねぇ! 私も着いていくから!」

侍女のリーシャが言う。


「あ? ついてこなくていいよ。お前」

カシムは言った。


「だってカシムが浮気するかも知れないから!」

リーシャが言った。


「しねーよ。だから城に残れ」


すると

「ヤダッ! 一緒に行くもん!」

とリーシャがカシムの胸に飛び込んだ。


カシムはニヤニヤしながらリーシャの体をいやらしく触る。


カシムは思った。やっぱいい事なんてするもんじゃねーな。悪人だけだせ? こんないい思い出来るのは……お前にこれが出来んのか? クロード。カシムはリーシャの尻を揉みながらそう思った。




次回天罰下る!


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