第8話  病院は、お得意様

 狸山先生も狐乃襟さんも同じ病院に、入院していた。


 超一流と有名な病院だ。


 先生が入院していた特別室といい、巻子さんの不正な移植といい、かなり怪しい病院だ。


 しかし、僕は、正義の味方ではない。むしろ、この病院は、お得意様の宝庫になりそうだ。


 関係は、大切にしていくつもりだ。


 現世までもう少しの場所で、声をかけられた。


「順調なようだな」


「おかげさまで」


 こんな所で、僕に声を掛けてくるのは、奴しかいない。


「もう一つの約束も順調だ」


「そうか、こちらも問題ない。しかし、もう2人も転落した現場を見ても尚、続けるのか?」


 僕は、黙って頷いた。


「変わった人間だ」


「お互いさまだろ」


 奴は、笑いだけを残し、姿を消した。


 病院から連絡が来たのは、翌日だった。



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