最終章~派遣だって、ヒーローになれる~
CASIOPEAと光咲キ誇レ、そして2つの事務所の運命を懸けた2マンライブから半年が過ぎたある日の午前6時、恭一郎は今日もこの時間に起床し、朝ごはんを食べながらニュースを見る。
ただ、派遣社員で働いていたときと変わった点がある、それは、エンタメコーナーをちゃんと観てから出勤するようになったことだ。
午前7時15分の電車に乗り、8時にはとある場所に着く、芸能事務所とはまた違うところだ、音楽業界に精通していない恭一郎は1からまた学び直そうと、RYUICHIに弟子入りをし、プロデューサー見習いとして学んでいた、そして今日、新米プロデューサーとして、新たにグループのプロデュースを始める。
RYUICHIの事務所を出る前、恭一郎とRYUICHIでこんな会話があった。
【いよいよプロデューサー初日だな、緊張してるか?】
【いえいえ、緊張してたらあいつらに顔向けできないでしょ、俺は今日からプロデューサーなんですから、今まで学んできたノウハウと、RYUICHIさんから学んだことをしっかり実践させていただきますよ。】
電車に乗って25分、とある事務所に着いた。
【BIGBANG GENERATION】
CASIOPEAと光咲キ誇レが所属する今の事務所だ、陵介が社長をしている。
2マンライブ終了後に、リーダーのまつりが今回の騒動の責任を取りたいと言い出したので、推しているファンやグループの関係者を納得させた上でアイドルを引退し、そのままCASIOPEAのプロデューサーに就任、マネージャーには結成のときからずっと見守ってきた光が引き継いだ。
そしてあの2マンでの出来事がニュースに乗り、元派遣社員の恭一郎には取材が殺到、そのニュースを見た人が恭一郎に弟子入りしたいと志願し、スタッフも3人増え、12人になった。
そんな恭一郎の新グループのプロデューサー就任に伴い不在となっていた光咲キ誇レのマネージャーには誡南が就任し、恭一郎から学んだものを実戦しながら、自分なりのマネージメントを行おうとしている。
そしてまつりとゆめ果からの提案で両グループを総入れ替えすることとなった。5人体制で3グループに振り分け、3人をCASIOPEAで、3人を光咲キ誇レで、そして残り3人を新グループで活動させると言うものだ。
最初に聞いたときは各メンバー全く納得出来るものではなく、各々悩んでいた、しかし秋穂から【この総入れ替えはそれぞれの夢に向かうと言う意味でもチャンスなんじゃないかな?これでお別れと言う話でも無いし、グループが変わっても事務所でいつも一緒でしょ、私たちも新たな道へ進む時が来たのよ。】の一言で、全員を納得させた。
CASIOPEAはさと美を新リーダーとし、その下にはさき音がつきメンバーを3人追加、光咲キ誇レにはゆめ果をリーダーとし、ひなたと柊葉がその下につき、新たに2人メンバーの追加を、そして新グループには朱音、汐里、美音をつけ、こちらもメンバー2人を追加する。
また振り分け賛同の一言を発した秋穂は、元々ソロとして活動しようとしていた和奏と共に、デュオユニットとして本格的に活動を開始した、恭也が仕組んだ密談から2人の距離がかなり縮まり、解散した後の振り分けで、2人でデビューしたいと訴えた結果だった、マネージャーには涼平とあずさが付いた。
そしてそれぞれのグループの追加メンバーと、バックアップをしながら将来はアイドルとして活動させるためのメンバーのオーディションを行うため、恭一郎は事務所に入ったのだ。早速陵介が恭一郎を出迎えた。
【おはよう、いよいよこの時が来たな、良いメンバーが集まると良いな。】
【そうだな、しっかりと見極めて新たな才能を探す場にしないとな。そして第二の誰かが出できてくれるかも楽しみだし、今日は俺自身もオーディションしながらしっかり勉強させてもらうよ。】
こうして、新たな才能を見つけ出すオーディションが始まった。
全てはあの定期の後に和奏に語った一言から始まっていた。
【俺に2人を預けさせてほしい、そして2人をマネージメントして、アイドルとして売れたその先を観に行きたい。】
その一言で、本人も周りも変わり、いつしか彼は【派遣マネージャー】と呼ばれるようになっていた、そして今まで隠されていた悪事を暴き、彼はいつの間にかヒーローの存在になっていた。
誰だって1つのきっかけでヒーローになれる、そう。
派遣だって、ヒーローになれる。
【派遣マネージャー】~完~
派遣マネージャー 揚田法然 @hozen_ageta
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