第四章~踏み出す一歩はここから始まる~











恭一郎がメンバーに向け発表した、デビューライブまでの間でSNSを使って告知し、集客力を高めていく企画は、予想以上に反響を大きくさせるものとなった。










率先してリーダーとなったゆめ果がSHOWWITHと言う配信サイトで配信を行い、他のメンバーは各種SNSでの告知を中心に、時にゆめ果が配信に出られない時は、他のメンバーが配信を代行して行った。










だが秋穂に関しては、以前のようなトラブルが起きるかも知れなかったために、デビューまでは伏せておく作戦を取った。










最初のSHOWWITH配信では、100人以上観に来てはいたものの、そこから数日は視聴者も横ばいの状態で、1回の配信で視聴者が15人になる日もあった、だがしばらくして、SNSでのある投稿をもきっかけに、彼女たちの知名度が爆上がりになったのだ。










その日のSHOWWITH、いつものようにゆめ果が配信を行っていると、アイドル業界では有名な評論家がたまたま配信を観に来ていた、配信終了後、こんなことをSNSに投稿したことがきっかけだった。









【今SHOWWITHで色々配信を見ていたんだけど、その1つにすごい可愛い子を見つけたんだ。デビュー前の子らしいんだけど、生で見たら驚きが増すんじゃないかな?】










この投稿に、ファンからの反応が続出した。










【どんな子?地上レベル?】










【デビュー前のアイドル?確か、7月中旬にデビューするアイドルがいたって聞いたけど、もしかしたらそこの子かも。】










【そんなかわいい子がいるんだ、俺も配信覗いてみようかな。】










【確かに顔はかわいいけど、話し方や対応はどうなんだろう?】










この1件以降、SHOWWITH、SNSのフォロワー数も急増、デビューに向けての告知はかなり成功に近いと手応えを感じた。一方恭一郎たち4人も、デビューライブに向けて、準備の最終段階に入った。このライブで披露する4曲の仮曲が完成したとの連絡を受け、それをメンバーに聞かせたのである。










【光咲キ誇レ。】【目覚めの光。】【black or white?】【光はいつも我の中に。】この4曲をデビューライブで披露する。










1曲目の【光咲キ誇レ。】、このグループの代表曲として、そしてこれからの活動において、このタイトルに恥じないようなグループを作っていける曲だと、恭一郎は確信したと言う。










2曲目の【目覚めの光。】、今までのアイドルにはないような世界観が売りで、どちらかと言えばバンドでよくあるような、ロックを全面に出すと言う表現が正しいのかもしれない、また彼女たちの力を最大限に発揮し、強烈なインパクトを残すことが出来るとも言える曲となった。










3曲目はの【black or white?】、直訳すれば【黒か白か?】、他のアイドルにはない、光咲キ誇レオリジナルの感じを出す曲で、恭一郎と陵介はかなり気に入った様子だ、ちなみにこの曲を一番気に入ったのは、柊葉らしい。










4曲目の【光はいつも我の中に。】、アイドルとしての可愛いを推し進めるごりごりのアイドルソングで、キュートな歌詞も先に紹介した3曲の良さを更に引き立たせることが出来る曲だと言う。秋穂、ゆめ果、朱音はこの曲を一番気に入った。










曲が命のライブアイドルには最高に戦える武器を得たようなもので、このグループをアピールするには、これ以上ない最高な4曲が仕上がったといえる。










これらの4曲は、作詞をRYUICHIが、作曲と編曲はRYUICHIの知り合いの作曲家に依頼して製作したのだ。特に【black or white?】【目覚めの光。】【光はいつも我の中に。】の3曲は、元々別のロックバンドに向け、数年前に作詞、作曲、編曲をしていたが、その3曲を受けとる予定だったユニットが突如解散を決めてしまったことで、お蔵入りになっていた曲でもあった。










だが、光咲キ誇レのことをRYUICHIから聞いた作曲家が、お蔵入りになっていたこの3曲を引っ張りだしてきたのだ、更に元々ロックで作っていた曲調を一部アレンジし、アイドルソングとして生まれ変わらせ、提供したのだ。










更に、ライブ後に行う物販でのレギュレーションもこの期間に色々と決めていた。










こちらは主に和奏が中心となって決め、誡南、美樹、夕凪、それと恭一郎と陵介に提案し、足りないところを5人と考えながら、以下の商品を売ることと、物販時のルール、注意事項を決めた。










まずはライブアイドルの代名詞とも言えるチェキは、サイン有りで1枚1,000円のみとし、その後のトークはアイドル界隈では一般的な時間でもある60秒で行くことを決めた。










続いてTシャツ、いわゆるヲタTシャツと呼ばれるものであるが、こちらは2,500円で販売する、デザインは、黒の無地Tに白でこのグループのロゴが書かれたシンプルなもので、表にそのロゴが書かれているものである。










一度メンバーにTシャツを預け、帰宅後そのTシャツに色々と書いてもらい、後日お客様のもとへ返却するデコTと言われているものを販売する提案も出したが、デビューライブでいきなりデコTを付けてしまうのは、メンバーのハードルが高くなり、負担が多くなるとして却下となった。










CDの販売についても意見が交わされたが、まずはライブで曲を聞いてもらってからの方が良いんじゃないかということで、このデビューライブでの販売はなしとなった。










更に物販時の細かいルールは、今の段階でやれる範囲で決めた。










・チェキを撮る時は、メンバーとの距離をあまり近くならないようにし、チェキのルールで定められている以上の過度な接触は禁止にすること。









・終了後は速やかに、後ろのファンに交代すること。










・メンバーへのトーク中、個人情報の聞き出しや、セクハラに等しい行為は禁止。










・メンバーへの連絡先及び、個人の連絡先の交換は禁止。










・後気になったことがあれば、いつでもスタッフの方に聞きに来てください。









・もしルールに従えない場合は注意をし、それでも改善できなければ、そのお客様を出禁にさせます。










一方、メンバーの方もデビューライブに向け最終調整に入っていた。










最初は1曲を覚えることすら難しかった、特に美音と柊葉はこのグループでアイドルデビューとなるので、不安しか残っていないが、そこをゆめ果と秋穂がコーチをしながら2人の不安を払拭させていき、デビューライブの1週間前には、5人とも完璧なものにまで仕上げていったのだ。










そして、デビューライブの4日前、恭一郎からメンバー5人に対しエールを送った。










【いよいよデビューライブが近づいてきたな、最初の顔合わせから考えると、ここまでよく頑張ってついて来てくれたって思うよ。特に秋穂、ゆめ果は美音と柊葉を育てながらだったから大変さは更に増してたと思う、でも、そこで音を上げずにやってこれたわけだから、そこは自信を持って当日に挑んでほしいし、大変だったからこそ、朱音の存在にも助けられた、だからこの5人で最高なデビューライブにしてほしい。】












その上で恭一郎は、グループのロゴ、キャッチフレーズ、メンバーそれぞれのキャッチフレーズ、メンバーカラーを決めたこと、依頼してた、衣装が届いたことをメンバーに伝え 、5人にロゴのデザインシートとグループのキャッチフレーズ、メンバーカラーが書かれた紙を見せた。しかしキャッチフレーズだけは全て自分達で考えたいと話したため、この場ではメンバーカラーとロゴだけが決められた。










ロゴは、カッコよくも斬新かつシンプルにをテーマに、光咲キ誇レの文字を、ネオン調で黒の背景に白の文字をあしらったものとなる、更にメンバーカラーに関しては以下のように決めたことを5人に伝えた。










ゆめ果は、言葉でも行動でも引っ張っていけるリーダーとして活動して欲しい、その思いからリーダーとしてよく使われる赤。










朱音は、クールさを高めていきたいという彼女の心意気を、恭一郎たちも日々感じていたので、それを体現する意味でもクールなイメージを持ちやすくする青。










柊葉は、元々サッカーをやっていたスポーツガールという事で、爽やかさを全面的に出してほしいと言うことから、最初のグループカラーとしては珍しい黄緑。










美音は、このグループでは陰でありながら人一倍に努力し、もっともっと輝いて欲しいことから、こちらも最初のグループカラーとしては珍しいオレンジ。










最後に秋穂、アイドルグループのエースを示すピンク色は彼女しかいないと言うことからピンクで行くことになった。










衣装は、黒と白をベースに、それぞれのメンバーカラーをあしらったものとなる、またメンバーによって、スカートとハーフパンツに別れ、ゆめ果、美音、秋穂はスカート、朱音と柊葉はハーフパンツとなる、 衣装合わせはそこまで時間がかからず、彼女たちからも評判の高さを得た、心配されていたサイズに関しても問題がないように見えた。









全てが完璧に進み、後は当日を迎えるだけだったが、恭一郎にはまだ不安があった。全てが順調だけど、このライブを成功できるのかと。










デビューライブの前日、不安がってる姿を見ていた和奏が、恭一郎にこう発言した。









【明日は本番かあ、ようやくあの子達をステージに立たせられる、本当にあの子達は成長してくれたね、結成してわずかでパフォーマンスを完璧にしてくれたもん、それもすべて恭一郎君と陵介くんのお陰かな、本当にあの決意を形にしてくれてありがとう、明日は最高なものを彼女たちが届けてくれるよ。】









【ああ、確かに彼女たちは俺が想像する以上に成長してくれたし、明日に向けて色々と準備はしてきたけど、実際は彼女たち自身が不安を感じてると思う。】









そんな恭一郎の今の心境を聞いて、陵介はこう言放った。










【まあ、いよいよ明日だし、みんな不安になってると思う、でもその不安を少しでも軽減させることがマネージャーの役割、お前が彼女たちに自信を与えてあげないと、この日のために一生懸命頑張ってきた彼女たちに顔向けできないよ。


大丈夫、明日は光咲キ誇レが、会場に衝撃を与えて、こっからアイドル業界の旗揚げしていく、そう俺は確信してる。】









この2人のエールを聞いた恭一郎から、抱えていた不安は全て消え去り、万全な状態でライブを迎えることとなった。










そして迎えたデビューライブ当日、派遣育ちのマネージャー、明石恭一郎と生駒陵介にとって、いよいよ未知の世界に足を踏み入れることとなる、いつものように事務所に出勤した全員を集め、恭一郎から決起の言葉を述べ、その後全員で円陣を組んだ。










【みんなおはよう、いよいよデビューライブ当日だな、事務所の立ち上げ、メンバー5人とスタッフとの出会いや再会、そして色々な悩みを経て今日がある。


正直俺は、アイドル業界や芸能界は全くの新参者だったから、時にその言葉でみんなを傷付けたり、迷惑をかけたこともあった。


しかし、それでもみんな付いてきてくれたし、今日のために努力を惜しまなかった、だから、みんなにお礼がしたい、ついてきてくれてありがとう。


今日はこの事務所にとって全ての始まりの1日、今日のライブを最高なものにしよう、行くぞ!!】










昼食を済ませた後、事務所近くの駅から電車に乗り、数分後に新宿駅に着くと、そこから歩いて数分、目的地のライブハウスに到着した、この日のライブは対バンと呼ばれる数組のアイドルが出るライブとなっている、光咲キ誇レの出番は夜の19時だ。










まずは会場のスタッフに挨拶を行い、メンバーを楽屋に通して貰う、その間に恭一郎がスタッフから色々話を聞き、カメラの置く位置や物販の時間、場所などを和奏たちに共有し、スタッフの配置とそれぞれの動きを全て伝えた。










恭一郎が主にこの日の現場指揮を取る、陵介はCDをPAに渡しフロアから状況を見る、和奏は主にメンバーの付き添いを担当、美樹は陵介のサポート役、誡南は今までの動画クリエイターとしてのスキルを活かしライブの動画撮影、夕凪は主に物販のレジ対応がメインだが、それまではサポート役に回って動くこともプラスで決まった。










そしてメンバーにはライブの時間まで入れ替わりでビラを配るようにと指示を伝えた。










その頃会場の外では100人近くのファンが今か今かと開場を待ち続けていた、そして16:30に開場、待ち続けていたファンたちが一斉に下に降り始めてきた。










そのファンたちに向けまずはゆめ果と朱音が先陣を切ってフライヤー配りを開始、柊葉と美音は一旦2人の姿を見てやり方を説明し、タイミングを見計らってフライヤー配りに参加させた、秋穂も配ろうかと恭一郎がに提案するが、ライブの時間まで待機してほしいと伝え、フライヤー配りに参加しなかった。









見事に数人のファンに配布することに成功、ライブの宣伝も行った、ファンの評価はまちまちで、貰っていく人と素通りする人と半々だった。










いよいよデビューライブの時が迫る、会場の熱気もピークに差し掛かっている、フライヤーを配っていたメンバーに緊張感が走った、そして楽屋に戻り出番10分前、会場のスタッフから声がかかった。










5人は舞台袖に向かった、ずっと抱えていた不安、舞台袖に向かう彼女たちからは全て消えていて、今はステージを楽しむことを考えている表情に変わっていた。










そして19時3分、タイムテーブルの予定より3分押しで、ついに光咲キ誇レのデビューライブが始まった、数日前に完成させたSEがフロアーに向け流れ、ゆめ果、朱音、美音、柊葉、秋穂の順で登場した、そしてそのまま1曲目の光はいつも我の中にを披露した、フライヤーを貰ったヲタクや、その場でずっと観ていたヲタクも、5人のパフォーマンスと曲の良さに目を奪われた。











その後自グループのキャッチフレーズを告げ、自己紹介に映った。ちなみにキャッチフレーズはゆめ果の考案で、楽屋での待機時間中にメンバーに伝え、少しの待機時間を利用し合わせたとのことだ。恭一郎自身もステージで聞くまで知らされていなかった。










【皆さんはじめまして、私たちファンと共に光る未来を見ていきたい、光咲キ誇レです。よろしくお願いします。


それではまず、今日が私たちのアイドルとしてのデビューなので、1人ずつ自己紹介してまいります。まず私から、光咲キ誇レのリーダー、福島県出身、18歳の赤色担当、星野ゆめ果です。誕生日は4月14日です。


私は4ヶ月前まで別のグループの研究生として活動してましたが、一旦自分のあり方を見つめ直すためこのグループに入り、リーダーとして新たに活動することを決めました。


まだグループとしては未熟で、個人としても新参者ではありますが、このグループで新たな自分として成長していきたいですし、リーダーとしてしっかり引っ張っていける存在になれればいいなと思います、皆さんよろしくお願いします。】











会場から割れんばかりの拍手が起きた後、朱音、柊葉、美音、秋穂の順で自己紹介を行った。










【皆さん初めまして、青色担当の神奈川県出身、18歳の篠崎朱音です。誕生日は7月9日です。


私はゆめ果と同じグループの研究生として活動してましたが、ゆめ果と同じタイミングで、このグループの一員として活動することを決めました。


私は、メンバーのピンチになったときに、ゆめ果で支えきれない部分を支え、みんなを纏められるような人を目指し、これから精進して参ります。宜しくお願いします。】









【皆さんこんばんわ、黄緑色担当の20歳、兵庫県出身の奈良岡柊葉です。誕生日は5月15日で、この日からプロサッカーリーグが始まったことから、別名jpリーグの日と呼ばれています。


私はゆめ果、朱音と違いアイドルになる前は女子サッカーの選手として高校まで活動してました、また世代別の日本代表にも選出された経験があり、中盤の選手として、みんなをしっかり活かすプレーを心がけていました、サッカーが好きなら、ボランチとパサーと言えば分かるかもしれません。


このグループでもみんなの繋ぎ役として支えていきたいと思っています、宜しくお願いいたします。】










【みなさん初めまして、アメリカシアトル生まれ東京育ちの23歳、オレンジ色担当の半田美音です。誕生日は9月23日で、みんなからはハンターと呼ばれていました、ですのでコールは是非ハンターでお願いします。


私も柊ちゃんと同じくアイドル未経験でスタートします、でも誰にも負けたくありません、宜しくお願いします。】










【皆さんはじめましての方ははじめまして、そうじゃない人はお久しぶりです。群馬県出身の21歳、ピンク色担当の楓季秋穂です。誕生日は11月6日です。


私はこのグループに入ると同時に改名しました。今までの私を全て捨てて、新しい私として活動していくためです。 アイドルに対する気持ちと熱意は5人の中でも高い方だと思ってます。リーダーのゆめ果が困っているときは、プレーで引っ張っていけるような存在になりたいです。そしてこのグループ名のように、光が輝き、咲き誇れるアイドルを目指してこれから更に頑張っていきます、宜しくお願いします。】










5人の自己紹介が終わり、ゆめ果がファンに向けて披露する曲を話した。










【最初に光はいつも我の中にを聞いていただきました、私たちは今回デビューライブに備えて4曲を持ってきました、そしてこれから披露するblack or white?、目覚めの光、光咲キ誇レの3曲をやらせて頂きます、それではどうぞ。】









残りの3曲もしっかりとやりきり、そのパフォーマンスに目を奪われたファンも多かった 、20分のパフォーマンスが終わった後、朱音がフロアのファンに対して、感謝の気持ちを述べた。










【皆さん、見ていただきありがとうございました、お陰さまで最高のデビューとなりました、これからも日々精進して参りますので応援宜しくお願いします、以上私たち光咲キ誇レでした、ありがとうございました。】










ステージ上で最後お辞儀をしたメンバーがステージの袖に捌け、デビューライブは最高な状態で幕を下ろした。楽屋に戻ると、ゆめ果と朱音が今までの苦労から解放されたように号泣し、秋穂、柊葉、美音も感極まって涙が溢れだそうとしていた。










恭一郎も5人のパフォーマンスを見て感情が崩壊しそうになっていたが、そんな彼に泣いてる暇はない、ライブが終われば、いよいよスタッフとしての仕事、出番後の物販に向け色々と準備をしなければならない。













夕凪が物販の準備を進めていく、恭一郎もそこに加わり、用意した商品を並べていく、タブレット型のレジを今回用意したため、会計は夕凪が担当する、美樹は野球部仕込みの大声で並び始めたファンを整列させる、ライブで使ったCDは陵介がPAから受け取った。










物販場所には、始まる前から既に50人以上のヲタクが並んでいた、あのパフォーマンスに心奪われた人ばかりだ、それを目の当たりにした恭一郎は、並んでくれた人たちに向け、こんなサプライズを発表した。









【物販にお並びのお客様に、ここでサプライズの発表をさせていただきます。


今日このグループは始めの一歩を踏み出しました、ここにいるスタッフも今日が初めての物販となります、是非この機会に名前を覚えて帰って欲しいと思っています。


そこで急遽ではありますが、物販の前に無料の全員握手会を行うことを決めました、是非この機会に握手していただき、その後チェキで撮るメンバーを決めていただけたら嬉しいです、そしてもし、その場で推しが見つかった方とかいらっしゃいましたら、是非何枚も撮ってあげてほしいなと思います。


また今日ライブを観て感じたことや今後の要望につきましては是非、我々スタッフの方にお気軽に声を掛けていただければと思います。今後ともよろしくお願いします。】










メンバーが和奏に連れられ、物販場所に到着した後に行われた、この無料の全員握手会、陵介、美樹、誡南、和奏が後ろで剥がしと呼ばれる役割となり、ウォークスルーの方式で握手を進めていった。










多くのファンが握手列に並び、その数は100を超え、最終的には147人が握手会に参加し、20分後そのままチェキの撮影タイムに移った、ヲタクの助けも相まって、レジ列はかなりスムーズに進んでいく。









だが終了に近づくにつれ、チェキ列に並ぶヲタクも増えていったため、買ったチェキ券は後日他の会場でも使えることを並んでくれたヲタクに説明した、並んでいたヲタクもある程度納得し、半ば強制的に物販列と撮影列を締め切った。









そして握手会含めて、物販が始まってから1時間13分経った午後9時44分、物販の終了をゆめ果が今日の感想と共に並んでくれたファンに向かって話した。











【今日はみなさん、私たちのために物販にも足をお運びいただきありがとうございました。みなさまのおかげで、最高のデビューを飾ることができました。


次のライブに関しては、SNSの方に告知しますので、フォローの方宜しくお願いします。また、明日から個人アカウントの方でも運用していきますので、今日気になった子がいたら、是非フォローの方宜しくお願いいたします。


それでは光咲キ誇レ、これにて物販を終了いたします、ありがとうございました。】










ゆめ果に続いて、4人からも感謝の一言を述べ、最後は5人でお辞儀をした。









【ありがとうございました。】











この言葉の後、ファンから割れんばかりの拍手が巻き起こった。メンバーは一旦和奏と共に控室の方に戻り、陵介、誡南、美樹、夕凪は荷物の片付け、恭一郎は物販で起きた出来事を含め、一輝にメールで報告した。










そして21時45分、メンバー、スタッフ揃って運営元と会場スタッフへの挨拶を行い、会場を後にした。










恭一郎たちは、このデビューライブを見届けて、改めてこの5人を選んだことは間違いじゃない、後はこの5人をどうやって強くさせていくかだなと改めて思い直した、そして最後にメンバーを駅まで送り届け、スタッフたちも駅で解散した。










まだこのグループは、最初の一歩を踏み出したに過ぎない、しかしこの一歩はこれからに向けての大きな一歩でもあった。




























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