第2話 騒がしい地下室
「やあ!僕の顔どう思う?はは!やっぱり美しいよなあ、こんなに美しく生まれてしまうなんて、、なんて僕は罪深いんだ!!愛してるよ!ぼ・く☆☆」
「…グゥZzz…」
「『ドカン!!!!』 あー、また失敗かなあ、やっぱりこのパーツはこれじゃなくて…」
なんでこんなことになったんだっけ……
遡ること小一時間前、たまたま出会った男性の後について僕はとある酒場の地下にいた。
「おーーい、みんな聞けー」
「あらぁおかえりなさいリンドウさん」「やあリンドウ!今日も美しいよ!僕は!」「…」「おう、客か?」「おっと失礼、実験に没頭していたよ!」「……グゥ」
中にいた人達(1名除き)が一斉にこちらを振り向く。
1.2.3..6人?かな?
思わず見とれてしまいそうな美しい女性。鏡を見ながら自分に見とれる男性。無言で本を読んでいた男性。さっきから興味ありげに僕のことを見つめてくる厳つめの男性。さっきの爆発で顔がすすだらけになっている女性、?。寝てる人…いや、爆発しても起きないってなんなんだよ。
どうやら隣にいるこの男性はリンドウという名らしい。
「おうおう、ちょっとそこの寝てるの起こしてくれ。今日は新メンバーの紹介だ。」
……ん?????
一斉にみんなの注意が僕へむく。
しんか新メンバー?なんの事だ?全くもって覚えがない。
「ちょっと待ってください、新メンバーってなんの事ですか!?僕着いてこいとしか言われてないですけど!?」
リンドウさんが一瞬驚く素振りを見せたあと、やばいというかのように顔を顰める。
「おいリンドウ。まさか貴様何も言わずにその少年を連れてきたのではないだろうな。」
ずっと無言だった人が溜息をつきながら言った。
「悪い悪い、そのまさかだ!」
「…今すぐ送り返してこい。ここは簡単に足を踏み入れさせていい場所じゃない。」
「俺も賛成だ。見たところ普通のガキじゃねーか。」
何人かの人がリンドウさんに反発する。
…なんだ、何やら不穏な空気だぞ?
言われるがままに着いてきてしまったことを少し後悔する。このままでは本当に帰らされそうな空気を感じ、せめてさっき言っていたことについてだけでも聞いてしまおうとリンドウさんに話しかける。
「あ、あのリンドウ?さん。僕の幼なじみを探すのに協力出来るかもって話については…」
僕がそうコソコソ声をかけるとリンドウさんは一言呟いた。
「…タンジー。」
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