第8話 恋愛相談=リア充?

我ながら.....何でこんなに俺の周りが騒がしくなっているのか。

それを考えるが.....やっぱり原点は貸した事しか無い。

困ったもんだな。

何処までこれは広がって行くのか。

俺にも想像がつかない。


先ず今の状況を整理する。


1、相談。

2、デート

3、友人。


馬鹿なのかクソッタレ。

これではまるで俺はリア充じゃねーか!

思いながら俺は額に手を添える。


リア充の毒に侵されているのだが.....。

ボッチが好きなのに.....。

それから盛大に溜息を吐きながら.....目の前の人物を見る。

浪川燐という少女を、だ。


今日は部活が急遽休みになったので浪川と一緒である。

そして、誰にも聴かれない様に、と町の外のファミレスまで俺は連れ出された。

何を考えているのだ浪川は.....全く。

しかも俺に相談ってのは俺に関係無いし。

骨折り損のくたびれもうけ、とはまさにこの事かな?


「それで。.....丁度、里見の用事を断ってまで来たんだ。奢ってもらうぞ」


「う、うん。相談費は払うよ。絶対に」


「.....で。俺はどうしたら良いのだ」


「先ずどうやったら部長を殺せるか」


「.....」


何というか冗談で言ってますか?

それは冗談に聞こえませんが.....、と思いながら俺は顔を引き攣らせて浪川を見る。

浪川は、ウフフフフ.....、と狂った様な笑みを浮かべている。

これが冗談に聞こえますか?、と浪川は笑顔。

そして俺を見てくる。


「.....お前.....」


「.....な、何?私の頭のネジが吹っ飛んでいるって思っているの?」


「当たり前だろ。そうしか見えないんだが」


「.....私は邪魔者を排除するだけだしね。.....そんなつもりは無いよ」


「.....それがもうおかしいって.....」


「だ、だって.....恋の邪魔.....」


ダメだコイツ。

アカン過ぎるぞ。

暴走しているぞコイツ。


どう収めたら良いか分からないんだが。

俺は考えながら.....顔を引き攣らせる。

割とガチでどうしたものかな、と思いつつ。

ヤンデレ化した浪川に向く。

コーラフロートを胃の洗浄液にしながら、だ。


「取り敢えずは落ち着け。良いか。.....先ずツツジ先輩の気を引くのは限りなく限界にちか.....」


「何?.....どっちの味方なの?.....君は.....」


「.....」


これ.....どうしたら良いのだろうか。

何かその精神安定剤とか?

そういうものを注射器で刺すとか?


浪川がまさかこんな感じとは思わなかったぞ.....。

性格すらおっとりかと。

そう思っていたのだが.....。

と思っていると。


「やっぱり。浪川さんと田中くん」


「.....お前.....里見?」


「来ちゃった。.....参考書を買って帰っている偶然に見掛けたから」


「.....あー.....」


成程。かなりのバットタイミングだな.....。

俺は額に手を添えながら.....里見を見る。

里見は?を浮かべながらも。


浪川さんってもしかして田中くんと付き合っているの?、とニヤニヤする。

どっから見ればそうなる。

まるで違う。


「違う。コイツは先輩が好きなんだ。読書部の副部長なんだけど.....」


「え?.....あ。そういえば読書部に入ろうと思ったんだったね。私。.....何だか楽しそうだね。読書部」


「.....楽しく無いけどな.....」


え?、と不思議がる里見。

胃が痛いだけだ。

特にコイツのヤンデレ具合といえば.....。


俺は額に再び手を添える。

何度目かも分からないが.....胃がキリキリするんだが。

困ったもんだな.....。


「ねえねえ。恋バナだったら私も混じって良い?」


「.....何でそうなるんだよ.....おま.....」


「良いですよ。.....里見さんの意見も聞きたいです」


「.....」


良いのか?本当に良いのか?

混ぜるな危険とかじゃ無いよな?

一酸化中毒とかならないよな?


勘弁してくれよ?

俺は思いつつ.....里見と浪川を交互に見る。

それから、全く、と思った。


「で。どんな作戦で行くの?ワクワクする」


「.....お前は良いのか。お前の恋路とか」


「無いよ。あの男は死んだ。.....私は.....」


うわ。大粒の涙で泣き始めた。

未練無いとか言いながらそれは無いだろ。

俺は思いつつ.....顔を引き攣らせてナプキンを渡す。

あっという間にグショグショになった。

うわー.....濡れたナプキンが可哀想だ。


「里見さん.....何かあったの?」


「.....お前は知らんのか。失恋したんだコイツ」


「.....え?そうなの!?」


「.....そう。.....好きだったのに。幼馴染みの事が.....大好きだった.....」


「そうなんだ.....そんなに好きなのになんで振られたの?」


何を聞いてんだ.....。

穴を掘るなよ。

墓穴というものを知らんのかコイツは。

俺は驚愕しつつ慌てつつ里見を見る。


里見は目が〇〇になっており。

そして口からエクトプラズムが出ている.....。

これは参った.....というか困ったな.....。


「里見。大丈夫だ。お前には良い人がきっと見つかるから!」


「.....グスッ。.....ほんと?」


「.....お前は幼稚園児か?.....可愛いけど」


「.....でも私.....付き合ってない様な人。好きな人は出来たし.....初恋さえ諦めれれば.....ね.....」


オイマジか。

爆弾発言だな。

俺は驚愕しながら見ていると、ゴゴゴ、と闇の炎が上がる、が直ぐに消えた。

浪川の霊圧が消えた.....!?

俺はゾッとしながらその状態を見ていると里見は言う。


「好きな人ってどんな人なの?」


「.....女狐が.....」


「実は女性の部長にも好かれているんだよ。その男の子。だから浪川の付け入る隙が無いんだ」


女狐言うな。

お前は何て事を言うんだよ。

俺は思いつつ額を撫でる。

つか何回目の仕草だこれは。

全く.....どいつもコイツも.....。


「へぇ.....そうなんだ。.....じゃあお互いに頑張ろう。.....ねえ。もし良かったらなーちゃんって呼んでいい?!」


「え.....い、良いけど.....じゃあ私もさとちゃんって呼んでいい?」


「.....」


まあ取り敢えずは良い方面にに向かいそうだな。

俺は思いつつ.....2人を見る。

そうしていると里見が俺に向いた。

君の名前も下で呼んで良い?、と聞いてくる。

何言ってんの?


「俺とお前ってそんなに親しい仲じゃ無いんだけど.....」


「え!?ひっどい!私.....お弁当作ってきているのに.....」


「.....それは事情ありきだからな.....話が違う」


「えー.....良いじゃない!名前で呼んだって!ね?凛花」


「嫌だ。馬鹿じゃ無いのか。花の名前だぞ。女子かっつーの」


「もー!このひねくれマン!」


ぽこぽこと俺の肩を叩いてくる里見。

何だって女子に名前なんぞ。

親しくも無いのによ。


俺は思いながらジト目で里見を見る。

それから薄くなったコーラフロートの味を噛み締めた。

不味いんだが.....何故かそこそこには美味い。

今の状態では丁度良いと。

そう感じれた。


本当にリア充じゃ無いんだけどな俺.....。


本日の残高 −4100円

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