第5話 ラブコメ発生!(但しそれは良い方向とは限らない)
さて簡単に纏めてしまうと。
俺は読書部という部活に浪川という少女に誘われて半ば無理矢理、部員になった。
そしてその途中で俺は1年坊に囲まれている里見を見つけてしまい。
俺は何を考えたか隙を見て救出した。
何をしているのか危険を冒してまで.....だ。
割と本気で馬鹿なのか俺は?
アホすぎワロタピーポーって感じか?
古すぎかっての.....。
読書部では、逢引だー、とかされていて厄介だったが.....全てを簡単に(借金を隠しながら)説明してから何とか収まった。
そして翌日に至る。
俺は普段通り起き上がる。
「ふあ.....」
全く.....本当に昨日は散々だったな。
俺は考えながら眠気眼を擦りつつボヤッとしつつベッドから降りる。
そして制服に着替えてからそのまま準備をしつつ鞄を持って降りて行く。
まあ当然ながら何か美少女が起しに来るとかいう演出も無い。
何時も通りの一人っ子の演出だ。
当たり前だが美少女が起しに来るとかそんなのは空想の世界の話なのでね。
下らないのだが.....まあ。
ラブコメのラノベに基本ハマっている俺が言える立場じゃないが。
でも3次元の現実ではあり得ない。
俺は納得しながら降りてリビングのドアを開ける。
そして.....思いっきり硬直した。
俺の学校の女子が居たから、であるが。
「あ。お、お早う御座います!」
「浪川.....お前は一体.....何をして.....いるんだ.....」
「み、見て分かりませんか。.....朝食の準備です」
「いやいや見れば分かるがそこまで親しい仲じゃ無いだろう!?」
そんな事を言っていると。
父親の田中比叡(たなかひえい)に、おいおいそんなこと言うなよ凛花、と新聞から顔を上げて突っ込まれた。
キランと目を輝かせて、だ。
スキンヘッドでグラサンのオッサン。
サングラスを光らせる。
このオッサンは50歳だ。
そして顔立ちもかなり厳つい.....のだが。
性格は実は。
お前を好きなこんな娘が家に直に.....来るなんて.....、と涙ぐんで泣き始める。
馬鹿かコイツは違うっての。
まあ.....その。
こんな性格なのだ。
「あらあら。花ちゃん。そんなこと言っちゃ駄目でしょ?」
「母さん。良い加減花ちゃんってのやめてくれよ。俺は凛花だ!」
「どっちでも良いじゃないの。パンジーって呼ぶ?」
「止めてくれ.....母さん」
いやパンジーって完璧に花じゃん。
朝食の手伝いをしている母親の田中林子(たなかりんこ)はそう言う。
顔立ちは清楚な感じで.....そして清楚な整っている髪の毛。
それから.....お淑やかな顔立ち。
まさにオッサンとは打って変わっての存在だ。
「で。浪川。何で俺の家に来たんだ」
「.....す、好きな人についての相談です。それだったら部員の人が良いかなって」
「.....その言い方だと全く俺に好意が向いて無いんだけど.....どうなってんの?」
「そうですね。私.....実はツツジ先輩が好きなんです」
「.....」
有り得ない答えだ。
家族も?を浮かべている。
いや。ちょっと待って。
だとするならお前本当になんで家に来たの?
ラブコメイベントをガン無視だな。
そんな感じで.....何だか困惑するしか無かった。
何でその為に俺の期待は裏切られるの。
考えながらも時間が無いので取り敢えずと.....俺は飯を食べる。
「うま.....これお前が作ったのか?浪川」
「はい。.....相談費です」
「うわ!根っから最低!」
何これ!全然美味しくなくなった!
どうしたら良いの僕!
と思いながら親父を見る。
親父はガツガツと食っていた。
とても.....今まで食べた中で美味いぞ、と言いながら。
あらヤダ.....お父様ったら、と浪川.....。
能天気か!!!!!
「あらあら。比叡さん?.....それはつまり私よりも良いって事ですか.....?」
「は!.....いや!?.....そ、そんな訳無いだろう!?母さん!冗談でもよしてくれ!」
「あらあら.....本当かしら.....」
ヤバい。
仁王像が有る。
俺は苦笑しながらも飯を食い続ける。
親父は怯んでいたが、だ。
とにかく遅れる訳にはいかない。
遅れたら注目されてしまう。
考えていると横に浪川の顔があった。
ビクッとする俺。
「美味しいですか」
「おう。しかし勘違いする様な真似をするなよ。家に来たりと」
「あ、安心して下さい。私は.....田中君を意識なんて全くしていません」
「最低すぎるコメント有難う。お前も食えよ。遅刻する」
「で、ですね。アハハ」
しかしそれは良いのだが.....コイツ確かツツジ先輩が好きって言ったな?
どうなっているんだ?
ツツジ先輩.....まさかの三角関係!?
うわー!
最低.....ってか死ねや。
というかどうするつもりなんだ浪川の奴は。
「.....もう良いや。とにかく食おう」
先輩にそう思っているのも最低だな。
俺はそう思いながらもそう意識せざるを得なかった。
それから俺は飯をかき込んで準備してから。
そのまま浪川と学校に向かった。
勘違いされそうなので別行動で、だ。
☆
そんな感じで始まった何時もの学.....いや。
丁度2時限目の終わり辺り.....いや。
3時限目に突入するかもしれないのだがその狭間。
体育倉庫になんと.....俺のクラスのあのリア充の金髪ギャルと共に閉じ込められた。
いきなりの事で頭が蒼白で信じられないのだが。
女子と混合の試合で、だ。
試合が終わってから、であるが.....ボールを片していたらこのザマかよ。
俺は体育マットに座って顔を覆う。
マジかよ.....いやマジかよ。
「なんてこった.....」
「.....何でよりにもよって葉月じゃなくてアンタなんかと一緒なの.....」
「俺だってお前と一緒なんぞ居たく無いんだが。困るぞこれは」
「誤解されるって。アンタの様なキモオタと一緒とか。まじ無いわー。最悪。今日一番最悪」
「俺もだけどな.....まあ俺はダメージが無い訳ですが」
佐藤凪保は俺を見ながらキッと睨んでくる。
うわー.....最悪。
マジ卍。
なぜこうなってしまったのか.....。
全く嬉しくも無いイベント発生だー。
まるでドラ◯エで空の宝箱を当てた気分だ。
思いながら俺は助けを乞う様に外を見るが。
網目状の金具の奥には空が見えるのに。
大声を上げても届かない。
これは参った.....、と思いながら佐藤を見る。
佐藤は.....何か厳つい顔でモジモジして.....いる。
「.....どうした。佐藤.....お前.....まさか.....」
「.....は!.....と、トイレ.....だけど!何か文句ある!?」
赤面で訴えてくる佐藤。
青ざめる俺。
金網を破ってでも脱出しようと思えた瞬間でした。
っていうか何故こうなってしまったのか。
遡る事.....丁度20分前の話だが。
全く.....こうなってしまうとは誰が予想したものか。
想像が全く及ばなかった。
取り敢えずはその時は、である。
本日の残高 −4750円
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