　鞭とＪＫ

霧野

　時は平成。狂乱の時代であった。

　当時イノセントを絵に描いたようなぴちぴち女子高生であった私が、悪が蠢き欲望渦巻く世界を渡る過程で、いかにして『鞭』と出会ったのか。その顛末をここに語ろうと思う。

　まず初めに、お断りしておく。

　この物語には、エロ要素は皆無である。

　もう一度言う。エロ要素は皆無である。

　レイティングの有無を見てもわかるように、未成年者にも安心してお読みいただける内容である。

　ムチと聞いてアッチの世界を想像した穢れた大人たち及び青少年たちの期待には、残念ながら沿うものではない。

　そしてこの物語、ジャンルはホラーである。が、お化けも怪物も出てきはしない。ここにあるのはそう、ただ、人間の狂気と混沌………

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