No.4 ゴミとしての始まり
「ここがダンジョンか…」
思った以上に人はいなかった。
というか俺しかいない。
「数人はいると思ったんだがな。まあラッキーっていうことで。」
草木が生い茂る森林の入口に位置する鏡屋ダンジョン。
外見もいかにもダンジョンって感じがする。
入口には結界のような光の膜のような、なんとも言い表せないようなものが張られている。
「これを通ればステータスが獲得できるってことでいいのか、、、?まあ、いってみるか。」
そうして俺は入口を通った。
すると、
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10:00 -world modification-
○○さんのダンジョン入構を確認
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○○さんのスキャン開始。
完了しました。
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ステータスを付与します。
付与完了。
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新たな冒険者にworld modificationの一部機能の使用の許可を申請。
受諾しました。
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ダンジョンに関するスレを見たところ、
このワルモディが使えるようになり、自分のステータスの確認や、ダンジョンマップの確認等を行えるらしい。
「よし。とりあえずステータスを獲得できたか。この分から予測すると、今後機能が増えてく感じか?なかなか便利なんだな。……設定?」
ワルモディの画面に設定というボタンが配置されていた。
押してみると、画面情報通達の音声化、ステータス確認の意識化等の設定ができることがわかった。
画面情報の音声化簡単に説明すると、今までワルモディの画面で通達されていた情報が、今後は音声での通達にできるというものらしい。
ステータス確認の意識化は、あれだ。よく異世界もので言われる、
『ステータスオープン!』
とかでステータスが開けるようになるってことはなく…
開いて欲しいって思ったら開いてくれるってことらしい。
憧れるよな。あれ。
俺も何回かやってみたいと思ったことがある。やってみたかったな…。
「とりあえずこの2つを適用っと」
そして本題、ステータスの確認だ。
これだけのためにここに来たと言っても過言ではない。
またもやダンジョンスレ情報だが、平均はそれぞれの能力値が5ってとこらしい。それと固有スキルが一人一つ与えられるとか。
「よし。俺は決めたんだ。冒険者になってやるって!」
そうして、ステータスと念じると、
目の前に自分のステータスの画面が映し出された。
希望を持っていた自分が馬鹿だったのかもしれない。
俺は希望を持つことさえ許されないのか。
「うそ…だろ…?」
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ステータス
真柄 綾人
Lv.1
体力:2
筋力:3
耐久:1
速度:5
幸運:3
スキルポイント:0
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固有スキル:ゴミ
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「そんなのってあるか…?」
確かに俺はゴミだ。しかし、そんな俺でも変わったつもりだ。決心もしたはずだ。
それなのに…
「どう足掻こうが、俺がゴミである事実は変わらないってか。」
絶望というより驚きが大きかった。神でさえも俺をゴミと呼ぶのかと。
「ふはははは…。そうか。ゴミか。俺らしいっちゃ俺らしいよな。いいだろう…。俺をゴミと称した奴ら見返してやるよ…。このクソッタレがぁ!」
もう頭の中もぐちゃぐちゃで自分でも何を言っているのか分からなかった。
しかし、この時彼の中には確固たる信念が芽生えていた。
「俺は上がるぞ。"神"」
ここから、ゴミのゴミによるゴミのための戦いが始まる。
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