No.3 親って温かいね

ステータスの適用までの20日はあっという間だった。


「ふぅ…。脱引きこもり…脱引きこもり!よし、!ダンジョン行くか!」


何があったのかと言うと、この20日間の間に再び謎の画面が現れた。


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12:00 -world modification-


ダンジョン内は結合率1%を超えるまで、

空の状態となります。


ステータスの取得方法:ダンジョンに足を踏み入れる


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ということだった。


この謎の画面。いや、ワールドモディフィケーション。略してワルモディ曰くステータスが欲しければ、ダンジョンに入れとのことだった。


俺は一筋の光を見いだしていた。これをきっかけに引きこもりをやめられるのではないか、普通の人間に戻れるのではないか、と。



家を出る前、俺は親に外に行くことを言うと、



「ほんとなの、、?ねえあなた!綾が外に出るって!!」


「それは本当か!うぉぉぉぉぉ!うちの息子も成長したのか!!男になったな!綾!」



俺は水を吹き出しそうになった。いや、吹き出した。

まさか両親がここまで喜ぶとは思ってもいなかったからだ。



「俺は、ダンジョンに行くんだぞ、、?止めないのか?」



そう。目的はダンジョンだ。

そして、引きこもりの俺は冒険者になろうとしている。あまりにも無謀だと普通の人は思うだろう。



「そんなの関係ないわよ。目的がなんであれ、息子の門出だもの。死なないでいてくれさえいれば、なんだって大丈夫よ。そして、何より私の自慢の息子よ!」



おいおい門出って随分大きく出たな。

ただ自分が冒険者になれるかどうか、ダンジョンに行って確かめるだけだぞ?



「気にするんじゃない。ダンジョン?そんなの関係ない。男が信念持って決めたことだ。誰も止めやしない。俺は応援するぞ。」



俺は本当にゴミだな。両親はこんなにも俺の事を思っていてくれたのか。


親不孝にも程があるな。


「ああ。ありがとう。行ってくる。」


「行ってらっしゃい。気をつけるのよ。」


「おう。やってこい。」


親ってこんなにも暖かいものなんだな。




社会のゴミが確定し、このまま死ぬまでなんもしない無垢な人生を歩むと思っていた。


人生に価値なんてない。見い出せない。


そもそも生きることにそこまでの意味があるのか?


ずっとそう思っていた。



そんな俺が両親との数分の会話という、転瞬の間に、気持ちが一転した。


俺は冒険者になって親に報いる。


そう決心した。


数時間後、その決心が無に帰すことも知らずに。



「この近くだと、、、鏡屋ダンジョンだな。」



俺がなぜこんなにも早くダンジョンを見つけられたのかと言うと、ダンジョンが生成される今日の日付になったと同時に、ワルモディから日本のダンジョンマップが各自に支給されたからだ。


なんて便利なんだ。ワルモディは。


あと、驚くべきことがもうひとつ。

ダンジョンは全市町村に1ヶ所以上あるらしい。

合計だと約数万に及ぶという。


セ○ンとか○ーソンに匹敵するじゃないか。

セ○ン行ってくる。が数年後にはダンジョン行ってくる。になっているのだろうか。


それぞれのダンジョンはS〜Fランクに分かれている。おそらくランダムだ。


俺が向かう鏡屋ダンジョンはDランクダンジョンのようだ。

まあ今は空の状態だから気にする事はないがな。



そうして、俺は2キロほど離れたダンジョンに俺は向かった。

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