第14話

部屋で三人が寝ているとミヤハとコノハが朝食を持ってきてくれた。

「おはよう。ご飯持ってきたわよー。」

「おはよー。」

まだ眠い目を擦りながら、トーストとベーコンエッグを食べる。


食後にコノハがコーヒーを入れてくれた。

「三人とも眠そうだね。進展はあった?」

「今日で解決できればいいなーって感じですかね。」

とナミは昨日のことをコノハに話す。

黒い影がグレーだったこと、満月の近くに掘り起こされたことが原因で今回魔獣になったこと。

グレーの魔力のせいで他の動物の霊も出てきていること。

それから、他にも埋まっている動物たちを月へ送る約束をしたことだった。

グレーと話をしていたのは最後の件についてだろう。


「あ、そういえば。思い出したんだけど。」

とカガが続ける。

「グレーが居なくなってから、ナミ犯人が分かったって言ってなかったっけ?誰だったか思い出せないんだけど。」

ナミは首を捻る。そのことについてはまだ思い出せていないようだ。


今日の流れについて相談していると窓の外にロボット型のフクロウ便がやってきた。

『ナミさん宛に最速便です。タグを読み込ませてください。』

ナミは首元のドックタグをフクロウの前にかざすと目が赤く光る。

『認証できました。ご利用ありがとうございます。』

手紙と小さな小包を受け取るとフクロウは飛んで行った。

「マージ先生今日の零時過ぎぐらいなるけどこっちに着けるって。」

「帰ってきてくれるんだね。この小包は?」

「よかったら、使ってって。ただし、危ない橋はわたらないこと。だって」

「開けていい?」

「どうぞ。」

小包を開けると透明な小さな袋に茶色い粉が入っていた。

「あ、もしかしてクチナシ?」

「さすがコノハ先生。」

とナミは苦笑いする。

「くちなしってー?」

「カガちゃん、ゼミで教えたでしょー。クチナシの実の粉は口を軽く、根っこは口を堅くする効果があるんだよ。ただきっかけを作る位にしかならないから、効果を知って食べてもあんまり意味はないんだけどね。」


「先生、今日も調理室借りてもいいですか?」

「いいよ、昨日と同じ位の時間に来て。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ、僕は授業あるからこの辺で。また何かあったら連絡して。」

始業の鐘が鳴り始めたのでコノハは慌ただしく部屋を出て行った。

「私はまた必要な物ちょっと取ってくるね。楓の木掘る前にこれ飲んでおいて。」

とナミは小さな小瓶をふたつカバンから取り出した。

中は青く透き通った色の液体が入っている。

「これは?」

「負のエネルギーを中和させてくれる薬。動物のとはいえ死体を掘り起こすわけだから一応ね。」

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