応援コメント

第7話 アンジェリーヌ」への応援コメント

  • 冒頭、始まり方ですが上手いです。
    主人公の語り口を主として、これでもかと“明るく”愛を主軸とした文章構成。
    そしてプラス的な内容の言葉をふんだんに使って、最後にオチでマイナスの言葉をようやく使う、落としの手法としてはお手本レベルの鮮やかさです。

    しかもそこからの展開もいいですね。
    流れるような時間の経過で彼女の活発さを演出し、停滞しない事で、プラスの印象をこれでもかと読者に与える。
    文章の連続性がとても気持ちいです。

    しかし、それもこれも4話辺りから崩れます。
    急展開、という言葉を使えば聞こえはいいですが、展開があまりにも早く読者の“気づき”“考察”それらの余地が全くない。
    流れ過ぎて、勢い余って激流になってしまった、文章構成は、スピーディーというよりも、読者を置いていくだけの独善的文章へと様変わりします。

    3話まではそれでもいいですが、それ以降はもう少し、屋敷の華やかさや、主人公たち登場人物たちが、見ている“世界”についての言及をもう少し、細かく、そしてさり気なく入れましょう。

    主人公の正体というか、そういう物が明かされますが、伏線の数があまりにも少ない。
    読者からすれば「えぇ?」みたいな、急展開どころのスピードじゃないです。そういう大事なことや、物語の根幹にかかわる重要なエピソードが、はもう少し“回りくどい”感じが出ている方がいいです。
    あっさりし過ぎていると、どこで落ち着けばいいのか分からない読者は、疲れてしまいます。

    総評【主人公の純粋さや登場人物たちの個性が存分に表現された、華やかな作品であり、そして決して華やかで明るいだけじゃないんだぞという、意思も伝わるよく練り込まれた作品。しかし“焦らし”や“釣り”などのテクニックが少ないために、展開が流れてしまっている。せっかくの土台や設定が、ただだか数行の余韻で終わってしまうのは勿体ないので、そういう別角度からのアプローチも出来るようになれば、さらなる成長が見込めるだろう】

    作者からの返信

    ご感想頂き、ありがとうございます。

    "焦らし"と"釣り"ですか……なるほど……

    今まで書いてきた物が、自分的には回りくどいのではと感じていて、だから今回はなるべくあっさり読めるようにと心掛けて書いたのですが、なかなか難しいですね。

    この作品は、初めは短編で書こうと思っていた物だったのですが、情景や思考を書いていくとどうしても短編にはできなかったのです。
    なので、なるべく本当に簡潔な短編を見習うようにして、過度に情景を説明しすぎないように心掛けましたが、足らなかった感じになったようですね。

    もしくは、もっと惹き付ける書き方が必要だったんでしょうね。
    勉強になります。

    導入部分を入りやすく、情景を分かりやすく、でも丁寧に伝えていく、を今後心掛けていきます。

    "焦らし"と"釣り"、自分なりに考えて次回作に生かしていこうと思います。

    ありがとうございました!
    <(_ _*)>

    編集済