第3話日常と作戦会議

「相変わらず、恋は料理うまいよねえ。」

場面は移り変わって、 恋の家。きちっと整理整頓された部屋の中で、机に香ばしい餃子が並んでいた。

「ありがとおー。」

はい、と恋がまた新しい餃子を運んでくる。

「しかし、熊がこんなおいしい餃子になるなんてねえ。熊も本望でしょう。」

「とかいって、めっちゃ食ってんの誤魔化せてると思ってる?真姫。太るよ。」

無表情なしおりがその隣で餃子をパクパクしながら言っている。

「ごほっ!!!!!運動すれば大丈夫だし。・・・・・多分。」

「嘘。お腹のお肉気にしてたの知ってるよ。」

真姫の箸がピトッと止まった。しおりは的確に言葉の刃で真姫を追い詰めてく。

「恋も、私と同じぐらい食べてるし、、、、」

「恋は・・・・ねえ。」

ほかの二人の目線は恋の背丈へと向いていた。

「「「全部身長にいってる。」」

彼女たちの視線に、恋は、少し恥ずかしそうに体をかがめた。

「そ、そんな見ないでくださいよう。」


「あー。食った食った。」

見るからに膨れたお腹をポンポンと叩く。

「真姫ー。あんた、可愛いのに。なんか、動作というか所為がおじさん臭いのよねー。やめた方がいいわよ。」

「な!!!!!うるさい!!あなたの口もニンニク臭いわよ。すみれ。」

すみれはそれを聞くとさっと、口元を隠しクンクンと自分の口元を嗅いでいた。

「って。多分、ここにいる4人全員そうじゃない。みんな臭いわよ。」

思えば、部屋全体にニンニクの強い匂いが漂っている。

「私は、おばあちゃんにミントガムをもらったから、臭くない。」

しおりがはー、と息を吐いた。確かに、彼女の息だけさわやかである。

「あはは。お口直しのために、パフェでも食べに行きますか?」

「パフェ!!!!!行きたいわね。」

「真姫は、その腹でもう食べれない―お腹いっぱいーって言ってたじゃないの。さすがにやめといたほうがいいんじゃないの?」


スイーツ店にて。もちろん、同じぐらいの年代の女子がいる中で、4人グループは普段はそんなに目立たなかった。が、甘い匂いがしている中でニンニクのにおいを猛烈に漂わせている集団というのは浮いていた。

「なんで。みられてるんでしょう。恥ずかしいんですが―」

恋のこの言葉には、皆答えようとしなかった。紙にニンニクと書いて教える。

「あ!!!!」


「で、みんなを呼んだわけなんだけどさ。」

彼女たちが、会社帰りのつかれたサラリーマンのにおいから年相応の女子高生らしい匂いになったところで、すみれが話を始めた。

「ああ、そうだ。すみれが私たちを呼んだんだっけ。」

パフェを食べながら、彼女はタブレットを取り出した。

「これを見てほしいのだけれど。」

彼女が見せたのは廃品置き場に来た二人の男の動画であった。

「帽子を深くかぶってて、若干顔が見えないわね。」

「うちの家の監視カメラで撮影したんだから文句を言わないでよ。」

4人が一心に映像を見つめる。声が聞こえてきた。

あれ?・・・だれかいたような・・・・・・枢密院の依頼で・・・・・・長崎を侵略しないと・・・・どこから攻めようか・・・・・・・・

それを聞いた後、四人は無言でカフェを食べていた。絶句していたから、ではない。

なぜなら期間限定であったスイーツ食べ放題のラストオーダーがあと10分に迫っていたからだ。


「それで。」

一番最初に発言したのはお腹を抱えて苦しそうにしている真姫だった。

「どうやって止めるの、それ。」

彼女の頭の中には、それを止めないという選択肢はなかったらしい。徹底的に交戦するつもりのようだ。

「そもそも、本当なんですかかあ?枢密院が決定したなら止めようがないでしょうし。。。。。」

「枢密院ねえ。あれでしょ。国会の700人じゃあ多すぎるから、20人にしようということで、新しく作られた組織。」

腐敗も起こり放題になっているようだが。そもそも民主主義とは時間がかかってなんぼのものだ。

今現在、行政権、司法権、立法権三権○○全部握っている。

「まあ、そうだね。枢密院の総意がそうならば。」

しおりはあくまでも冷静だった。

「どういうこと?しおり。」

「すみれに調べてもらったんだけど。」

タブレットをまた見せる。

「枢密院も一つではない。つまり、一勢力ぐらいだよ。長崎をどうにかしようとしているのは。」

あごひげをたっぷりと蓄えた白髪の男性の顔写真が表示された。

「で、多分。この人。間宮昭三。おそらく、というか十中八九黒幕。もしくは何らかの形でかかわっている。」

「じゃあ、大体この人にNOといわせたら解決なのね。」

彼女にはわかりやすくてよさそうだ。

「まあ、要約するれば。」

よっし!!!!!といって、そのまま東京に行ってしまいそうな感じで立ち上がった。

「速い早いはやい。敵が来るまであと少なくても一か月はあるんだから、まだ行かなくていいよ。」

「そ、そう。」

「たぶん、ほおっておいても来るからじっくり待っとこう。」



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日常回となりましたが、どうでしょうか。できれば、もっと食べ物に関する描写を挟みたかった!!!!!!!!!!!!

次回は戦闘回です!!!!!










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アフター・パンデミック 絶対に怯ませたいトゲキッス @yukat0703

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