第8話:マカロン作り

アレクソンさんが気になってしまうが、今は授業中。ちゃんとマカロンを作り終えないと!


「じゃあ真琴はんには、マカロンの生地を作って欲しいわ。」


と愁さんが私を指差し言った。


「わかった。何味がいいかな?」


設定を忘れているかもしれないがこのマカロンは後輩に上げるもので自分たちで食べるわけではない。なので、後輩の好きそうな味にしたほうが良いのだ。多分。


「あー‥‥‥なんかお二人さんの知ってはる後輩にあげたらええんちゃうか?」

「ぼ、、く、後、、輩、と、、関わ、り、、ない、、。」


「わたs___‥‥俺もなi‥__‥‥」

「ちーーーーっす。」


『!!!????』


私が話を続けようとすると、私の背後から背の高い黒髪マッシュの男の子が出てきた。


(‥‥誰______....?)

知らない人には危機感を持たないといけない。もし真琴兄さんが知ってる人だったら気軽に誰かと聞いてはならない。


「水無瀬先ぱ〜い。マカロン作るって聞きましたけど〜。」


(やっぱこいつ真琴兄の知り合いかっ!!!)


なんでお兄ちゃんこんなに顔広いんだか‥‥‥‥てかこいつ水瀬って言ったよね?ということはこいつ後輩!?背、高っ!!

まぁ今日が終わればなんとかなる!!!から切り抜ける!!!


「真琴はんの知り合いなんか?」


「え、あ、うん。」

まだ状況をすべて把握できていない私は動揺を隠せない。


「せんぱ〜い。俺マカロン欲しいんすけど。」


「え"っ」


まさかの言葉に余計心を乱される。あとこいつ生意気だな。


「まぁちょうどええんちゃうか?後輩くん探してたし。」

「そ、、だね、、、。」


(えーーーーー‥‥)


「まぁふたりがそういうなら俺はそれでいいよ‥」


と私は不安混じりの声を上げた。


「えーと‥‥‥じゃああんさんの名前教えてもらってええか?」

愁さんが後輩くんに聞く。


「あー、俺は八神蓮やがみれんって言います。先輩たちこそ名前伺っていいっすか?真琴先輩以外知らないっす。」


意外と礼儀がなってる後輩っぽい。が、ちょっと生意気な語尾というかなんというか。


「わいは天王寺愁てんのうじしゅうやで。」

「ぼく‥‥は、アレクソン‥勇斗ゆうと、だ‥よ。」


二人が自己紹介をしたあと、雪平先生の声が教室内に響いた。


「八神!!!!!!お前今授業中だぞ!!!早くクラスにもどれ!!!」


「チッ‥‥」

「雪平先生‥?」


私が思わず声を出すと、先生は言った。

「驚かせてすまないなみんな。こいつは俺の友達の息子なんだ。何回か会ったことがあってな‥‥」


(なるほど‥‥この二人はそんな関係にあったのか‥‥)

と私が考え込んでいると、


「水瀬先輩。俺チョコ味が食べたいっす。」

「!!!」


(いつの間に背後に‥)


「楽しみにしてますね。」

と、彼は小さく手を振り教室を出ていった。


「嵐のような男やったなぁ‥‥」

「問、題児‥っぽい、ね‥」

「うん。そうだね。」


なんかドッと疲れた気がする‥‥はぁ‥‥


「まこちんたち時間やばくなーい?」

「うわぁ!?東雲!?サン(小声)」


「私達のチームはもう終了しそうですが。」

「僕のグループもだよ!」

「俺のも!」


百瀬さんに続き東雲さん、北条さんも終わりそうなのか‥‥


「え、ホントじゃん!!急いで作らないと!!」

よくわからない後輩に気を取られて時間を取ってしまった。急いで授業中に終わらさえないと!!!!!!



___________...........



「水瀬、く‥‥ん‥。」

「真琴はん‥‥」


『おつかれ』


と二人に背中をぽんと叩かれ情けない声が出てしまった。


「終わってよかったぁ〜‥‥」


「真琴はんかなり料理上手いんやな〜。関心したでホンマ。」

「ほん、とに‥すごい、よ‥‥」


「えへへ‥ありがと」

二人に褒められ口元が緩んでしまう。


八神くんが帰ったあと、みんなに遅れを取っていることに気づいた私は本気でマカロンを素早く正確なレシピで作った。

小さい頃から料理はしていたから、多分普通の人よりはできると思う。



「八神はんにどうやって渡す?」


「え?みんなで渡しに行くんじゃないの?」

と私がぽかんとする。


「僕、はごめん‥けど無、理‥話し、かけれ‥ない‥」

「実はワイも。悪いけど多忙でなあ‥渡す時間がないねん。」


「え‥」

(ということは‥‥)



_____‥‥


「あ、水瀬先ぱ〜い。」

と八神くんが手をふる。


「いたぞ、真琴。ほら、行って来いなのだよ。」

「え、一緒に来てくれないの、百瀬?」

と私は焦る。


「これはお前のグループが作ったものなのだよ。私は真琴のグループではない。」

「う"。」


正論をぶつけられよろよろと八神くんの方へ私は歩いていった。


「はい、八神。お望みのチョコマカロンだぞ。」

と手に持っていたマカロンを渡した。

八神くんはそれを受け取って袋からマカロンを取り出し食べた。


「うっま‥‥。」


それを聞いてなんだか私は嬉しくなった。


「あざっす。先輩。」

と八神くんは私にお礼を言って歩いていった。

(自分で作ったものを美味しいと言ってもらうって、こんなに嬉しいんだ‥‥)


そんな事を考えていると、六限目が終わった。

(なんだか今日一日でたくさんの友達?と思える人が増えたけど‥‥もうさよならか‥)

皆さんもうお察しかもしれないが、 私は実家に帰りお兄ちゃんのフリをして男子校に潜入するのを諦めようと思う。楽しいけど‥‥色々あったしこのままやっていける気がしない‥‥


と私は帰る途中に学校の方を振り返る。なぜだかたくさんの思い出があるきがした。

それも終わりだと考えると何かよくわからない気持ちが私の中でこみ上げてきた。その感情がなにか考えていると、北条さんに呼ばれた。


「おい真琴!!どこ行くんだ?」

「‥え?‥‥家‥。」

「はぁ?」


(?????????)


「お前忘れたのか?ここの学生は寮か実家か選べるけど、お前寮選んだじゃん!」

(えっ!!!!????)


「えーと‥じゃあ俺‥」

「そうだ。お前は実家に帰れない。」


(ぎょえええええええええええええええええ!?!?!?!?)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

男装しながら登校する女子のスクールライフがヤバすぎた。 妖怪 @yokkai-yuiki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ