第7話:合同授業

愁さんと数秒目を合わせたあと、Cクラスの担任の吉野よしの先生が笛を鳴らし、私達の注目を集めた。


「みなさん!今日はCクラスとAクラスの合同授業ということで、今回はマカロンを作ってみましょう!」


(マカロン‥‥‥)


かなり難易度の高い菓子、マカロンをコイツラと作れっていうのかい‥?

無理ゲーの極みじゃないの!!!!!


私がそんなことを考えていると、私達A組の先生、雪平先生が続けた。


「ただし、合同授業ということで、違うクラスとも触れ合ってほしいわけだ。なので、グループ分けは事前にしておいた。三人ずつのグループに分けておいたぞ。何も贔屓ひいきはしていないので安心してほしい。」


(‥‥‥安心したような‥‥‥してないような‥‥)


そう。これはつまり‥‥‥運ゲー!!!!!

誰と一緒になるかそれは先生の運と自分自身の運をかけた戦争!!!!(大袈裟おおげさ


「では、グループのことはこの表に載っているので確認次第、グループで集まってください。」


そういうと、生徒たちは一斉いっせいに表に向かった。私もその大勢の中のひとりだ。正直(Aクラスの東雲、北条、and 百瀬)とは一緒になりたくない。


あとできればも‥‥‥‥‥‥‥


表に目を移した。私の(真琴兄さんの)名前が書いてあるグループは______‥‥



「ちょ、、っと、、ど、いて、、、よ、、水無瀬、くん、怖がっ、、てる、、、で、しょ、、。」


「あんさんしんぱいしょうやなあ‥‥‥でもわいは何もしてへんで?あんさんのせいちゃうか?」


「は、ぁ、、?」


二人がバチバチ喧嘩している間に私はいる。そう。私のグループは、アレクソンさんと愁さんだ!


(いやオワタ〜〜)


このふたりとも一緒になりたくなかった。なにか嫌な予感の匂いがこの二人からはするのだ。北条さんとは違う、なにか、なんというか、毒‥‥‥?()


「ふたりとも、マカロン早く作ろ?他のみんな始めちゃってるよ?」

と私が中立を取ろうとする。


「そ、、だね、、。じゃ、、あ、僕、と水、無瀬くん、、で材、料、、持っ、て、、くる、、。」

「うぇ!?」


そっと肩に手を置かれて動揺してしまう。なんだか愁さんをアレクソンさんは警戒してるみたいだ。


「なんや、アレクソンはんと言うたか?なんでわいを真琴はんから引き離そうとしはるんや?」

にこにことしているが、なにか違和感を覚える笑顔を愁さんは浮かべる。


「べ、、つに、、。」


とアレクソンさんは返す。その返事に不満があったのか浮かない顔を愁さんはして、アレクソンさんに近づき彼の耳元で何かを囁いた。私には聞こえなかったが、アレクソンさんは動揺しているように見えた。


「んで?誰をなに担当にする?」


愁さんが問う、そしてアレクソンさんが


「き、、みが、、決めて、いい、、よ、、。」

といった。


愁さんがにこりと笑い、色々指図しくれているが、わたしはアレクソンさんの動揺が尋常ではないことに気づいていた。彼の額には汗が浮かんでいて、顔は青ざめていた。よくわからないが、私の肩を掴んでいる彼の手が力んだ気がした‥‥

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る