第6話:他クラス

色々あったが、昼食の時間までバレることなく学校を乗り越えることができた。(はず)

私は、今北条さんと百瀬さんと東雲さんと屋上で座っている。パカリとお弁当を開けると、母手作りの美味しそうな具材がきれいに詰め込まれていた。見た目がとても良く、色とりどりで美味しそうだ。それにいい香りがする。

私は余計お腹をすかしてしまったのか、腹の虫をこらえることができなかった。


「美味しそぉ~だねぇ〜まこちんの弁当!」

「しっかり栄養素が揃っていますね、素晴らしい。」

「うわうまそ!お前のからあげと俺のタコさんウインナー、交換しようぜ!」


みんな私のお弁当を見るなりわちゃわちゃとまた騒ぎ出した。なんでかしらないが、楽しい気分だ。意外とこういうのも悪くないのかもしれない。


お話して食べる弁当は、いつもより美味しく感じた。

そこで、彼らはさっき私を助けてくれた男の子の話をしだした。確か名前は龍。


「なーんかあいつおかしくねぇか?」


「え?」


「ウンウン!いつもあんなんじゃないもん!なんか隠してるよ!」

「そうですね‥‥真琴はどう思います?」


よくわからないが、龍さんはいつもと違う感じらしい。いやでも私に聞かれてももともとの龍さんがわからないからどう答えたらいいかわからないんだけど‥‥


「うーん、いったん龍(さん)のクラスに行ってみる‥‥?」


「確かにー!賛成ー!」

「じゃあ飯食い終わったら行くか!」

「決まりだな」


うまく行ったっぽい。難を逃れほっと胸をなでおろした。他のクラスも一応観察しておくか。確か五時間目Cクラス?と合同だったし。

でも龍さんはBクラスから出てきたから違うのか‥‥少しがっかりした。彼ならこいつら(笑)を止めてくれると思ったのに。


しかし普通に興味があると言ってもいい。私が今いるクラス(真琴兄のクラス)はエグいほどみんなキャラが濃い。実は、兄のクラス全員が乗っている表に軽くプロフィールのようなものが書いてあったのだが、全員なんというかもう個性爆発してる。

他のクラスにどんな人達がいるのか、少し興味が湧いてきた。


「おーい龍いるかー?」

「帰らんかい猿どもが!!!!」


大声で瞬時に帰れと言われてびっくりする北条さん。しかしすぐに平常心になり、


「そうそう、そうでなきゃ龍だよねぇー」

とニコリ笑う。


「はあ??」


よくわからないがこのトゲトゲとした龍さんがもともとの彼らしい。

私は怖かったので百瀬さんの背中にひっつき虫のようにくっついていた。

よく見ることはできなかったが、クラスの方々のルックスは私のクラスに比べて普通よりだった。だった。(二回目)普通とは言い難いということだ。まぁこのことに関しては後ほどお話しよう(((((


もちろんBクラスに長居する気はない。てかできない。

何気ない会話をした後予鈴がなった。


「ほら、予鈴なったやろ!さっさと帰った帰った!」


と龍さんはシッシッと虫を払うようなジェスチャーを私達にした。

ケチケチというものの、私達は自分たちのクラスへ戻った。


「今日はCクラスと合同で料理室(または家庭科室)に行き、お前らの後輩になにか菓子を作るぞ!!」

『はーい』


先生の指示に従って料理室まで行くと、Cクラスの姿があった。

しかし、そこには龍さんがいた。


(え____?)


私は驚いた。驚きすぎて、彼をずっと見てしまっていたのか、


「あの‥‥なんか用あるん?」


と龍さん?が話しかけてきた。

いや、この人は龍さんじゃない。見た目や声はそっくりだけど、雰囲気が違いすぎる。話しかけ方が龍さんより優しいというかフレンドリーだし、柔らかく笑う。一体誰なんだ?そっくりさんにしては似すぎてるけど‥‥それか、もしかして__


「おお!しゅう!」


北条さんが彼をそう呼んだ。


「あ、晶はん!東雲はんと百瀬はんもいるんや!」


どうやらこの四人は知り合いらしい。


「真琴、お前どうした?愁となんかあったか?」

「え!?あ、いや、」


私が動揺していると、愁さんが、

「ええええええ!?真琴はんやったんですか!?」

と叫んだ。


「はぁ?何言ってるの愁ちん。どこからどう見てもまこちんでしょ!」


と東雲さんはいってくれるが、私は今にも爆発しそうなほど緊張していた。

(だって他のクラスの人知らないんだも〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!)


真琴兄にはクラスの人しか聞いてないし、もし他の人を知っていたとしても、接し方は真琴兄本人じゃないからわからないし!


「いや、実はなぁ、あの元気いっぱいのいつもの真琴はんとは違って大人しゅうなってはったから双子かと思ったわ〜」


(!?!?!?!?!?!?!?!?!?)


「いやいや、愁ちん。まこちんの兄弟は女の子でしょ!この学校にいるわけないじゃない!」

「ああ、まったく奏の言う通りだ。というか双子はお前だろう。愁。」


(あ‥‥‥‥)


「せやで〜?どうや、の僕は迷惑かけてまへんか?」

「迷惑はかけてないけどうるさい。」

「辛辣やな〜」


なるほど。やはり龍さんと愁さんは双子らしい。どちらも優しそうな雰囲気だがなんだか愁さんから不思議なオーラを感じ取った。

なんか何考えてるかわからないっていうか、なんというか、本心がわからない。よくわからないが彼の微笑みに私は怖さを覚えた。

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