第4話:動物園
(全然真琴兄が言ってたのと違うじゃん!)
私は校長室で正座させられていた。もちろん北条さんと百瀬さんと東雲さんとだ。よくわからんが叱られている。ホームルームの時間取っただけで叱られてる。(ちな私何もやってないよ?)
わたしは拳を握りしめてコ◯ナだろうがなんだろうが兄を説教しようと誓った。
__てか今冷静に考えるとホームルームの時間ってそんなに大切なのかな?‥__
やっと校長先生の長いお話が終わったところで、兄の言ってることをよく振り返ってみた。
_一話の続きにもどる_
「おい!寝てんじゃないよ!起きなさい!」
私はぐっすり眠っている兄の身体をゆらゆらと揺らしている。それも激しく。
「どうゆうこと!?男子校にいけ!?退学!?今までなんで何も言わなかったのぉぉおぉぉぉぉぉ!?」
ナースさん達が私を兄から引き剥がして、ある紙を見せてくれた。
その紙には兄の文字が書いてあった。
『千景へ、
これを見てるってことは僕に言われたんだね?学校にいけと。この手紙はそんな君を助けるためにかいたものなんだ。
まずは、僕と親しい人たちの暗記から頼むよ。アイツラとっても大人しくてさ、俺がいないとだめなんだよ。俺ってやっぱり人気者だから。ちゃんと変装していってね☆』
__グシャッッッ‥‥___
その紙は私の今まで出したことのないような怪力によってくっしゃくしゃのギッタンギタンになっていた。まぁちゃんと仲いいやつリストは見たんだが‥‥
__そして現在へ戻る__
(ばっかじゃないの!?どこがおとなしいんだか‥‥なんなら来ないほうが退学へならない最善の策なんじゃないか?やっぱり来るんじゃなかった‥‥)
「どしたの?まこちん?ブツブツ言って?」
東雲さんに顔を覗かれハッとした。
まさか口に出していたとは‥‥もっと慎重にならねば。
こうなると今やらないといけないことは
__と、こんなに大袈裟に言うまでもない。私は自分で言うのもなんだが、頭はいいほうだと思う。結構塾は進んでいるし、兄の勉強なんてササッと終われる。
一限目は国語。基本的に漢字だったが暗記が得意な私には簡単すぎる問題だった。
二限目は算数。算数は教科書があるなら簡単にできる教科なので、難なく生還。
三限目は理科。実験などをしただけなので、私が少し苦手なこの教科も乗り切れました。
思っていたとおり3限目までくりあ。これはイージーゲームの他ならない。
まぁちょーーーーっと周りのやつがうるさいけどなんとかなった‥‥‥
あと一時間で給食だし、その後二時間、いけるな。と私は思っていたのだが、そんなわたしの前に巨大な壁が現れる。
体育ッ___!?!?
いやいやちょっと待てどうすればいいんだこれは。いやべつに運動神経は平均なんだが、問題はまぁ、あれだよな、うん、着替えなんだがw
これは無理ゲー。もうトイレで着替えるか?いやついてきそうだなアイツラ(察)が…いやもうほんとになんでこんな奴らと仲良くなってんだよあのクソ兄貴ぃぃぃぃいい(少々言葉が物騒ですが目をつむっていただけると嬉しいでございます(^O^))
はぁ‥‥‥
まず真琴兄の服着れないし。でかすぎて。こうなったら奥の手を使うしかない!
「じゃあまずはランニング身体お前らー!!!」
『『はいっ!!!』』
そして一斉に走り出す生徒たち。体育担任の朝倉先生がリズムよく笛を鳴らしている。声を合わせて校庭を二周するという体育の習慣らしい。私はもちろん出席して走っている。ちゃんと体操服を着て。
皆さん驚きでしょう。なんでさっきさんざん着れないとか無理とか言ってたのに着れているのか。
私の奥の手、そう、それは___‥‥‥
必殺!!!!体操着忘れました!!!だ!!!
このサバイバルから生き残るには多少の嘘も必要なのだ。許せ。
保険の先生から私のサイズに合った体操着を貸してもらい、着替えるのは保健室。安全地帯だ。保険の先生も男の着替え姿(笑)なんて興味ないだろうし、カーテン引いて普通に着替えたったわ。
多分兄は余り保健室に行くことがないので「あれ?ちっちゃくなった?」とかも言われずにすんだ。
というか皆さん気になっていたと思うが、どうやって男に変装しているかというと、まぁあるあるなかんじだ。(?)まずさらし(?)っぽいのを胸に巻いて、真琴兄に似ている形のかつらを被って(私の場合は色が似てなくてもあとから色を付けるよ、自分で)、身長はちょっと靴でごまかしてるつもりなんだけどやっぱりバレちゃうにはバレますねw
しかしこれが意外とバレないのだよ。みんなも男子校に行くときはこの方法を使ってみてね☆(((((
そして現在に戻る(^O^)
体育は他の授業と違って動くからバレる危険性が高い。(と思う)それに真琴兄が運動どのくらいできるかなんて知らないのだから自分ができる限りやらないといけない。さっきも言ったが私は運動はそこそこなので多分真琴兄よりできないと思う。からいつバレてもおかしくないので心臓バクバクなのだ。
そんな事を考えていると突然声をかけられた。
「おい水瀬!」
「はいぃぃぃぃぃ!?」
いきなり先生に名前を呼ばれびっくりする。声が裏返ってしまった。
「お前ペアいないのか?ならアレクソンと組め。」
ペア?あ、先生の話をよく聞いていなかったが二人三脚を今日はするそうだ。他の生徒はみんなもうペアを作っていて、足を布で結んでいる。
そういえば、真琴兄のクラスメイトが全員のってある表にアレクソン
その子はとても背が高く、目が宝石のような水色だった。
「ヨ‥‥ロ、シク‥‥」
と小さな声で私に向かっていった。きっとアレクソンさんは日本語がうまく喋れないのだと私は思った。
「うん。よろしく。」
と私は彼に微笑んでみた。彼はあまり人と喋るのが得意じゃないのかわからないけど、さっきから手が震えていることがわかる。顔もずっと下を向いており、猫背だ。
そんなこんなで私とアレクソンさんの二人三脚が始まった。
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